最終篇G  〜少年の瞳に映るもの〜




まず、弾けとんだのは、右手だった。
シールドがはずれ、宇宙のチリと化していく。
その次に外れたのが、左足だった。
もしこの時、マークが気絶していなければ、対応できたはずだった。
しかし、現実に彼は気絶している。
重心が狂い、ヅダは、見当違いの方向を向いてしまい、ヅダはあさっての方向へと、走り始めてしまった。

「あっ…」
ジュナスが、何とか操縦レバーへと手を伸ばす。
しかし、やはり、届かない。
「…駄目、なのか…?」
ジュナスは呟く。
「こんな…こんなところで…」
機体中が悲鳴を上げている。
速度も、方向も、コントロールできれば、問題は、なかったのに。
現実が襲う。

「まだだ!」
しかし、ジュナスは諦めない。
こんなところで、死ぬわけには行かない。
パメラを、救わなくては。
生きなくては。
まだ、まだ、まだ、
「諦めるものかぁーーーーッ!!」

瞬間、少年は、見えるはずの無いヅダのコクピットから、宇宙を垣間見た。