【シェルド・フォーリーの憂鬱】人大杉で本スレ入れない人氏




・・・現在、我らがオリジナル軍はA.C.195年にいた。ゼノン・ティーゲル艦長指揮するリーン・ホースJ.rは地球連合軍とホワイトファングがぶつかり合う宙域へと向かっている。

「さぁて・・・いよいよアフターコロニー時代の最終決戦だな!」
リーン・ホースJ.rのパイロット待機室で、エルンスト・イェーガーは腕をならしていた。
エルンストだけではない。最後の戦いへ向けて多くのパイロットたちの士気は最高潮に及んでいた。
・・・ただ一人を除いて。

盛り上がるメンバーをよそに険しい顔でたたずむ少年がいる。彼の名はシェルド・フォーリー。
その表情には理由がある。彼はつい最近、二番艦のマザー・バンガードからこの一番艦のリーン・ホースJrへ配属されたのだが、それからと言うものあまり戦果が振るわないでいたのだ。
せっかく栄転させてもらったと言うのに今のままではあまりにも情けなくないか。
それがその少年の心の内であり、彼が不機嫌な顔をする理由である。


(まずいよな、このままじゃ・・・)
何がまずいか。それは紛れもなく今のボクの立場である。ボクは以前配属されていた艦ではそれなりの戦火を挙げたものだが、それがいまや8人のパイロットの中で第8位の戦績だ。
正直言って女の子で自分よりずっと年下のカチュアよりかは戦えるつもりでいたけれど、それはとんでもない思い違いだった。カチュアはボクとは比べ物にならないほどの実力を持ったエースでボクなんか彼女の足元にも及ばない存在だった。
もっともそのカチュアに限らず、ここに配属されているパイロットは皆ツワモノぞろいでその結果が戦績表に現れている訳だが。

「間もなく戦闘宙域に突入します。パイロットは各搭乗機にて待機していてください。繰り返します・・・」
突然オペレーターのフェイ・シーファンによる艦内放送が待機室に響く。それを合図に待機室にいたパイロットたちは一斉に飛び出していった。彼らは普段おちゃらけている者が多いのだが、スイッチの切り替えも実に早いのである。シェルドも遅れじと部屋を出ようとする・・・とそこで一人の少女と目が合った。どこか悲しさを感じさせる目に見えた。
(・・・エリス・・・?)
彼女の名はエリス・クロード。シェルドと同年代ながらリーンホースJrのパイロットの中でも屈指の実力を持ち、また優れたニュータイプ能力の保持者でもある。それほどの力を持っていながら戦うことは嫌っており、相手のMSのコクピットは極力外しながら出来るだけ命を奪わないように戦っている。
・・・どうやらさっきからずっとシェルドの方を見つめていたようだ。目が合った後、シェルドはすぐに目を逸らしたが、エリスは視線を避けようとはしない。彼女と会話をしたことが無いわけではないのだが、深い付き合いはないし、見つめられる理由が思い浮かばない。
・・・気持ち悪いやつだな
そう思いつつ、シェルドはその視線から逃げるように部屋を出た。

シェルドが格納庫に入ったとき、既に他のパイロットたちは待機しているようだった。シェルドは自分の愛機、シルエットガンダムを探していると急に後ろから肩を掴まれた。
「ダ・・・ダイスさん?どうしたんですか?」
「おいおい、つれないじゃないか。いつも通りがんばって来いって言おうとしただけさ」
「わざわざ肩を掴まなくてもいいでしょ」
「・・・お前元気ねぇな?いかんぜ!若い内はもっと元気でいかにゃぁな!」
バシン!という音と共にシェルドの背中を大きな手が打つ。そしてその反動でシェルドの体はシルエットガンダムまで流された。
「なんでボクがこんな目に・・・」
ダイスのおやっさんはボクのことを気に入ってくれているようだったが、その理由にシェルドは心当たりがあった。メカニックのまともな仕事をシェルドしか持って帰らないからだ。ここのパイロットたちは優秀だ。それ故に被弾率が皆無で少なくともここ最近で機体を被弾させたのはシェルドのみ。傷の無い他の機体はエネルギーの補給だけで済むが被弾してしまったらそうはいかない。実際のところ直接聞いてはないのだがシェルドは自分がメカマン達の程よい仕事作りの役であると思い込んでいるのである。

シェルドはコクピットハッチを開き、まだちょっとのこる背中の痛みを堪えながらシートに腰掛けた。そして慣れた手つきでパネルを叩いて機体を起動させる。と、突然別の機体から通信が入った。同僚であるジュナス・リアムのZZガンダム−FAからだ。
『シェルド』
「ジュナスか・・・どうしたんだ?」
ジュナスはエリスと同じくシェルドと同い年だ。まっすぐな性格で人当たりもいい。それでも今のシェルドにとってはあまり歓迎できたものではなかった。
『いやなんかさ・・・最近機嫌悪くないか?』
「・・・別に?」
『だってさ、表情暗いぞ?どこか調子でも良くないのか?』
なんでかまってくるんだろう。正直そっとしておいてほしいのに
「なんでもないって、心配するな!」
シェルドのその感情がこの時、一瞬だけ爆発してしまった。二人の間に嫌な空気が流れる。
『そ、そうか・・・ならいいんだ。じゃ、頑張ろうな』
「・・・あぁ」
シェルドは自分でも嫌気がさすほどに苛立っていた。心配してくれているものへの八つ当たりは最低だ。しかしただ愛想をつくのも出来ないほど今のシェルドには余裕が無かった。ふと、シェルドはかつてマザーバンガードにいたころの同僚に思いを馳せた。
だいたいは隣にミンミやライルがいることが多かった。彼らといると楽しかったしシェルド自身も充実していた。今の同僚たちもよく接してくれてはいるが、恐らく自分がこのままこの艦にいても自分自身やここのクルーの為にもならないだろう。
・・・いっそのこと恥を覚悟ででもどりでもしてしまおうか・・・
そう考えたところでちょうどフェイから出撃の要請が入った。
『シェルド機、出撃してください』
「はい、了解です!」
と返答したとき、また妙な視線を感じた。・・・エリスである。もっともエリス本人ではなく、彼女が愛機としているザンスパインからそれは感じられた。本当にエリスがこちらを眺めていたかわからない。しかしシェルドは気持ち悪いを通り越して確かな不愉快ささえ感じた。
(一体何なんだよアイツは・・・)
『シェルド機!どうしたんですか?トラブルですか?』
「あ、いえ出られます!」
この出撃が終わったらミンミたちのところへ帰ろう・・・そう決意し、シェルドはシルエットガンダムのペダルを踏んだ。
「シェルド・フォーリー、シルエットガンダム!出ます!!」
シルエットガンダムはリーン・ホースJrのハッチから勢いよく飛び出した。

遅れながら出撃をしてきたシェルドに最初に浴びせられたのは敵の攻撃ではなく、味方からの怒鳴り声だった。シェルドが所属するMS隊隊長のマーク・ギルダー駆るΞガンダムからの通信だ。Ξガンダムのとなりにはレイチェル・ランサムの赤いヤクト・ドーガとカチュア・リィスのガンダムLOブースターがいる。
『遅いぞ、シェルド!置いてかれても文句は言うなよ!』
「す、すみませんマークさん。大丈夫です」
『・・・各機に伝える、今回の目的はリーブラの破壊だ!しかしあれだけの質量の物体をMSだけで破壊することは容易ではない。よって多少リスクを伴うが敵中を一気に突破し、リーブラの内部に潜入。コントロールルームを制圧し、内側からリーブラを無効化する!』
「・・・5機のガンダムたちはどうするんですか?」
『ウイングゼロはエピオン、アルトロンはトールギスにあたる。他3機はフリーだが・・・なにぶん敵の数が圧倒的に多い。援軍は当てにするな』
(・・・どれだけいるっていうんだ)
シェルドは淡々と言うマークに多少苛つきながら悪態をついた。激戦区までまだ少しの距離はあるがそんな遠くからでも宇宙要塞リーブラは圧倒的な存在感と威圧感をシェルドに訴えかけてくる。そこまでたどり着くのにどれほどの敵とすれ違うことになるのかを思うと実に気が重くなる。
『突っ込むぞ!各機遅れるな!』
マークの合図とともに4機のMSはリーブラへと向かった。

シェルドのシルエットガンダムは4機の編隊の中で一番後方に位置している。そろそろ交戦に入るかもしれないという時に突然前方のガンダムLOブースターが減速し、シルエットガンダムの横に付いた。
『やっほ〜シェルド!』
幼くかん高い声が狭いコクピットの中で響き、思わずシェルドは顔を歪めてしまった。
「・・・どうしたの、カチュア?」
『シェルドくっら〜い!根暗っぽいよ』
「ボクはいつも通りだよ、なんか用?」
あしらうように適当な言葉を使ってやり過ごそうと思ったが、カチュアが天真爛漫で子供過ぎるせいか彼女は全く堪える様子が無い。それどころかとんでもなくませたことを言い出すことになる。
『ねぇ、さっきエリスと二人っきりだったよね?愛の告白でもされた??』
「!・・・なっ、ばかを・・・」
『違うの?じゃあしたんだ?』
「どっちでもない!」
思わずシェルドは取り乱してしまった。エリスが自分にそんな感情を持っているわけ無いとはっきり自分でも分かっていたが、とっさに脳裏に浮かんださっきの寂しげなエリスの表情が妙に意識に残る。
(そんなわけはない・・・なんであんな目で見られてたのかはわかんないけど、そんなことは絶対にない!そうでなきゃ、あの視線にあんな嫌なものを感じた自分自身が余計に情けないじゃないか!)
まんまとカチュアのペースにはまってしまい、必死になって何かを否定するシェルド。彼を現実に引き戻したのはもう一人の仲間であった。当然だが彼女はかなり怒っていた。
『そこの二人、いい加減にしなさい!緊張感なさすぎよ!!』
2機の間にレイチェルのヤクト・ドーガの通信が割り込む。これにはさすがにシェルドも素直に反省せざるを得なかった。隣のカチュアも反省しているのか(というよりも不機嫌になっているだけかもしれないが)急に静かになってしまった。
『もうすぐ交戦よ、分かってるわね?』
『わかってるよ、もー。私はやられたりしないモン!』
言うや否やカチュアのLOブースターはシルエットから急に離れて前へ出た。やっと行ってくれた・・・とシェルドは軽く安堵のため息をつく。しかし今度は代わりにヤクト・ドーガが横へと付けてきた。そしてやはり通常通信が開かれるが、さっきまでのような浮いた話をふっかけてくる事はない。レイチェルはカチュアと違って至ってまじめな性格だからだ。もっともそれが祟って少しきつめな印象が強い。
『シェルド、あなたは特に気を取り乱しすぎよ。マークさんも言ってたでしょ?敵の数は半端じゃないのよ』
シェルドはうんざりした。またか・・・それがシェルドがレイチェルの言葉を聞いたときの最初の感想だった。
どいつもこいつも人の心に勝手に入って来すぎじゃないか。ここの部隊のパイロット達がみんなニュータイプか強化人間だからなのか、自分の感情、気持ちをずばずばと言い当てられて不愉快だ。それでいて自分はというと彼らの考えや思考などはほとんど掴めやしない。そんな状況は誰もが面白くないだろう。
『・・・聞いてるの?』
「・・・何も知らないくせに・・・」
『え?聞こえないわ、何?』
「もうボクのことは!ほっといてくれよ!!!」
『!?シェルド!』
シェルドはレイチェルの静止を振り切り一人で突出する。何かを振りはらうようにペダルを思い切り踏み込み、激戦区へと突っ込んでいった。残された3機の間で動揺が走る。
『シェルドが一人で行っちゃったよ!?』
『レイチェル!シェルドはどうしたんだ!?』
『わ、わかりません!・・・何も知らないって・・・?』
『・・・勝手なことを!シェルドめ、帰ってきたら修正だ!!各機、作戦は予定通りに行うぞ!』
マークはパネルを思い切り叩きながら指示を下す。この大きな戦場で孤立してしまった場合、無事に生還するのはかなり難しい。少し無理をしてでもマークはシェルドを引き戻したかったが、そんなことをして時間を食ってはリーブラの主砲が地球に向けられてしまうだろう。それが分かっているからマークは更に苛付くしかなかった。

一方、マーク隊の後方でもうひとつの部隊にもシェルドの行動が伝わっていた。第二部隊隊長のエルンストはそれに驚きはしたが取り乱すようなことも無かった。もっとも、彼の部隊員はそれが出来なかったが。
『各機に伝える。マーク隊のシェルドが一人で勝手に突っ込んじまったそうだ。』
「え・・・どういうことですか・・・?」
『どうもこうもそのまんまの意味だ、ジュナス。そして作戦は予定通りに行うらしい』
エルンストはあくまで事務的に部下たちに伝えるが、そんな友の命に関わる唐突な説明と命令をジュナスは飲み込むことができなかった。
「エルンストさん、それは・・・」
『俺にもわかんねぇよ。だがコレが事実なら正しい判断だろ?一人の勝手な行動の為に大事な戦力は割けねぇ』
「そんな!シェルドを見捨てるんですか!?」
たとえ、エルンストの言うことがどんなに正論でもジュナスは引き下がるつもりなど無かった。ジュナスはパネルのキーを打ち、友のシルエットの信号を探す。身近な友人も守れないで世界中の人たちを救うことなど果たしてできるわけがない。それがジュナスの信念であったが、すぐに僚機であるクレアのFA百式改がその行為を制した。
「クレア、何で邪魔をするんだ!」
『頭冷やしなさいってばジュナス。あんたがここで出て行ったらよけいややこしくなっちゃうよ』
「・・・クレアはシェルドが心配じゃないのか?」
『そりゃそうだけどもシェルドだって並のパイロットよりは実力あるよ?MDやOZ兵なんかチョロイって』
クレアの言うことは分かる。シェルドのパイロットとしての実力は確かに優れているものといえるだろう。だが今ジュナスが心配しているのはそこよりももっと別のところにある。それは・・・
「シェルドは・・・」
『心が不安定なんじゃないでしょうか』
ジュナスの言葉を繋ぐようにしてザンスパインのエリスから通信が入った。ジュナスもエリスと同意見であった。さっきの出撃前のやりとりがどうも引っかかってしょうがないのである。
「エリス・・・何か分かるのかい?」
『他人に対して壁を作ってるのかもしれません。いずれにせよこのままだと・・・』
シェルドが危ない。今度はジュナスがエリスの言葉に被せようとしたが、それまで静かに聞いていたエルンストが怒鳴るように叫び、それをかき消す。
『てめぇらいい加減にしろ!!今がどういう時かわかってんのか!?今までアクシズ落としやエンジェルハイロウ戦をなんとかこなしてきたとは言え、それが気を抜く理由にはならんぞ!!』
そのあまりの剣幕にジュナスは思わず体をビクッとさせた。
『いいな、反論は認めねぇ!!さっさとついて来い!!』
言うが早いか、エルンストが搭乗していたゲーマルクはブーストをふかし、一気に加速した。クレアが一足早くにそれを追い、唇を噛みながら渋々ジュナスも追おうとペダルを踏むと、
『今は彼を信じましょう』
と、エリスから通信が入った。
今はそれしかないのか。友の無事を確かめられない自分に不甲斐なさを感じないことはジュナスに出来ようもなかった。


つづく

おまけ
『ジュナス・リアムが倒せない』(元ネタ:エアーマンが倒せない)勝手に作ってゴメンナサイ
気がつけば同じ面ばかりプレイ
そしていつも同じ場所で死ぬよ
あきらめずに敵のエースに挑戦するけどすぐに撃墜される
GジェネFIFあれば楽に強くなることできるけど
何回やっても何回やってもジュナス・リアム超えれないよ
NT9正直高すぎるんだよ
強化人間になってみたけどNT5じゃたかが知れる
GジェネPをやってみたけどセリフがなくては意味がない!
だから次は絶対勝つために僕はバンダイさんにメールを送ってる・・・