第十六回【悲哀! 時代の置き土産!】
助手:ジョバンニ・ジョンストン
料理:お手軽釜たまうどん



???「くう〜、ここに来るのも久しぶりだねぇ〜
    懐かしいなホント!
    さ〜て、久々のお仕事はっと…何だこりゃ? 料理教室の助手?
    集合場所は調理室ねぇ…そんな部屋があったとはね。」

リコル「あ、先輩! 艦内に一般の人が入り込んじゃってますよ!」
ラ「一般の人? あぁ、あの人はジョブ・ジョンさんよ。初代ガンダムの登場キャラね。」
リコル「へぇ〜そうなんですかぁ。モブ顔だったので気付きませんでした!」
ラ「リコルちゃん! 聞こえるでしょ…」
リコル「すいませ〜ん。それにしてもその、ジョブジョンさん…でしたっけ?
    何でこの艦に乗ってるんですかね〜」

???「それにしても、ちょっと見ない間に随分様変わりしちまったなここも…
    クルーも知らないヤツばっかりだよ。
    よし、あの娘にでも例のお部屋がどこにあるのか聞いてみるかな!
    ちょっと、そこの君たち〜!」

リコル「あ、私たちに言ってるみたいですよ!」
ラ「本当だ… ジョブ・ジョンさん!お久しぶりです!」
???「……あ、そう…ジョブジョンね…そう見えるかいやっぱり…
    まあいいや、ちょっと「調理室」って場所を探してるんだけど、君たち知らない?」
リコル「あ、調理室なら私達も今から行く所ですよ!」
ラ「もしよろしければご案内致しましょうか?」
???「おお〜! そりゃ助かるぜ! 何しろ久しぶりだからね〜!」
リコル「それでは行きましょう!」



調理室…
ブラッド「ク…前回は番外編だったというのにタイトルを15回目としていたではないか…
     なんという凡ミスだ…
     それにしても今回も準備をやるハメになるとはな…」
リコル「おはようございま〜す!」
ラ「お、おはようございます!」
ブラッド「おう来たか…
     …ラ! キサマよくもまあノコノコとやってこれたものだな…何故休んだ!」
ラ「す、すみませんでした! 体調を崩してしまいまして…」
リコル「嘘ですっ!」
ラ「リ、リコルちゃん!?」
リコル「先輩、ズル休みした上に上司さんに嘘をつくのは流石に見逃せませんよ〜?」
ラ「そ、そんな…」
ブラッド「ほう…中々使える諜報員がいたようだな…
     まあ、聞くまでもなく予想できていたことだがな…」
ラ「す、す、すいませんでした〜!!」
ブラッド「フン、そんなにこの仕事が嫌ならもう来なければよかったものを…
     ワタシはてっきり代替わりが済んだものかと思っていたがな!
     代わりにこのリコルがよく来るようになったしな…
     …何故また来たのだ?」
ラ「あ、いやその、リコルちゃんがちゃんとアシスタント役が
  できてるかどうか少し心配になりまして…」
ブラッド「フン、前回で電話を受けてか?
     その心配は残念ながら的中しているぞ…なんなのだこのゴミは…」
リコル「ゴミじゃないですよ〜 しっかりお仕事できてます!」
ブラッド「…どうだかな。キサマこいつにどういう教育をしてきたのだ全く…」
ラ「すいません…」
リコル「も〜、先輩も謝る事ないですよぉ!」
???「…ちょっといいかな?
    ようブラッド! ちょっと見ないうちに随分キャラが変わったみたいだな!」
ブラッド「ん…もう助手も来ているのか? 誰だ…
     …何だ、ジョブ・ジョンか。 ウォンに次いで登場の原作キャラがコイツとは…」
???「おいおい、お前まで俺をあいつと間違えるのかい?
    よく見てみなよ、思い出さないか?」
ブラッド「どこをどう見てもキサマはジョブ・ジョンだろうが…」
???「そうか…そうだよなぁ、随分昔のことだもんな。
    ジョバンニ・ジョンストン…って名前を聞いても思い出せないか?」
ブラッド「ジョバンニ…? 聞き覚えのある名だな……
     …思い出したぞ! 元我が軍の構成員だった者だな!」
ジョバンニ「お〜、やっと思い出してくれたか!」



リコル「せんぱ〜い、あの人ジョブジョンさんじゃなかったみたいですよ。」
ラ「あ…あの、ジョバンニさん、すいませんでした間違えてしまって…」
ジョバンニ「まあ間違えられるのも慣れたもんだし、気にしなくていいよ。」
ブラッド「……そうか、キサマらはこいつを知らんのか…」
ジョバンニ「仕方ねーさ、俺は初代Gジェネだけの参戦だからな。」
ブラッド「そうだったな…おい、キサマらが配属されたのはいつ頃だった?」
ラ「わ、私はゼロからです…」
リコル「私はFからですぅ! 名前が付いたのは最近ですけどね!」
ブラッド「そうか…それなら知らなくても無理はないな…
     …いや、しかしまさかキサマとこんな形で再開することになるとはな!
     キサマ今は何をして喰っていってるのだ!?」
ジョバンニ「まあ、バイトとかジョブジョンの代役とかでなんとか生きてるよ…なんとかね。
      それよりさぁ、ここも皆変わったよな!
      昔はオレも含めて全員テンプレ通りにしか喋らなかったのに
      今はみんなキャラが立ってるよな〜。
      MSもオレがいた頃とは比べ物にならないほど種類が増えてるしさ〜。」
ブラッド「クククク…そうだろう! 技術は日々進歩しているのだ!
     どうだ、構成員達が具体的にどう変わったか、どんなMSが増えたか…
     このワタシが詳しく説明してやってもいいぞ?」
ジョバンニ「お、いいねぇ〜!」

リコル「…先輩と同期の知らない人が盛り上がってると
    後輩としてはどうしていいかわからないものですよね〜…
ラ「そ、そうね…」

一時間後…
リコル「zzz…」
ラ「リコルちゃん起きて!」
リコル「ふぁ〜い…あれ、まだ話してるんですかあの人達?
    も〜いつまで話してるつもりなんでしょうかねぇ〜…
    ちょっと急かしてきましょう!」
ラ「リコルちゃん、それはちょっと…」
リコル「ダメです! 先輩はそう弱気だからいつまでたってもいじられキャラなんですよ。
    いくべき時は強気に行かなきゃダメなんです!」
ラ「い、いじられキャラ…」
リコル「じゃあいきましょう!」
ラ「ちょっと、まだ心の準備が…」



ジョバンニ「へぇ〜、イワンさんがそんなキャラにねぇ…」
ブラッド「ククク…予想外だっただろう!」
ジョバンニ「皆変わるもんだな〜…」
ブラッド「キサマは顔と口調が微妙に一致してない所も変わってないな、ククク…」
ジョバンニ「そのキツいところも変わってねーなお前も。
      せっかく久々に来たんだから皆にも会いてーなー…
      どうだ、これが終わったら
      初代からの古参だけで同窓会でもやらね〜か!」
ブラッド「それも悪くないがな…ワタシは古参連中にも折り合いの悪い連中が多くてな……
     そのような席では浮いてしまうかもしれん…」
ジョバンニ「そんなの気にすんな、オレが間に入ってやるからさ!」
ブラッド「フン、それなら行ってもいいか…」
リコル「あの〜、積もるお話のところ申し訳ないのですが
    そろそろ料理教室の方をはじめては?」
ブラッド「今いい所なのだ、自重しておけゴミども…」
ラ「そうは言われますがもう一時間経ってしまいましたし…」
ジョバンニ「え? もうそんなに経った? はやいもんだね!」
ブラッド「全くだ… もう今回は料理はいいだろう!
     今回は昔をひたすら懐かしむ番外編にしようではないか!」
ジョバンニ「お〜、それもいいね!」
リコル「いいですかね〜」
ラ「まぁ、それはまたの機会ということで…
  今回は料理教室をしませんか? せっかく準備もブラッドさんが自らやったことですし…」
リコル「せっかくだからジョバンニさんもやってみましょうよ、料理教室!
    きっと楽しいですよ〜」
ジョバンニ「ん〜、料理か。そういやそういう仕事だったね。
      誰だか知らないけど、女の子に頼まれたら断れねーな。
      そんじゃそろそろやりますかい?」
ブラッド「なんだ結局やらねばならない空気か…仕方ない、始めるとするか。
     今回はまた喋りすぎてしまってまともに料理を紹介するほどの時間は残ってはいないだろうな…
     …久しぶりにアレをやるか!」
ジョバンニ「アレ? なんだいそりゃ?」
リコル「ちょっとわかんないですね〜。 私ここの担当になってからまだ日が浅いので…」
ラ(まさかゲテモノ料理じゃ…ないよね?)



ブラッド「…冷凍うどんを解凍し、よく水を切ったものに生卵、ネギ、鰹節をいれ
     醤油で味付けをすれば…釜たまうどんのようなものが出来上がる!
     これで完成だ…」
ジョバンニ「……え? もう終わり?」
ラ「出た、ブラッドさんの数行お料理説明…」
ブラッド「ククク…最近は多少料理の説明に時間を割くように気をつけていたからな…
     これを使うのはジェシカとの料理対決以来だ…」
ラ「あの時も使ってたんですか…」
リコル「これは早くていいですね〜! いつもこうだと助かるんですけど」
ジョバンニ「おいおい…これって料理番組なんだろ? そんなテキトーな説明でいいの?」
ブラッド「構わん、どうせ料理の参考にこの番組を見てる者などおらんだろうしな…」
リコル「ぶっちゃけちゃいましたね〜」
ラ「そう卑屈にならなくても…」
ブラッド「ク、誰がいつ卑屈になどなった! キサマじゃあるまいし…」
ジョバンニ「どうでもいいけどさ〜、もしかしてオレの仕事ってもう終わり?」
ブラッド「ん、そうだが?」
ジョバンニ「マジかい…いいのか? こんなんでギャラ貰って。」
ブラッド「大丈夫だ、その分給与も少なくなっているからな。」
ジョバンニ「…そうだろうな、まあ、大した仕事もしてないのに貰えるだけありがたいけどさ。」
ラ「ジョバンニさん、この番組の低給っぷりを甘く見てはいけませんよ…
  参考までに言うと、私のこの番組での最高賃金は月600円です…」
リコル「え〜先輩そんな貰ったんですかぁ!?
    私はまだ合計で100円いってませんよ!」
ブラッド「まあ、最初はそのくらいが妥当だろうなッ!」
ジョバンニ「そ、そんなレベルかい…(つーか単位円かよ…)」
ブラッド「仕方ないだろうスポンサーもいないのだからな!
     そもそも部隊自体が万年金欠だしな……」
ジョバンニ「なんか可哀想になってきたよ君ら…
      …ほら、二人ともこれあげるから何かいいもの食べな…」
リコル「わ〜お食事券じゃないですかぁ! ありがとうございま〜す!
    やりましたね先輩!」
ラ「あ、ありがとうございます…(複雑…)」



ブラッド「ククク…随分羽振りがいいなキサマ!
     …そうだ、今のうちに給与を渡しておこう!
     本来なら助手役に金を出す事は無いのだ、有り難く思え!
     …ん、財布はどこだったかね…」
ジョバンニ「やっぱりお前が自費で出してたのかよ…
      いいよ、オレは遠慮しとくわ…」
ブラッド「フン、欲の無いヤツだな…」
リコル「もらえる時は貰っといた方がいいと思いますよ〜」
ラ「そうですよ、ブラッドさんは急に気が変わったとか言って一円も出してくれない月もあるんですから…」
ブラッド「余計なことを言わんでいい!」
ラ「す、すいません!」
ジョバンニ「いや、ホントにいいんだ…
      大変なんだなここも…いつまでも邪魔しちゃ悪いな、それじゃオレはそろそろ帰るよ!」
ブラッド「ん、もう帰るというのか? 同窓会は…」
ジョバンニ「またの機会にしようぜ! そんじゃまたな!」
ブラッド「お、おお…」
ラ「ジョバンニさん、またいつでもいらしてください。」
リコル「お元気で!」
ジョバンニ「おう! それじゃまたいつかな!
     (不景気とはいうけど、オリキャラ軍まであんなことになってたとはね〜…
      早めに抜けて正解だったかもね。貧乏神が乗り移らないうちに退散退散っと…)」


ブラッド「…変なヤツだな。急に態度を変えおって…」
ラ「…なんというか、我が隊の経済状況がとんでもなく誤解されたような気がするんですが…」
ブラッド「気のせいだ気のせい…」
リコル「あ、もうこんな時間ですぅ!
    そろそろ締めましょうか?」
ブラッド「フン、好きにしろ…」
リコル「はい! では今回はここで終了です! お疲れ様でしたぁ!
    次回もお楽しみに!」
ラ(ちょっとアレンジしてる…)