【シスノート(非公開版)】 192~~~氏




おまえは旅立ち明日を見失った月
微笑み忘れた顔などみたくはないさ日
愛を取り戻せ曜日
 
…終わった。
もう鼻糞ほじる力も残ってねえ……
…ぃや、ほじろうと思えばほじれるけど。ほじらないし。
……オグマの前で鼻などほじったら「俺がほじってやる」なんて展開になりかねぬ。
私の嫌がることを勧んでやる奴だからな;

……いやまて。
「穴に無理矢理挿入れられた」とか「指で穴を弄ばれた」とかゆーと既成事実ぽくて…
 
い い か もw
 
……ダメだこりゃ…orz
現状情報処理能力[E](超苦手)
今日は疲れたんで明日書く…
ぃゃ、明日になったら忘れてるかも;
…どーでもいーやw…おやすみなさい………
……

 
 
朝、約束の時間よかだいぶ早い時間に決闘場所へ赴く。
地面にガリガリ落書きしてたらジジイたちじゃなくマークさんが来た。
応援?…立ち合い?…審判?…ヤジ馬?……解説?…などとあらゆる可能性を考慮。
…そのいずれとも違っていた;
 
「…どう言うことだ?」
静かだが確かな怒りを込めてマークさんがゆう。
オグマは「何、言ってんだプゲラ」的に不敵に笑う。
露骨な挑発を受け流し語りだすマークさん。
「…圧倒的に劣っていることがあるにも関わらず……」
……体格とか…パワーとか?って考えを巡らせてると…マークさんが続ける。
「実戦経験。打たれ弱さ。そして……」
…ぅぐ、どっちも致命的なのにまだあるの?って泣きたくなったが続きを我慢して聞く。
「スタミナの無さ、だ……」
ぐは、そのとーりだけど改めて直接ゆわれると泣きたくなるな;
でもホントにそのとーりだょ!…どーすんの?!
無表情のままポカポカとオグマを殴ってみるがスルーされて話が続く。


「打たれ弱さは問題ない。達人が真剣で斬りあえばどのみち一発で終わる…
 向こうの防御が固くてもシスちゃんの破壊力なら一撃…条件は同じ、か?」
……ぉぉ、そうなの?…ちょっぴ救われる…
つーかマジだ。今までになくマークさんマジだ。
「その『一撃』を見舞う為の実戦経験がない…お手本どおりにゃいかない、だろ?
 しかし…その『一撃』を入れられるまで待つ…戦闘を継続させる体力がない………」
…何?……やぱ絶望的?……泣くよ?
とか思っていた。本当に泣くことになるんだけど……
 
「…だから何が言いたい?」
ゴチャゴチャ煩え!と意訳できるオグマの問い。
「わかっているはずだ…女の子に怪我、…重傷を負わせるようなことは……」
……議論?はここまでだった。
 
 
銃声が響く。
流れ弾が岩を砕く。
実弾だ。それも貫通力特化の特殊弾…
オグマも銃で応戦する……何?…アンタ銃なんか持ってたの?
…何この展開?…てゆか時計なお世話だょマークさん!
オグマは売られた喧嘩は相場の三倍でも買っちゃう株の才能皆無な奴;
私もそうする!
…だからこうなるのか…orz
ぃゃでも!『ごっこ』じゃないマジバトルなんて今、この状況でやるか?!
オグマもマークさんも目で追うのがやっとの速度で避けて撃つ……
……違う!…二人ともあまりに綺麗な動きだから!
見えてるように…理解出来るに過ぎない。私との相対的な速度はべらぼうだ……
加速装置並の高速…でもわざわざ私に理解出来るよに動く理由なんて…
実戦なら…二人なら…もっと奇を狙った…虚を突いた動きをするはず……
…私は理解した。二人は私に足りない『生身での実戦』をみせてくれている。
これは教えられることじゃない、自分で学ぶしかないことだから……

『見る』だけで理解できるもんじゃない…そこから私が学べる保証などないのに……
本気で殺し合ってる……
 
なのに「やめて」と言えない自分……
すべてのデータを全力で記録、分析する自分……
感情が二人の死を拒否しても…この戦いを無意味にさせないためにも…
本能が必死で棋譜を付ける。わずかでも得られるモノがあるように。…見ながら戦う!
私の処理能力が追い付かない情報量……苦しい……でも!
…こんな情報量を生身の人間が発生させられるものなの?
…もしMS戦だったらどれほどの情報量になるの?
 
銃は全弾尽きてマークさんは細身の剣で斬り付けている……
オグマはアーミーナイフでそれを捌く……
……一分。経ったか経たないか。
決着は着いた。
オグマは心臓を突こうとするマークさんの剣を払いナイフでマークさんの首を斬った。
マークさんは払われた剣を横に薙いでオグマの肋骨を器用に避けて胸を斬り付けている。
互いに致命傷……
マークさんが血を吐きながらゆう。
「…バカか?…『引き分け』じゃ参考にならないだろ?」
オグマは肺までイってるらしく…ひどく小さい声だった。
「……俺のシスには……これで充分だ………」

………うん、覚えた。
だから!…傷の手当をっ!!
……

 
 
王大人は呼ばずに済んだ;
けど…マークさんは動脈から気管までずっぱり切れてたし……
(死ぬわけないと信じてるから)治療を後回しにしたオグマはもっと酷い。
今にも死にそう。いっそ死ね。死にかけだからよけい悲しいの。
でも死なないだろうな;苦しいだろうに買い直した週刊マンガ読んで笑ってやがる。
……オグマを殺す絶好のチャンスだよな。
でも。
それは…このあと勝ってからだ。

約束の時間よりこと小一時間…
ジジイらは遅れて来た。…小賢しいってか、うぜえ。
テメーラ、社会人としては失格だ。
世間の皆様は遅刻しないようばんがってらっしゃるんだぞ!
遅刻なんざしたら即リストラだ。
…大体、刻限に遅れてイライラさせようなんて小細工すること自体、敗北を意味してる。
「ふぉふぉwそう言うな。どうせ一分も経たずに終わるんじゃw」
…確かにね。
それ以上は私の体力が持たない。……それまでに軽くぶちのめ…………っ!!
…なにっ?!( ゜Д゜)~~~
シーファン嬢っ!!
……てっきりジジイにゆわれたから仕方なく…嫌々戦うものだと…
そこに付け入る隙があると……orz
…たぶん勝ったら何かご褒美もらえるんだね;;…いったい何がもらえるんですか?
そこまで凄まじく精錬、凝縮された気を放てるほど素敵なモノなんですね?
てゆか綺麗ですょ…超強気な表情すらお似合いなチャイナ戦闘衣装……
さんごくむそーですか?…てゆかその武器…何?
刃は潰してくれてあるけど……ゴツい槍ですね;…分析。…三つに別れるんですか?
…三節槍?…刃のないほうに散弾仕込んでありますね?
その美しい御手には隠しトンファー?……他、暗器多数??
……こっちは新聞まるめた棒一本ですょ…orz
それも鉄パイプ仕込んでないほぅ……orz
シーファン嬢ご自身も素晴らしい仕上がりですね;
ネオチョモランマのガンダムファイターですか?
…推定憶測値だけで私の最大の数倍;;
 
勝 て る かぁぁぁっっ!!
 
…なんてね。
オグマが一週間ギンギラギンにだらしなく過ごした理由が理解。
…うん、強いのはシーファン嬢。けど私が勝つ。
マークさんが心配して暴れた理由も理解。
重傷…怪我させたくなかったのはシーファン嬢だったのですね。

こやって対峙してしまうと…数倍程度の実力差は全く無意味。
その瞬間に大地震でも発生しない限り…勝てる。
「『絶対』ではないが俺のお前が負けることはないだろう」…オグマの言葉どーり。
始めの合図と同時に瞬殺。…最速、最強の突きを放って終わり。
…それが出来るように私は鍛えられてる。
ゆわば範囲限定のMAP兵器。それも初期配置からタメなしで撃てる。
この程度の実力差補正では防御も回避も迎撃も不可能。
ただし。…シーファン嬢、激烈つよいから手加減は微妙……
かなりの大怪我、下手すりゃマジ頃しちゃう;;
…実際、朝の件がなけりゃ選択肢無しでヤるしかなかったけど。

迷う。…怪我させないように制圧。…ギリッギリ可能。…けど。
高い確率で私の負けが付き纏う。
それでも。
…こっちを選んじゃうか;
 
長い沈黙を「さっさと済ませるぞ」とオグマが破る。
一応互いに一礼するとジジイが開始を告げた。
同時に撃ち込まれるシーファン嬢の斬撃。
感情が「勘弁してよ」と悲鳴をあげるが本能が捌く。
心に左右されないカラダ。…これも…いつの間にかオグマから学んだこと。
そして…最悪の事態…否、ありとあらゆる事態を想定。それこそ大地震まで。
行動を…選択するんじゃなく思考する。…現状で何が可能か?じゃない。
…何をやるか?を。…ベストを尽くすより上を狙う。
…それを実現するには。…些細なミスも許されない。それは敗北に直結する。
シーファン嬢の乱撃を捌いたり避けたりしてカラダも悲鳴をあげる。
開始数秒でこれかよ;……無理ないけど;;
…乱撃の後の追撃でカウンター狙おうと思ったのにシーファン嬢は間合を取る。
ぅは、体力ないの見抜かれてるょ;…完璧にハメられた;;
…これで詰み。

私から仕掛けるしかないし。開始直接と違って完全に防御を構えてるシーファン嬢。
いくら私でも槍を分割、束ねた上、隠しトンファーも合わせた四本の鍛鉄は砕けない。
私は攻撃した時点で行動不能。シーファン嬢は反撃する必要すらない。
 
… 胡 桃 割 り
 
上段の構えから振り下ろす私の必殺技……
新聞の棒は持ってるとこすら残らず散った。………シーファン嬢の武器は一つも砕けてない。
………
……

開始から30秒あまり……決着。
 
 
「引き分け…かの?」…聞くまでもないだろジジイ。…両者戦闘不能。
「いや、技が決まったのはシスちゃんだぜ?」…でも私も動けないょ;マークさん……
「………。」…無言かょ;;…まぁでも抱きしめてくれるだけいいか…///
…ばんがったよね?……私。
 
「…まさか鉄壁の防御の上から衝撃だけでヤられるとはの………
 …シーファン、お前も間違っちゃおらんぞいw…相手が反則だっただけじゃw」
……反則負けとかゆう気か?ww
引き分けは残念だけど…ま、オグマは取られずに済ん……
「…これほどの仕合、…シーファンが得られた経験はどれほどの『価値』があるかのぅ…www」
>>66
『わしの弟子が勝ちを得たなら』
……そーゆーことか…orz
お詫びと訂正入れなきゃ…orz
ちくしょー、瞬殺しときゃよかった……orz
……意識が薄れてく……ぁ?……オグマ?………ダメだょ………せっかくシーファン嬢を無傷で倒したのに…………ジジイ頃しちゃ…後味悪いじゃん………
 
…目を覚ますとベッドの上だった。
ジジイは負けを認めて引き下がったって。
…よかった。頃さなかったんだねオグマ。
しんどかったけど…まぁいいや。
 
頭を撫でるオグマの手がいつもよか…なんかいいから……
 
 
…おやすみなさぃ


最終話への月 露骨な伏線日
 
照明の少ない部屋の中、好々爺が語りかける。
「御苦労じゃったの…シーファン。…約束のトイザらック株はおぬしの物じゃw
 これで長者番付、一気に上位じゃのww」
無言のまま頭を下げる女性……暗さと姿勢から誰もその表情は伺えないが……
確かにシーファンはほくそ笑んでいた。
「…これは健闘を讃える意味でのオマケの褒美じゃw」
差し出された…『揖保の糸』と書かれた箱を受け取りさらに顔を歪ませて笑う。
そしてシーファン嬢は呟くような声でジェフリーを諌める。
「………最後に『虎』が化けた時………闘うおつもりでしたね?」
ファファと笑いながら老練の戦士が答える。
「…あれだけ手負いならば何とかなるかもと思わんかったか?」
「………今や『虎』には………『虎の子』補正が掛かってますから………」
「…うむ、まさか本当に…ああなったあやつを操作出来ようとはの……」
決闘の最後…
ジェフリーの言葉に対し暴走したオグマがシスの意識を受け怒りを鎮めた件だ。
 
「………今回の件、………御身に危険が多すぎました………」
「…その分、見返りも大きかったわいw
 ややもすると…『総司令』の正体…暴けるかも知れんからのw」
「……やはり……『総司令』からの勅命でしたか………」
「うむ、オペレーターを通じ我が軍の総てを統べる謎の者……
 面ぐらいは見ておきたいからの……しかし………
 ………『虎』が動く……か?」
「………その時は………『虎の子』を喰います………」
「……フォフォ…『虎』は『虎の子』を巻き込まぬとワシは読むが?」
「………『虎の子』は是が非でも………ついていくと読みます………」
「…どちらにせよ楽しみなことじゃw
 フォフォフォ…………」
声にこそ出さないが確かにシーファンもほくそ笑んでいた。