第三十一回その2【出るか幽霊!! gdgd肝試し!!】



ブラッド「待たせたな…肝試しの続きだ!」
ライル「前回は結局、バーベキューと前置きだけで終わりましたねェ…」
ブラッド「何、よくあることだ…文句なら書き手の構成力の無さに言えッ!
     ……ん? ククク、どうやら女どもの班に動きがあるようだぞ…」

〜第一斑〜
ラ「うぅ…」
リコル「先輩しがみつかないで下さぁい、歩きづらいですぅ。」
ラ「だってぇ…怖いんだもの…」
ジュナス「……無理もないよ。こんな所じゃ…」
ジェシカ「…どういうことだ?」
ジュナス「……ここは普通じゃないんですよ。
     何か……強い憎しみを感じます。この世のものではないものの…」
ラ「ほ、本当に!? 本当にいるの!?」
ジュナス「……はい。感じます…」
リコル「お〜! それじゃ本当におばけさんを見れるかもしれませんよ!
    やりましたね先輩!」
ラ「何がよ! そ、そんなに何かを感じるならもう帰りませんか?
  マディアの修理に使えるパーツなんて、見つかりっこないですよ…」
ジェシカ「…そんなわけにいくか。」
ラ「で、ですよねー…」
ジェシカ「…それで、どんな霊なのかはわかるのか?」
ジュナス「…ある程度は。
     ……さっきも言いましたが、ここの霊からはとても強い憎しみを感じます…
     多分、アースノイド全てへの……」
リコル「アースノイド全て?」
ラ「ということは…やっぱりジオンの方の霊なの?」
ジュナス「…そんな感じがします。」
ジェシカ「そうか…
     …ジオンの兵か。スペースノイドの開放のため戦い、故郷から遠く離れたこの地球で
     無念のままその命を散らせた戦士達…さぞ無念だったことだろう。
     成仏できなくても不思議じゃないな…」
リコル「……あれ、さっきから足音が一つ余計に聞こえません?」
ラ「そ、そんなわけ無いでしょ! ね、ジュナス君!」
ジュナス「……いや、確かに聞こえます…」
ラ「え、えぇ〜!?」
リコル「お〜! ついにおばけさんとご対面ですぅ!」
ジェシカ「…いや、これは…」
ジュナス「…違いますね。この感じは…」
ラ「え? 違うって何が…」
ジェシカ「少し待っていろ…」
ラ「ちょ、ちょっと! どこ行くんですかぁ!?
  一人じゃ危ないですよ!」
ジュナス「…ここはジェシカさんに任せていいと思います。」
ラ「え…」
リコル「あ〜、ジェシカさんだけずる〜い!」




ドカッ! バキッ!!
ラ「…え? 何!? 何今の音!?」
リコル「気になりますぅ!! 行ってみましょー!」
ジュナス「…うん!」
ラ「ちょ、ちょっと…待ってぇ〜!!」


ラ「ジェシカさん! 何があったんですか!?」
ジェシカ「…コイツが後からつけていた。」
ラ「えぇ!?」
ジェシカ「今取り押さえたが…」
リコル「本物のオバケさんですかぁ!!
    でも意外です、オバケって触れるんですね!」
ジェシカ「…幽霊じゃない! コイツだ!」
ガバッ!
バイス「いっててて♪ もっと優しくしてくれてもい〜じゃね〜か♪」
ラ「バ…バイスさん!?」
リコル「えぇ!? バイスさんってオバケだったんですかぁ!?」
ジェシカ「…そうじゃないだろ!
     コイツが! 何を思ったか知らないが、後からつけてたんだよ!」
バイス「そ、そ〜そ〜♪ 脅かして悪かったね子猫ちゃん達♪
    おびえてるみんなも可愛かったぜ〜♪」
リコル「オバケじゃなかったんですかぁ。残念ですぅ…」
バイス「お、ジュナスも久しぶりじゃね〜の♪
    なんだよこのうらやまし〜編成はよ♪ ハーレムじゃんハーレム♪」
ジュナス「お久しぶりです…でも、どういうつもりですか?
     そもそも来てなかったはずでしたよね…?」
バイス「いやな〜♪ なんかブラッドからここでキモ試しやるから
    ここで脅かし役やってくれって頼まれてさ♪
    女の子が相手ならって条件つけてさ♪ 頼まれてやったってわけ♪」
ラ「何ですかそれ…」
ジェシカ「…ブラッドめ、最初から全て計画通りだったわけか…」
リコル「あ〜! だからさっき楽しめるって…そういうことだったんだぁ!」
ラ「…リコルちゃんは知ってたの? ブラッドさんの企みを…」
リコル「はい!」
ラ「なんだ、じゃあドッキリだったってわけね…良かったぁ。
  …それじゃあ、さっきジュナス君の言ってたのもバイスさんだったんだよね?」
ジュナス「いや、それは…」
リコル「え〜と…この際だからバラしちゃいますぅ!
    マディアが動かないってのも全部ウソですぅ! ドッキリの一つでしたぁ!」
ラ「………」
リコル「あれれ、ひょっとして怒っちゃいました?」
ラ「あたりまえでしょ! もー怒ったわよ! 悪ふざけにも限度があるんだから!」
ジュナス「…本当だよ。遊びでこんな場所に来るものじゃない…」
ジェシカ「…ここが心霊スポットというのは本当か?」
リコル「はい、それは本当ですぅ!!」
ラ「え!? と…とにかく帰りましょう!!
  ジェシカさん、帰ったらブラッドさんにお仕置きしちゃって下さいね!」
ジェシカ「わかってる…今度こそただじゃ済まさん!」
リコル「ケンカはダメですからね〜。」
バイス「おっかね〜おっかね〜♪
    ま、道案内はオレ様がしてやっからよ♪ アンタらはオレ様について来な〜♪」
リコル「道がおわかりなんですかぁ?」
バイス「と〜ぜん♪ ダテに明るいうちから待機してね〜ぜ♪」
ジェシカ「どこまでもヒマなヤツだ…」



〜その頃ドク達三班〜
ドク「び…ビビってなんかぁぁぁ…ねぇぇぞぉぉぉ!!!」
コルト「く…来るならきやがれってんだ! この! この!」
ビリー「…わかったから銃を下げろ、危ねぇだろ!
    大体、そんなもん幽霊に効くわけねぇだろ…」
コルト「う…うるせえな!! つっかかるんじゃねぇよ!!」
ドク「あぁぁぁぁぁ!! あぁぁぁぁあ!!」
ビリー「ドクも黙れねぇのかよ!
    …ったく、なんなんだよこのしゃらくさい班は…」
ガサッ!!
???「ヒャッヒャヒャヒャヒャ!!」
ドク「ギャアアアアァァァ!!でぇぇぇぇたぁぁぁぁぁ!!」
コルト「う…」
ビリー「…ニードル! 何してるんだよ!」
ニードル「ヒャヒャヒャヒャ、バレたかァ!!
     いい引っかかりっぷりだったぜドクゥ!!」
ドク「に…にぃぃぃどるじゃねぇぇかよぉぉぉ!!!」
ビリー「…何なんだよテメェは。」
ニードル「いやよォ、肝試しの賑やかしに来いってブラッドから頼まれてなァ!!」
ビリー「…ってことは全部ヤラセかよ! しゃらくせぇ…」
ドク「ってことはぁぁぁぁ…オバケはいねぇぇのかぁぁぁぁ!!
   よかったぁぁぁぁぁ!!
   おい! もぉぉぉ帰ろぉぉぉぉぜぇぇぇぇ!!」
ビリー「そうだな、おい帰るぜコルト!!
    …コルト?」
コルト「………」
ドク「し、しんでるぅぅぅぅ!?」
ビリー「おいおい…そんなわけないだろ、気絶してるだけだ!」
ニードル「そ…そこまでビビるこたねぇだろォコルト…」



〜マディアのブリッジ〜
ライル「もうバレちゃったみたいですねェ…」
ブラッド「ゴミどもが…ネタばらしが早すぎるだろう…
     …しかも連中大して驚いてもいなかったではないか!! 拍子抜けだ…
     所詮、ニードルとバイスでは限界があったか…」
ライル「まあコルトさんは気絶してしまいましたけどね…
    でも大丈夫ですか? ジェシカさん達凄く怒ってましたよ…」
ブラッド「何、上手く言いくるめる…
     さて、これでワタシは何もせんうちに調査任務は達成されたわけか。ククク…
     上には所詮幽霊など実在するわけがない、と報告するとしよう…
     ……ライル! 連中が戻るまでそうはかからんだろう、マディアをいつでも動かせるようにしておけ…
     ワタシは下でやることがある…」

〜帰還中の第一斑〜
バイス「にしてもジュナスが新しいアシなんて意外だな〜♪
    そこは女の子のままでい〜だろ〜に♪
    オペレならまだフェイちゃんとかフレイちゃんとかいるんだしさ〜♪
    何でよりによって男を選ぶかね〜♪ アイツの考えることはわかんね〜や♪」
ジェシカ「黙って進めないのかキサマは…」
バイス「ま、い〜じゃね〜か♪ 怖さも紛れんだろ〜♪
    それにやっぱさ♪ こ〜ゆ〜暗ぇとこ歩く時はオレ様みてぇな頼もし〜男が一人くらいいた方が
    安心じゃね〜かって思うわけよ♪」
ジェシカ「キサマならいない方が安全だがな。」
バイス「そ〜いうなって♪
    …にしてもこの暗さだからなぁ〜♪ どっかにつまづいて転んじゃって…♪
    ラッキ〜スケベなことになっちゃっても、お咎め無しになっちゃったりするかもな〜♪」
ラ「………」
リコル「バイスさん、もっと前に行って下さい。」
バイス「ジョークだっt」
バキッ!!
バイス「ぐふ…♪」
バタッ!
ジュナス「え…?」
ジェシカ「これで安心だな。」
リコル「さっすがジェシカさん!」
ジェシカ「道など案内されなくてもわかる、さっさと戻るぞ。」
ジュナス「…え、えっと…バイスさんはいいんですか?」
ラ「流石においてくのはまずいんじゃあ…」
ジェシカ「どうせすぐ起きるだろ。道もわかるようだしな。
     いい薬だ、おいていくぞ!」
リコル「運ぶのも面倒ですしね! じゃあ行きましょー!」
ジュナス「本当にいいのかな…」

〜同じく第三班〜
ビリー「しかしニードルがいて助かったな。」
ドク「ほんとほんとぉぉぉぉ!!
   道がわかるヤツがいて良かったぁぁぁぁ!!」
ニードル「ヒャヒャヒャヒャ、オレに任せなッ!!
     …コルトのヤツはまだ起きねぇのかァ? なんか責任感じるぜェ…」
ビリー「もう起きてもいいころだと思うけどな…
    こんな場所だ、霊にでも憑かれたんじゃねぇか?」
ドク「ま、マジかぁぁよぉぉぉ!!
   オバケめぇぇぇ!! あっち行けぇぇぇい!! あぁぁぁッ!!」
ニードル「おいビリー、あんまりドクをビビらすなよなァ!」
ビリー「いや、まさかここまでビビるとは…」
ガサッ!!
ドク「ひぃぃぃ!! またなんか出たぁぁぁ!!」
ハロ「ハロ! ハロ!」
ビリー「…何だ、ハロじゃねぇか!」
ニードル「あァ、明るいうちに仕掛けたんだよォ!
     ビックリさせようと思ってなァ! ヒャヒャヒャヒャ!!」
ビリー「全くしゃらくせぇ…!」
ハロ「ドク! ゲンキカ!」
ドク「うぉぉぉぉ!! オレは元気だぁぁぁぁ!!
   …おぉぉい!! そろそろコルトおぶるの誰か代わってくれぇぇよぉぉぉ!!」
ニードル「しょーがねぇなァ…代わってやるよォ!!」
ドク「ありがてぇぇぇ!!
   それにしてもぉぉぉう…さっきからなんか寒くねぇぇぇぇ!!?」
ビリー「時間が時間だからな…さっさと帰ろうぜ!」
ハロ「カエル! カエル!」
ニードル「…ハロの電池がもうねぇなァ。電源切っとけドクゥ!!」
ドク「まっかせぇぇなさぁぁい!!
   ごめんなハロォォォ!!」



〜マディア付近、バーベキューをした地点にて〜
ラ「ブラッドさん!! リコルちゃんから全部聞きましたよ!」
ジェシカ「どういうことか説明してもらおうか!」
ブラッド「クククク…少しは楽しんでいただけたかな?」
リコル「はい! とても楽しかったですぅ!
    幽霊さんに会えなかったのは残念でしたけど。」
ラ「リコルちゃん、そうじゃないでしょ…」
ジュナス「…楽しめたかって、どういう意味ですか!?」
ラ「大体の察しはついてますけど…」
ブラッド「察しの通り…今度の肝試しは我々が初めから計画していたものだ!
     ついでに言うとな…これは番組収録も兼ねていたのだ。
     リコルが隠しカメラで撮影していた…」
ラ「そ、そうなの!?」
リコル「はぁい!!」
ラ「何なのよもー!」
ブラッド「この企画は……ウォーズもほぼやりつくし、日々機体のレベル上げくらいしかやることの無い
     無味乾燥な生活を送っているであろうキサマらへの…
     ワタシからのささやかなサプライズだとでも思ってもらおう…クク!!
     どうだ? 少しは楽しめただろう…?」
ラ「楽しいわけないでしょ! あんな怖い目に遭わされて…」
リコル「あれれ、私は楽しかったですけど?」
ジェシカ「…とにかくあやまれ、痛い目に遭いたくなかったらな!」
ラ「ジェシカさんやっちゃってください!」
リコル「あ、ケンカはダメですぅ!」
ブラッド「フン、まぁ落ち着け…
     今度メシでも奢ってやる。今回は許せ…」
ジェシカ「何を言うかと思えば…」
リコル「まぁまぁジェシカさん!
    ブラッドさんが奢るなんて滅多にないんですよ?」
ラ「確かに…給料百円しか払ってくれないブラッドさんにしては太っ腹ですね。」
ジュナス(……数百円!?)
ブラッド「クククク、経費で落とせばそのくらいは何とでもなる…」
ジュナス「落ちないと思いますけど…」
ブラッド「何、落としてみせる…
     …それが不服だと言うのならさらに特例だ、基地内食堂の
     無料食事券をいくらか分けてやってもいい!」
リコル「お〜! 今日のブラッドさんは本当に気前がいいですぅ!」
ブラッド「計画が思い通りに運び、今日は機嫌がいいのでな…クク!
     …ドク達には内密にしておけよ。バレるとうるさいからな…」
リコル「はい!」
ジュナス(なんだか、騙されてるような…)



ブラッド「…マディアはいつでも動ける、ドク達が戻ったら帰らせてやる。
     文句はそれからいくらでも聞いてやろう…… 編集中にな!」
ラ「あ、あのブラッドさん…
  私の出てるシーンはできるだけカットしていただけませんか?」
ブラッド「今回の編集はリコルに任せることにしている。
     頼むならヤツに言うことだな…」
ラ「そ、そうですか…リコルちゃん」
リコル「お任せください! バンバン使っていきますから!」
ラ「勘弁して…」
ジュナス「……!」
ジェシカ「どうした?」
ジュナス「何か…嫌な感じが。」
ブラッド「…ほう、幽霊の気配でも感じたとでも言うのか?
     クククク、キサマにしては面白い冗談ではないか!」
ジュナス「……冗談じゃないですよ。向こうから感じる…」
ブラッド「…向こうだと?」

???「うぉぉぉぉい!!」
ブラッド「今の声は……ドクか。
     何だ、ただあのゴミどもの気配を感じ取っただけか。紛らわしい…」
ジュナス「いや…」

〜中略〜
ビリー「ブラッド! てめぇオレの貴重な休日を下らねぇことで潰しやがって…」
ブラッド「クククク、そう怒るな…また魅力値が下がるぞ?」
ビリー「またそれかよ、しゃらくせぇ…」
ブラッド「…ニードル!! 先程焼いた肉類の残りをタッパーに詰めておいた!
     帰りの船ででも喰うがいい…」
ニードル「おォ! ありがてェ!!」
ブラッド「何、礼には及ばん…」
ドク「うぁぁぁぁさみぃぃぃ!! さっさとかえろぉぉぜぇぇぇ!!」
ビリー「まったくここまで寒くなるとは…」
リコル「え、寒かったですかぁ? こっちは暖かかったですけど。」
ビリー「何? こんな近い場所で温度差なんかがあるものかよ。」
ジュナス「……寒くてもしょうがないですよ。」
ニードル「あァ!? どういうことだジュナス!?」
ジュナス「いえ、何というか…
     この中に一人…霊を異様に惹きつけている人がいます…」
ドク「えぇぇぇぇぇ!!」
リコル「本当ですかぁ!? じゃあ幽霊さんが今ここに!?」
ラ「だ、誰なの!?」
ビリー「…オレか?」
ジュナス「…はい。」
ドク「う…うあぁぁぁぁ!! びりぃぃぃかよぉぉぉぉ!!」
ビリー「チッ、何となくそんな気がしてたんだよ…」
リコル「オバケまで引き寄せちゃうんですかぁ!
    挑発アビリティって凄いんですね!」
ドク「び、ビリーからはぁぁぁなぁぁぁれぇぇぇろぉぉぉぉ!!」
ニードル「お、オイビリー! こっちに来んなよォ!!」
ビリー「おいおい…」



リコル「いるってわかってるのに見えないなんて、もどかしいですねぇ…」
ジュナス「………見えない方がいいよ。」
リコル「そんなことないですよ。ビリーさんの他には誰かに憑いてないんですかぁ?」
ジュナス「ビリーさんほどじゃないけど…いるよ。」
ドク「まぁぁぁじかぁぁぁぁ!!」
ラ「まだいるの!? 一体誰に…」
ジュナス「ラさんと、ドクさんです…」
ラ「え、えぇ!?」
リコル「先輩と…ドクさんですかぁ!」
ドク「う、ううッ、うぁぁぁぁぁぁッ!!
   ときがぁぁぁぁ!! いかりゃくぅぅぅぅぅ!!」
ジェシカ「…霊に脅えるヤツほど憑かれやすいとはよく聞くが…」
ラ「そ、そんな…ジュナス君、何とかできないの!?」
ドク「たぁぁぁぁのぉぉぉむぅぅぅよぉぉぉぉ!!」
ビリー「このままじゃ気味が悪ぃからな…」
ジュナス「…離れるように、呼びかけてみます。」
ドク「そんなのとどくのかよぉぉぉ!?」
ジュナス「わかりませんが…やってみます。
     ……それと、あんまり嫌がらないであげて下さい。
     皆、元は僕たちと同じ普通の人間だったんだ…」
ラ「そ、そんなこと言ったって…」
ニードル「オ、オイ!! コルトのヤツがまだ起きねぇが、コイツもまさか…」
ジュナス「…コルトさんはただの気絶だと思います。コルトさんの周りには誰もいませんよ。」
ニードル「そうかァ、良かったぜェ…」
ビリー「別に憑かれてねぇのにこれか…」
ニードル「クソッ、ウォーズ出てるヤツにばっかり憑きやがってェ!!
     死人のくせに好き嫌いすんなァ!!」
ブラッド「……ジュナス! キサマも中々の役者だな!
     一度は終わった幽霊の流れをここまで盛り上げるとはな!」
ジュナス「………」
ブラッド「キサマにここまでの冗談が言えるとは! 全く意外だったぞ!
     …しかし少々くどいかもな。
     嘘というものは引き際が肝心なのだ! 覚えておけ…」
ジュナス「……嘘に、見えましたか?」
ブラッド「当たり前だ、幽霊など実在せん……
     …いい加減に帰らんとな、総員準備しろ!」
リコル「も〜、ブラッドさんは夢がないですねぇ。」
ジュナス「…………」
ラ「冗談だったの?ジュナス君も人が悪いなぁ…」
ジュナス「ブラッドさんはああ言っていますけど……見えるものは見えるんだ…」
ラ「え…」
ジュナス「………どちらを信じるかは、あなた次第です。」
ラ「え、えっと…ジュナス君とブラッドさんのどっちを信じるって…
  そりゃジュナス君だけど…それだと幽霊が憑いちゃってるってことになって…」
ビリー「お前はとにかく落ち着け…」



〜中略〜
ブラッド「何ぃ……エンジンがかからんだとッ!?」
ライル「はい…特に変わったところもないのに…」
リコル「原因不明ですかぁ。」
ドク「な、なんだってぇぇぇぇ!!??」
ブラッド「…もう三問芝居は終わりだッ! 何時までやっているつもりだ!
     もう何レス目だと思っている…」
ライル「今度は本当に動かないんですよぉ!」
ブラッド「クッ…そんなバカなことがあるかッ!!
     本当に動かないのであれば…どうしようもないのだぞ!!」
ライル「そう言われても動かないものは…」
ジュナス「…こんな所で遊ぶからですよ。」
ブラッド「まだ言うかッ! これだからNTは…」
リコル「あ〜、やっぱりここの幽霊さん達帰って欲しくないんですよ!
    先輩達、随分好かれちゃったんですね!」
ラ「冗談じゃないわ…」
ビリー「おいおい…どうする気だ!?」
ブラッド「どうするも何も……肝試し直前に言った通りだ。
     他に移動手段も無いし…迎えの当ても無い…
     一応連絡はしてみるが………」
ジェシカ「すぐには来ないだろうな。
     この時間だ…来たとしても明日にはなってしまうだろう。」
ビリー「チッ…何にしてもここで一夜を越すしかなさそうだな…」
ドク「えぇぇぇぇ!!! ねぇぇよぉぉぉ!!」
ラ「む、無理ですよそんなの!」
ブラッド「ならどうする…もう一度捜索に出るか?」
ジェシカ「…無駄だ、さっきの捜索であらかた探したが
     修理に使えそうなものなど無かった! そもそも原因不明なんだろ?」
ブラッド「そうだ…」
ニードル「オ、オレとライルでマディアを直してみっからよォ!
     とりあえず待っててくれェ!」
ブラッド「……ということだ。
     とにかく待機するしかあるまい…」
ラ「こ、こんな所で一夜を…あ、頭がいたくなってきました…」



〜中略〜
コルト「ミデアが動かねぇってどういうことだよ!」
ブラッド「起きてすぐだというのに元気のいいことだな…ミデアではなくマディアだぞ?」
コルト「どっちでもいいってんだよ! どういうことなんだよ!?」
ブラッド「…尺ももう無い、説明しているヒマは無いのだ! 察しろ!」
コルト「何だそりゃあ…」
ビリー「…どうしてくれるんだよ、ブラッド!
    全く、まだ寒くなってくるぞ…」
ラ「わ、私も寒く…なってきましたぁ…」
リコル「先輩って幽霊さんにも人気なんですね! うらやましいですぅ。」
ラ「そんなに言うなら代わってぇ…」
リコル「代わりたくても無理ですね〜それは。」
ドク「さぁぁぁぁみぃぃぃぃ!!
   もうダメだぁぁぁぁ!! おしまいだぁぁぁぁ!!」
ブラッド「黙れ! ゴミが…」
ジェシカ「ゴミはキサマだ! 誰の所為でこうなったと思ってる!」
ブラッド「何ィ…誰がゴミだと!?」
ジュナス「…争っている場合じゃないですよ。
     そういうことをしてると、引き寄せますよ…」
ブラッド「キサマもいい加減にしろ…
     口を開けば幽霊、幽霊などと何度も…情けないぞ!」
ジュナス「……いるものはいるんです! 何であなたにはわからないんだ!」
ブラッド「いいか……霊など恐怖心が見せる幻影に過ぎん!
     実在せんものは実在せんのだ!」
ドク「いるってぇぇぇぇ!!
   いないってんならぁぁぁぁ!! じゃぁぁZのラストのぉぉぉぉぉ!!
   しんれぇぇだいこぉぉぉしんはぁ、どう説明すんだよぉぉぉぉぉ!!」
ブラッド「あんなものは演出に過ぎん!
     精神崩壊寸前のカミーユ・ビダンが見た、ただの幻覚だ…」
ドク「じゃあジ・Oがぁぁぁぁ!! 動かなくなったのはぁぁぁぁぁ!?」
ブラッド「フン、ただの整備不良だ!」
ビリー「ずいぶん無理のある解釈だな、しゃらくせぇ…」
ブラッド「無理などない…マディアが動かなくなったのも整備不良だッ!
     スピリッツの初期に使っていただけで、長らく放置していたからな…
     ……寒気を感じるというのはただの風邪だ!
     キサマらは働き過ぎで免疫力でも落ちたのだろう…」
ドク「そ、そぉぉぉだといぃぃけどぉぉぉう!!
   何かカゼとは違う感じぃぃぃぃぃ!!」
ブラッド「フン! 気のせいだ…」
ドク「じゅぅぅなすぅぅ!! オバケまだいなくなんねぇのかぁぁぁ!?」
ジュナス「呼びかけてはみましたが… 何人かは離れてくれたんですけど
     どうしても離れない人達がいて…」
ラ「何で!? 何で離れてくれないの!?」
ジュナス「ラさんに憑いてる人は… その人が本国に残してきた妹さんにラさんが似ていて、懐かしいようで…
     もう少しだけ、そばにいさせて欲しいらしいです…」
ラ「そ、そんなこと言われたってぇ…」
ビリー「おい! オレらのは何で離れねぇんだよ…」
ドク「そぉぉ〜だよぉぉ〜…」
ジュナス「……言い辛い話なんですけど、何でもビリーさんに憑いてる人のザクを撃破した
     連邦のパイロットの声と、ビリーさんの声が似ているからだって…」
ビリー「何だよソイツは… 似てるだけで付き纏いやがって!」
ドク「オレはぁぁぁ!?」
ジュナス「はい、ドクさんに憑いている人は「なんかムカつく」から憑いたと…」
ドク「ぬぅあぁぁぁッ!! オレだけりゆうぅぅがてきとぉぉだぁぁぁ!!」
ブラッド「……下らん、リコル! 懐中電灯を貸せ!」
リコル「え? 何でですかぁ?」
ブラッド「どうせここで夜を越すのだ…ワタシは翌朝の食材になりそうなものでも狩ってくる!」
ジュナス「一人でですか? 危険ですよ!」
ブラッド「フン、見くびってもらっては困るな。この程度の暗さなど…」
ラ「暗さじゃなくて霊のことだと思うんですけど…」
ブラッド「まだそんなことを…下らん!
     ワタシは行くぞ…来たい者はついてくるがいい!」
リコル「う〜ん…行きたい気持ちもありますけど…
    とにかく眠いですねぇ…」
ブラッド「子供は寝る時間だ…マディアに寝袋が積んであったかもな。
     行ってみろ…」
リコル「了解…しましたぁ…眠いですぅ…」
ブラッド「…ともかく、ワタシは行くぞ!」
ジュナス「…やめて下さい!
     ただでさえあなたは連邦軍の服を着ているんです、ここにいるのはジオンの軍人達の霊なんですよ!?
     本当に呪われるかも…」
ブラッド「やめてくれぬかな? そう言われると…余計に行きたくなる!」
ジュナス「そんな!」
ジェシカ「…もう止めるな、好きにさせろ…」
ジュナス「でも…」
ブラッド「好きにさせてもらおう…では出発する!
     …リコル! その前に番組を締めておけ! そろそろ二回目が終わる頃だろう…」
リコル「はぁい…次回に持ち越しですかぁ…?」
ブラッド「そうだ……クッ、マシントラブルとはいえ、まさか二回かけても終わらんとはなッ!」
ビリー「しゃらくさい構成だ…」
ブラッド「仕様だ…リコル! 締めだ締め!」
リコル「zzz…」
ブラッド「寝たか…ではラ! 代わりに締めておけ!」
ラ「は、はい…では次回もお楽しみに…
  …なんて言ってる場合じゃないと思うけど…」