第三回【戦慄!「ゴミが」禁止令!】
助手:ニキ・テイラー
料理:卵あんかけチャーハン



ブラッド「ククク…「ブラッド先生のお料理教室」第三回目だ…
     今回の助手はこのゴミだ!」
ニキ「ニキ・テイラーです。よろしくお願いします。
   …しかしブラッドさん、あまり人を頭ごなしにゴミ呼ばわりするのはいかがなものかと」
ブラッド「ワタシの趣味だよ趣・味!気にする必要など無い!
     ところでドク、ニードルと来て次の助手がなぜキサマなのだ?」
ニキ「はい、前回前々回の放送をゼノン艦長がいたく気に入りまして、これを機会に普段交友の少ない
   ブラッドさんと我々の交友を深めるためにも番組への支援を行おうという話になりまして…
   その第一歩として私が助手として派遣される運びとなったのです。」
ブラッド「なんだゼノンの差し金か…交友か、あのゴミの考えそうなことだ。
     だがちょうど助手が皆いなくなったところだ。ありがたいといえばありがたい…
     そもそも私は助手など誰でも構わんのだッ!」
ニキ「そうですか…ところでブラッドさん。レシピ紹介の前に一つ約束していただきたいことがあるのですが…」
ブラッド「ほう、言ってみろゴミが!」
ニキ「…その「ゴミ」という言葉をこの教室が行われている間禁止させていただきます。」
ブラッド「…何ッ!キサマ、何の権利があってそんな…」
ニキ「これはゼノン艦長からの艦長命令です!逆らうことはできません!」
ブラッド「またあの老木か!ゴミめ…」
ニキ「…僭越ながら言わせてもらいますと、ブラッドさんが圧倒的な料理技術や戦闘技量を持ちながら
   人望や信頼の面に欠けるのも何よりその口の悪さが原因かと思われます。」
ブラッド「な…」
ニキ「この命令からは、安易に人をゴミ扱いするようなブラッドさんの口の悪さを正すことで
   コミュニケーション能力を育み、隊の皆と良好な関係を築けるように導きたい、という
   ゼノン艦長の心意気が感じられます。それをあなたは…」
ブラッド「ク…私から「ゴミが」をとれば何が残るというのだ…
     しかし艦長命令なら…仕方あるまい。今回だけは自重してやるッ…!
     独房行きは嫌だし、これ以上前置きが長くなるのもまずいしな…」
ニキ「…わかっていただけましたか。いい料理教室になるよう、共に頑張りましょう!」
ブラッド「(どうにも調子の狂うヤツだ…だがこの時間だけの辛抱だ…ゴミがゴミがゴミが!)
     …そうだな、いい料理教室にしよう…では材料の紹介だ。
     今回は前回のチャーハンから一歩進めた「卵あんかけチャーハン」の作り方を紹介する。
     さぁ、どう料理して欲しい…!」
・チャーハン材料(前回紹介したものと同一だ)
・ダシのもと
・片栗粉
ニキ「なるほど、手軽に作れる卵あんかけチャーハンの材料としては妥当な選択ですね…」
ブラッド「ほう、少しは心得があるようだな。どこまでできるか楽しみだ…
     (些細なことで揚げ足をとってイビりつくしてやろう…!
      ククク…キサマはどんな音色で泣いてくれるのだ?)」



ブラッド「まずはチャーハンを作る。ここはあえて説明はせん!前回の放送を思い出しながら
     自分の力だけで調理してみろ…」
ニキ「了解しました。」
ブラッド「言っておくが私はチャーハンにはうるさいぞ!ククク…
     (卵の黄身と白身をチャーハン用、あん用にあらかじめ分けておくことは教えていない…
      それを知らずに黄身と白身をかき混ぜた瞬間に怒鳴りちらしてやる…)」
ニキ「黄身と白身は…あらかじめ分けておかないといけませんね。
   黄身が割れないように気をつけてと…」
ブラッド(な、何だと!?これに気が付くとは…)
ニキ「前準備は万全…これならいけますね!」
ブラッド(黄身の混ぜ方もネギの切り方も、油の分量もかなり手馴れている…)
ニキ「速度と火力の集中こそがチャーハン作りの基本…!!(ジュージュー)」
ブラッド(炒め方も完璧…ダマなどできようもない。醤油の香り付けもうまい…
     なんということだ…時間も三分以内に収まっている…) 
ニキ「ブラッドさん、チャーハン完成しました。」
ブラッド「そうか…ええと次は…(ええい、あん作りの時にはボロを出すだろう…)」
ニキ「小さめの鍋に水を入れ、沸騰したらダシの素を入れて箸でかきまわしながら
   白身を注ぎいれる…ですね?」
ブラッド「…その通りだ。(完全にペースを握られている…いかん、今回作り方を
     何一つ話していない…これでは誰の料理教室だか…)」
ニキ「白身が固まってきたら…」
ブラッド「!(まずい、このままでは一つも教えぬうちに完成してしまうッ!)
     そこで塩、こしょうで味を調え、水で溶いた片栗粉でとろみをつけるのだッ!」
ニキ「はい、その通りですね。よく言えました!」
ブラッド「助手と…料理長の立場が…完全に入れ替わっているではないかッ!」
ニキ「あ…すいません、つい調子に乗ってしまって…」
ブラッド「もういい…今更フォローされても余計惨めだ…
     あとは火を止めて…盛り付けたチャーハンの上にかければ完成だ…」

〜食事中〜
ニキ「…美味しくできましたね、これも料理長のお陰です。」
ブラッド「…うるさい!オレが今回何をしたというのだ!何だそれは!
     バカにしているのかッ!?」
ニキ(あ…Fの時の声になってる…)
ブラッド「もういい!今日はここまでだゴミが!ゴミがゴミがゴミが!ゴミがぁぁぁぁぁぁ!!!
     次の助手はもっと料理も下手でバカなやつを選ぶッ!」
ニキ「ちょっと待ってくださ…ああ、行ってしまいましたね。
   では、今回はここまでとさせていただきます。ご視聴ありがとうございました。」



収録終了後…
ニードル「おいおい良かったねぇーニキちゃん!見たかよブラッドのあの悔しそうな顔www
     この間はカメラの前でけちょんけちょんにコケにしやがって、いい気味だぜェ!」
ニキ「あ、ニードルさん…」
ニードル「ヒャヒャヒャ、オレ様発案、ブラッドに大恥をかかせる大作戦、見事大成功!たまんねェなァ!
     プライドの高いヤツだからなァ、自分より料理の上手いヤツが来たらああなるのは目に見えてたぜ!」
ニキ「…あなたに事前に提供していただいた「次の回は卵あんかけチャーハン」という情報が外れていたら
   今頃こちらが大恥をかいていたところでしょう…」
ニードル「ヒャヒャヒャ、EWACネロで寝ずに張り込んでやっとつかんだ情報だからな!
     いやぁしかし凄かったなァあの料理の腕前!ホントは料理苦手だなんてウソじゃねェのwww」
ニキ「一週間かけてみっちりブランドさんにチャーハン作りを教え込まれましたからね…」
ニードル「あ、あのオカマ野朗と一週間も…それは大変だったなァ」
ニキ「あの人に言わせれば、今の私もまだまだ半人前にも満たないらしいです。ハハハ…」
ニードル「アレでかよwwwブラッドが聞いたら失神するんじゃねェかwww」
ニキ「…そんなことよりニードルさん、今回はお互いの利害の一致のために協力しましたが…
   こんな復讐じみた事はこれで終わりにして、はやく仲直りすることです。
   私も憎まれ役を演じるのはもうこりごりですしね…」
ニードル「ああwwwもう気は済んだからなwww
     アイツも単純だからな、ラーメンでも奢ったら機嫌も直るだろwww」
ニキ「それは良かった…それでは私はこの辺で…(ああ疲れた…)」

ラ「第三回目にしてもう完全に主役が食われている「ブラッド先生のお料理教室」!先が思いやられます!
  それにしてもニキさんのエプロン姿は似合ってましたね〜…あ、皆さんには見えてないんでしたっけ。」
ニードル「ラちゃんは毎回ここで何してるんだァ?」
ラ「バイトですよ…最近オペレーターの仕事が全くありませんからね。これ一回で二百円です…」
ニードル「す、すまねェ、変な事聞いちまって…」
ラ「気にしないでください…では今回はこの辺で!」