【シェルド・フォーリーの憂鬱】人大杉で本スレ入れない人氏



「あ、あんた・・・デュオ・マックスウェルか・・・?」
『へぇ、俺の名前知ってるのか。まぁ何で知ってるのかは聞かねぇ。さっさと下がりな!』
言うや否や、デスサイズヘルは機体を反転させシルエットから離れていく。シェルドは思わず叫んだ。
「ま、待ってくれ!僕も行く!!」
『何で来るんだよ!俺は男のお守りは趣味じゃないぜ?』
「馬鹿にするなよ!僕だってやれるんだ・・・僕だって!」
『おい・・・?』
デュオが何か喋りかけてきたがシェルドは答えようとはしなかった。いや、それと同時に前方から六機ばかりの新たな機影が迫って来ていたのだ。
「見てろ!」
再びシェルドはペダルを踏み、機体を加速させる。
シルエットはビームサーベルを2本抜き、先方のビルゴの腹部を貫く。そのまま下に裂き、手近なもう一機に斬りかかる。二機目のビルゴの頭部を突き刺したとき、今度は左方からメガビームの光がシェルドを狙い撃った。かわせない。そう判断し、シェルドはビームシールドを発生させ掲げた。
「うおぉぉぉ・・・!」
シールドとビームが干渉しあい眩い光が目の前を覆っていく。
「負けてたまるか・・・負けて・・・」
自分を心配してくれていた人を振り切ってここまで来てしまったのだ。やられることも、引くことも、できない。したくない。最後に派手に戦ってみんなを見返してやって・・・それで・・・帰るんだ。
(・・・どこへ?リーンホースJrに?それともマザーバンガード?・・・マザーバンガードには僕が心を開いていた人たちがいる。でも彼らが今の僕をみて僕を受け入れてくれるか?笑顔で「おかえり」と言ってくれるか?)
『馬鹿やろう!!』
その罵声がシェルドを現実へと引き戻す。同時にデスサイズヘルがシルエットを狙っていたビルゴを斬り捨てた。
『同じこと何度も言わせるんじゃねぇ!死にてぇのか!』
あたりは再びデュオが一掃したらしい。その場にはすっかり二機しか残っていなかった。
「僕は・・・僕は・・・」
涙。それがシェルドの目にあふれ流れ出る。
僕はなんて情けないんだろう。それがシェルドの心の内だった。変に意地になって仲間を突き放し、嫌なことがあれば逃げたがる。
『・・・何をムキになってるのかわからねぇけどよ、お前は十分強い。今までお前たちに助けられてきた俺が言うんだ、間違いねぇ』
シェルドの心情を少し悟ったのか、なだめるようにデュオはシェルドに語る。
『けどよ、危なっかしいんだよ今のお前さんは。今とさっき、お前は二回死んでるぜ?』
「・・・ごめん」
もはや言い返す気力はなかった。同じように二回も助けられたとあっては言い返せる立場ではない。
『なぁに分かればいいんだよ、分かれば。じゃあ・・・』
戻れ・・・か。シェルドは静かに機体を反転させようとした。しかし
『俺と一緒に来い』
「・・・へ?」
予想外の言葉をかけられ、シェルドの思考はいったん止まってしまった。
『聞こえなかったかのかよ?早く行くぞ、あまりグズグズはできねぇんだ』
「で、でも僕じゃ足手まといになるんじゃ・・・」
『なんだ?さっきの話、聞いてなかったのか?[お前は強い]って言ったんだ』
「・・・!」
『冷静さを取り戻したお前なら、十分に背中を預けられると思ったんだけどな?』
「あ、あぁ!」
シェルドは素直にうれしかった。自分のパイロットとしての力を初めて正面から認めてもらえた。そんな気がしたのだ。
『よし!・・・お前、名前は?』
「シェルド・フォーリーだ」
『シェルドね・・・よっしゃ行くぜ、シェルド!』
「おう!」
二機のガンダムは巨大要塞リーブラへと進路を取り、加速する。ペダルを踏むシェルドの顔にはもう陰りはなかった。

つづく

更新何ヶ月ぶりだ・・・orz
ちなみに壺をDLしたのでもうスレに入れてはいるのだけれど今更変えられないのでこのままでいこうと思ふ。