第三十一回その3【解決!? 幽霊騒動!!】
料理:山菜バーベキュー



〜午前二時〜
ジュナス「…寝ないんですか?」
ラ「とてもじゃないけど寝れないよ…
  …ジュナス君も、寝ないの?」
ジュナス「……もう少し、話し合ってみます。
     とにかくあなたは寝た方がいい……月曜からまた仕事なんだから。」
ラ「それはそうなんだけど…
  ……それにしても、皆この状況でよく眠れるよね…」
ジュナス「ニードルさんとライルさん以外はみんな寝たみたいですね…」
ラ「あの人たちまだ頑張ってるんだ…
  …マディア、直るのかな…」
ジュナス「今はまだ無理だと思いますが……朝になれば動くんじゃないかな。」


〜マディア付近〜
ニードル「チックショォォ!! どうしちまったんだコイツはァ!!
     どっこもおかしいとこなんかねぇじゃねーかァ!!」
ライル「整備歴は長いんですが…こんなことははじめてです…
    通信機器も全部ダメです、ミノフスキー粒子も無いのに…
    これは…非常にマズいですよォ…」
ニードル「まさか本当に幽霊ってのが憑いちまってんのかァ!?」
ブラッド「……下らん、そんなことがあるものか!」
ライル「ブ、ブラッドさん! いつの間に…」
ニードル「何だァ、テメェまだ起きてやがったのかァ!?」
ブラッド「…翌朝の食材になりそうなものを狩ってきていたのだッ!」
ニードル「こー暗いってのにかァ!? ご苦労なこったなァ…
     で、何狩って来たんだァ!?
     こっちもいい加減煮詰まってたしなァ! 気分転換に見せろォ!」
ブラッド「いいだろう…
     ……とは言っても、今回は女も多いのでな。前のようなゲテモノばかりとはいかん…
     山菜くらいだな。採れたものは…」
ニードル「何だよォ…まぁ朝メシには丁度いいかァ!」
ライル「そうですよ、肉を食べた後はこのくらいがいいんです。」
ブラッド「まぁ…デニスかオグマでもいれば、もっと豪華な食材が手に入ったのだろうがな…
     ……それより、道中で少し面白いものを見たな。」
ニードル「何だァ、聞かせろォ!!」
ブラッド「クククク…ジオン兵だ! ジオンの軍服を着こんで
     ここらを徘徊している者がおったのだッ!!」
ニードル「な、何だってェ!?」
ライル「えぇ!? それは幽霊じゃあ…」
ブラッド「違うな…… ここでワタシの仮説を聞いてもらおう!」
ニードル「仮説だァ…?」
ブラッド「聞いて驚け……ここは旧ジオンの施設跡ということになっているが…
     実際はまだジオン残党が施設を使用し、潜伏しているのだ!
     先程見たジオン兵がその証拠だ…」
ライル「どうですかねぇそれは…」
ブラッド「幽霊が出るなどという噂を流しているのも、そのゴミどもだろう…
     …なるほど、連邦のゴミどもにはいい目くらましだ!」
ニードル「んなわけねぇだろォ。さっき見たじゃねぇかここの施設をよ!
     とてもじゃねぇが、こんなとこに潜伏できるわけねぇだろォ?」
ブラッド「いや…地下に施設があるのかもしれぬ!
     何にしても…反抗作戦でも計画していたら面倒だ!
     可能性は低いかもしれんが……仮にも調査任務だ、危険の芽は摘まねばならん!
     ニードル! 調査に行くぞ、付き合って貰おうか…」
ニードル「マジかよ、疲れてんだけどなァ…」
ブラッド「コルトに取り付けておいたカメラも持っていく、ライル!
     キサマはマディアより、モニターで何かいないか確認をしろ…
     こんなこともあろうかと…バイスのナンパ教室の際に使ったスパイ作戦用の
     極小トランシーバーセットも持ってきた、連絡も取れる…」
ライル「本気ですか…」



〜施設内部〜
ブラッド「ク…どこにも地下への入り口は見つからんな…
     まぁ秘密の入り口だ……そう易々とは見つからんか…」
ニードル「もう帰ろーぜェ…疲れたし寒ーしよォ…」
ブラッド「まだだ! 調査は徹底的にやらねばな…
     ……ライル! そちらに何か移っていないか!?」
ライル『ブ…ブラッドさん! ニードルさんのすぐ後ろにジオン兵がぁ!!』
ブラッド「何だと!? ニードル、気をつけろ!」
ニードル「マジかァ!? …何だァ、誰もいねぇぞォ!!」
ライル『こちらの映像には確かに…… や、やっぱり幽霊だぁ!!』
ブラッド「落ち着けゴミが、そんなはずがあるものか!
     ジオンのゴミどもめ、映像撹乱まで使ってくるとは…」
ニードル「そ、そーじゃねぇだろォ…
     お、オレは帰るぜェ、がんばれよブラッドぉぉぉぉ!!」
ブラッド「待てニードル! ク……ゴミが!」
ライル『ボ、ボクもこれ以上見ていられません! すみません切ります!!』
ブラッド「な、待てゴミが! ゴミがゴミが! ゴミがぁッ!!」

ブラッド「孤立無援か…
     …まぁいいだろう。ワタシ一人で十分だ…」

〜翌朝〜
リコル「ん〜…よく寝たぁ…
    みなさんおはようございますぅ! 朝ですよ!」
ジェシカ「ん…もう朝か。」
ビリー「全く寝た気がしねぇ…」
リコル「ほら先輩も! 起きてくださ〜い!」
ラ「眠い…」
リコル「起きなきゃダメですよ!」
ジュナス「……ラさんは4時まで起きてたんだ、寝かせてあげようよ…」
リコル「そうなんですかぁ。」
ドク「zzz…」
コルト「…おいドク、さっさと起きろよ…」
ドク「お…おおッ! おはよぉぉぉぉオマエらぁぁぁぁぁ!!
   …あれぇぇぇ!! ブラッドとニードルとぉぉぉぉ!! ライルがいねぇぇぇぇ!!」
ビリー「落ち着け、ニードル達はマディアを見てただろ。」
ドク「あぁぁぁぁ!! そぉぉぉだったなぁぁぁぁ!!
   でもブラッドはぁぁぁぁぁ!?」
ジェシカ「…何だ、まだ帰ってないのか?」
ビリー「食材がどうとか言ってたよな…」
コルト「……幽霊にでも憑かれてどっかでくたばってんじゃねーか?
    ったく、あんなヤツくたばっててくれた方がいいよな…」
リコル「あ〜ひどい! それは言いすぎですよロングショットさん!」
ドク「そぉぉぉだよぉぉぉ!!」
コルト「チッ、悪かったよ…」
リコル「見損ないましたよもー!
    先輩もそう思いますよね?」
ラ「そ、そうね…
  (正直…コルトさんに同意しちゃった…)」



〜数分後〜
ドク「うぉぉぉい!! マァァディィアがぁぁぁぁ!!
   もう動くってよぉぉぉぉ!!」
ラ「本当ですか!? 良かったぁ…」
ニードル「いやよォ…いろいろいじっても効果無かったんだけどなァ。
     朝起きてみたら普通に動くんだよ、これがッ!」
ライル「機械というのはわからないもんです…」
ジュナス(許してくれるんだね… ありがとう、ジオンのみんな…)
ビリー「とにかく、やっと帰れるってわけか。」
ラ「長い一日でした…」
リコル「そうですかぁ? 私にはとっても短く感じられましたけど!」
コルト「変わったヤツだよオマエも…」
ドク「ところでぇぇぇにぃぃぃどるぅぅぅぅ!!
   ブラッド知らねぇぇぇ!?」
ニードル「ぶ、ブラッド? どうだったっけなァ、ヒャヒャヒャ…」
ライル(まだ帰ってないのかぁ…)
リコル「帰るにしても…ブラッドさんを待たなきゃダメですねぇ。」
コルト「いいだろあんなヤツほっといて…」
ジェシカ「同感だな。」
ドク「だぁぁぁぁめだぁぁぁぁ!!」
リコル「そうですよぉ!」
ジュナス「…待ちましょう。」
ビリー「しょうがねぇな…」
ライル「そうだ! ブラッドさんが置いていった食材があります!
    待つ間にこれで朝ごはんにしませんか?」
ニードル「そうだなァ…」
ドク「ヒャアーハッハァー!! 朝メシだぁぁぁ!!
   みんなぁぁぁぁぁ!! 準備だぁぁぁぁぁ!!」
ビリー「チッ、朝っぱらから労働とは…」

〜中略〜
ビリー「山菜だけでバーベキューかよ…」
ジェシカ「味気ないな…」
ラ「贅沢は言えませんよ…」
ブラッド「クククク…そうかね?」
ラ「わわ、ビックリしたぁ…
  ブラッドさんいつの間に…」
ビリー「脅かしやがって…今まで何してやがった!?」
ブラッド「フン、施設内の調査と食材探しだ…」
ドク「おぉぉぉぉぉ!! ブラッドじゃねぇかよぉぉぉぉ!!」
リコル「おおっ! ブラッドさんの帰還ですぅ!」
ジュナス「…無事に戻れたんですね!」
ニードル「何かあったか基地にはァ!?」
ブラッド「夜通し探したが…何も見つからなかったぞゴミが!
     キサマよくも逃げたな…」
リコル「逃げたって…何の話ですぅ?」
ニードル「気にすんなァ! ヒャヒャヒャヒャ…」
ジェシカ「…とにかく、全員揃ったな。」
ビリー「よし、もう帰ろうぜ!」
ブラッド「待て! さらに食材をいくらか調達してきた!
     これを食ってからだ…」
ドク「食材ってぇぇぇ…また野菜かよぉぉぉぉ!!
   もういらねぇぇぇぇ!!」
ブラッド「黙れ!! せっかく採ってきたのだ、喰え!
     全て喰い切るまで帰らせんぞ!」
ドク「まぁぁぁぁじかぁぁぁぁ!?」
ビリー「しゃらくせぇ…」



〜中略、帰還中のマディア格納部〜
ドク「ヒャアーハッハー!! やっと帰れるぜぇぇぇぇ!!」
ビリー「チッ、何でオレらは格納庫の方に乗せられてるんだよ!」
ブラッド「女どもがどうしてもと言うのでな…ブリッジは連中だけに使わせる事となった!
     女性専用船舶というものだな…」
ニードル「チクショオ、オレらは整備やったんだぞォ!
     こんな仕打ちがあるかァ!! うわ、揺れ過ぎだろッ!!」
コルト「クソ、何でこんなハメに!
    揺れ過ぎにも程があるだろ! 操舵は誰だよ!」
ライル「操舵ですか? 確かラさんかリコルちゃんだったはずですが…」
ブラッド「クッ…この揺れようは…さてはリコルか…」
ドク「わっかんねぇぇぞぉぉぉ! ラちゃんも初期操舵がDだからぁぁぁぁ!!」
ジュナス「…でも、何か忘れているような気がするけど…」
ドク「気のせぇぇだってぇぇぇ!!」

〜忘れ去られし者〜
バイス「ヒュー♪ よく寝たぜ〜♪
    いい朝だな〜♪
    にしても、ジェシカちゃんもよくできたツンデレだよな〜♪
    照れ隠しに気絶させるこた〜ね〜だろ〜ぜ♪
    …さ〜てと、そろそろ帰るとしますか♪」

バイス「ん♪ 確かここに白ミデアがあったはずだよな〜♪
    帰りはここだってブラッドも言ってたし…おっかし〜な〜♪
    …迷っちゃいね〜よな♪ オレ様に限ってんなこたね〜よ♪
    ……ってこたぁ♪ 先に…♪ 帰っちまってたりして………♪
    な、な〜んてな♪ こりゃアレだろ♪ ドッキリだろ〜♪
    いきなりみんなで出てきて「ドッキリ大成功」なんて言ってくれちゃったりして♪
    いや〜♪ 引っかかっちまったなァ〜♪
    ほらほら♪ 出てくんならさっさと出てこいよッ♪
    ……………♪
    ………こりゃあ……ヤべぇな〜……♪」



〜翌日〜
ブラッド「……先程のがオチだと思ったかね? 違うなッ!
     バイス回収と……もう一つ野暮用を済ますため、我々悪い三連星が
     再びこの地にやってきたぞ!
     今度はマディアではなくファットアンクルでな……」
ニードル「ジオンの戦艦ならここの幽霊も祟らねぇだろーぜェ!!
     …オイ!! バイス!! どこだァ!?」
ドク「あぁぁぁッ!! あそこに倒れてんのがそぉぉぉじゃねぇぇぇかぁぁぁ!!?」
ブラッド「…もう見つかったか、早いな…」


バイス「…ひでぇじゃね〜かアンタら〜……♪
    一日…♪ 草とか草とか……あと草とか食って生き延びる…この辛さ…わかるかな〜…♪
    わっかんねぇだろ〜な〜……♪」
ブラッド「一日くらいの断食が何だ! 全く情けないゴミが…」
バイス「なんて言い草だよ〜……♪
    それにオレ様…♪ ゆ〜れ〜にも大人気でさ〜……♪
    大変な夜だったぜぇ……♪」
ニードル「そりゃ大変だったなァ…」
ドク「でも安心しろぉぉぉぉ!!
   これからぁぁぁぁ、このオレがあくりょぉぉぉたいさんしてやぁぁるぅぅぅ!!」
バイス「…あ〜そ〜……♪
    ど〜だってい〜けど……♪ とにかくなんか食いモンくんね〜かな…♪
    こんままじゃ…マジで餓死する五秒前………MG5だぜぇ〜…♪」
ブラッド「フン、そんな戯言を言ってる余裕があるなら問題は無かろう…
     携帯食がある! さっさと喰うことだな…」
バイス「贅沢は言えね〜けど…まずそうだな〜…♪」
ブラッド「…いつまでもこんなゴミに構ってもおれん、もう一つの用事を済ませるとしよう…」
ドク「おぉぉぉぉぉぉ!!」
ニードル「そろそろはじめっかァ!!」
バイス「ん…♪ オレ様を迎えに来る以外の…♪
    用事が……♪ あんのかぁ〜………♪」
ブラッド「……ジュナスの言うことを真に受けたわけではないのだがな。
     暇潰しにこの基地跡の除霊をすることとなったのだ…」
バイス「……じょれいねぇ…そんなのできんのアンタら…♪」
ドク「まっかせぇぇぇなさぁぁぁい!!」
ブラッド「…ドク、さっさと例のものを用意しろ!」
バイス「…例のものって…何だ〜…♪」
ドク「見てりゃわかるってぇぇぇぇ!!
   出ろぉぉぉぉぉ!! がぁぁんだぁぁぁぁぁむ!!」
ニードル「横着すんなッ!! ファットアンクルまで乗りに行けェ!!」
ドク「わかったよぉぉぉぉう!!」
バイス「……ガンダムで除霊って…♪ ムチャクチャだな〜…♪
    アトミックバズーカでも撃つのか〜…♪
    私は帰ってきた〜…とか言って…♪」
ブラッド「コンペイトウ付近のジオンの心霊はそれで消えたと聞いたが…今回は違う!」
ニードル「サイサリスはまだまだウォーズで削り役に使うらしいしなァ!
     とてもじゃねぇが借りられねーぜェ!」
バイス「じゃあ…どうすんだよぉ…♪」
ブラッド「見ていればわかる……
     …そろそろ来たな。」



バイス「……ありゃあ…マンダラガンダムか〜…♪」
ブラッド「そうだ……
     …どうかね? あの坊主のガンダムにドクという組み合わせは!?
     中々愉快ではないか!」
ニードル「テンション高ぇ破戒僧みてぇだろォ!?
     ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
バイス「…アンタら……それやりたかっただけだろ〜…♪
    祟られちゃっても……知らねぇぞ〜……♪」
ブラッド「…見ろ! あのマンダラガンダムには拡声器が付けてある
     まぁライルに突貫でやらせたのだが……ドクが念仏を唱えるのが聞こえてくるはずだ!」
バイス「また意味ね〜ことして…♪」
ドク『うぅぅぅ…なむあみだぶつぅぅぅ、なむあみだぶつぅぅぅ!!』
バイス「テキト〜に言ってんな〜…♪」
ブラッド「内容より誠意こそが大事なのだ…」
ドク『はんにゃらしんにょぉぉぉ…
   きらるさっぽぉぉぉぉ…まんだらえんじぃぃぃん!!
   ごくらくおぉぉぉぉじょぉぉぉぉぉ!!』
ドゴォォォォン!!
バイス「ちょ♪…何がおきたんだ〜…♪」
ブラッド「クククク…見るがいい!
     施設跡が跡形もなく吹き飛んだぞ!!」
ニードル「さすが曼陀羅円陣・極楽往生だァ!!
     ホントは地形変更どころかMAP兵器でもねェけど、気にすんなよォ!」
ドク『ヒャアーッハッハァー! これであいつらもぉぉぉぉ!!
   無事にてぇぇぇんごくまでぇぇぇ!! じょぉぉぶつできただろぉぉなぁぁぁ!!』
ブラッド「クククク、そうだろう…
     これぞ古来より伝わる……爆破オチというものだ!
     …さぁ、悪霊も消したことだし…そろそろ締めるか!
     ……次回も見逃すなよ!」
バイス「ぜって〜コイツら…祟られる気がする〜……♪」