最終回【打ち切り! 突然の最終回!! -ヤンキー調理室に帰る-】



カル「シャノンさん、聞きました!?」
シャノン「…ん、何のことだ?」
カル「あの、ブラッドさんっていう人の番組、打ち切られるんだって話ですよ!」
シャノン「あぁ、そんな事か…」
カル「そんな事って…」
シャノン「別に関係無いだろアタシ達とは。別に思い入れだってありゃしないしさ…」
カル「それはそうですけど…それにしても急な話でしたね…」

〜通信席〜
リコル「あ、せんぱ〜い!! パメラちゃん!!」
パメラ「あれ、リコル先輩?」
ラ「どうしたの?」
リコル「先輩聞きました!? ブラッドさんの番組が…」
ラ「終わる、って話ね…聞いてるわよ。」
リコル「聞いてましたかぁ…
    あんなに楽しくこれまでやってきたのに、急に打ち切りなんて可哀相ですぅ…」
ラ「そうね…
  あの番組には…ほんっとにいい思い出なんて一つも無いけど、いざ終わっちゃうってなると…
  …ちょっと、寂しい気持ちはあるわね…」
リコル「ブラッドさんは、この件ですごく落ち込んでたって聞きましたぁ!
    …先輩! パメラちゃん! 私たちで、元気付けてあげましょうよ!」
パメラ「元気付ける…?」
ラ「うーん…気持ちはわからなくもないけど、余計な事はしないでそっとしておいてあげた方がいいんじゃない?
  火に油を注ぐ事にもなりかねないし…」
リコル「も〜、こんな時にまで弱気ですかぁ!? ダメダメですねぇ…
    ブラッドさんだって、私たちの仲間です!
    仲間が落ち込んでいる時は皆で元気付けてあげるんですぅ! 当たり前の事ですよ?」
ラ「でもねぇ…」
パメラ「…私も、ブラッドさんには…何度もお世話になりました。」
リコル「あ、スタンガンの件?」
パメラ「それもありますし、他にも色々と…
    何か…恩返しをしたいと思ってました。だから…」
リコル「一緒に来てくれる!?」
パメラ「はい!」
リコル「決まりだね! じゃあ行こー!」
ラ「やめた方がいいと思うけどなー…」



〜整備デッキ〜
バイス「そ〜か〜♪ あの番組がねぇ…♪」
ライル「いやぁ、いつかは終わるものだとは思っていましたが…急な話でしたねぇ。」
ミンミ「ブラッドさん、かなり落ち込んでいたと風の噂で聞いたでありますが…」
バイス「そりゃ♪ アイツあの番組にゃ〜そ〜と〜入れ込んでやがったからな〜…♪
    オレ様も結構出てたしなぁ♪ 寂しくなるぜぇ…♪」
ニードル「……寂しいなんて問題じゃねェ!!」
ライル「うわ、どうしたんですかいきなり大声なんて出して…」
ニードル「ケッ、いいかテメェらッ!
     ケイやミンミみてぇのはともかくよォ…バイス! そしてオレェ!!
     オレらみてぇのは、あの番組が無くなっちゃァ…ホンットにロクな出番が無くなっちまうんじゃねぇかァ!?」
ライル「ま、まぁそれもそうですけど、メタい発言はそのくらいにして…」
バイス「ま…オレ様もぶっちゃけこのSS以外じゃホントに出番ねぇからなァ…♪」
ニードル「そーだろッ!? このままじゃオレらの立場が危ねェ!!
     おいバイス、テメェちょっと来いッ!」
バイス「おいおい何だってんだよ〜♪」
ニードル「決まってんだろォ? 番組が中止になんねーよーに、ブラッドのヤツと組んで脅しかけんだよォ!
     とにかく、ブラッドと合流だァ!」
バイス「ん〜…♪ ま、来いっつ〜なら行くけどな♪」

ミンミ「い、いいのでありましょうか!?」
ライル「うーん心配だな…あんまりまずい事はしないと思うけど、一応ボクが様子を見てくるよ。
    ミンミちゃんはちょっと待ってて。」
ミンミ「了解であります!」

〜パイロット・ピット〜
グレッグ「…聞いたかデニス。」
デニス「あぁ…終わるんだってな、ブラッドの番組…
    ケッ、もう一回くらい、MSで乱入してドンパチ賑やかにしてやりたかったとこだがな…」
コルト「…ホントに、あの番組はいい思い出が一つもねぇがよ…
    こちとら一応、元スタッフだ。ちょっとは寂しい気もするぜ…」
グレッグ「オレもアイツとの仲はなげぇが…アイツがあんなに楽しそうにしてやがったのは
     戦闘中と料理中以外は、あの番組くらいのモンだったからなァ…アイツも寂しくなるだろうぜ。」
ジェシカ「…所詮、ヤツは番組責任者の器じゃなかった、というだけの事だ。
     気に病むような事じゃない…」
オグマ「………」

〜トレーニング・ルーム〜
アキラ「いくぜケインさん! 必ィィィッ殺ッ!!
    アタァァァァァーック!!」
ケイン「なんの! 秘剣つばめ返しーッ!!」
バチィ!
アキラ「くぅ、流石ケインさん!」
ケイン「アキラ殿もやるようになったのう…!」
アキラ「まだまだこれからさ!
    …でもやった! ついに生身で必殺アタックを出せるようになったぜ!!」
プシュー(ドアの開く音)
リコル「大変ですアキラさんにケインさぁん!」
アキラ「お、どうしたリコルちゃんじゃないか!!」
ケイン「何用じゃ…?」
リコル「それがかくかくしかじかで…」
アキラ「えぇ!? ブラッドさんの番組が終わる!」
リコル「そうなんですぅ! それでブラッドさん、かなり落ち込んでるみたいで…」
アキラ「そうか、それはかわいそうに…」
リコル「…そこで、人を元気付けるなら、アキラさん以上の適任はいないと思いまして!
    ここに援軍を頼みに来たんですぅ!」
アキラ「そういう事か!! ようし、オレに任せてくれッ!!
    必ずブラッドさんを立ち直らせてみせる!」
ケイン「拙者も、義によって助太刀いたす!
    ブラッド殿も、ある意味では武芸者の一人…その迷いを断ち切る為の手助けなら、労は惜しまん!」
リコル「お〜、これは心強いですぅ!」



〜廊下〜
ジュナス「ルナさん、感じましたか? この負のオーラを…」
ルナ「………感じた。」
ジュナス「この感じ、やっぱりブラッドさんですよね…?
     番組終了が決まって、落ち込んでるとは聞いてたけどここまでだなんて…」
ルナ「………」
ジュナス「…でも、ブラッドさんって、なんというか…不思議な人ですよね。
     あんなに怖い顔して、言う事だっていつもトゲがあって…いつも威圧的な態度ばっかりとって
     自分でも自分を悪人だ、悪党だって言ってるのに…何というか」
ルナ「そんな感じがしない……か?」
ジュナス「あ、ルナさんもそう思ってたんですか?」
ルナ「…………」
ジュナス「…少しの間だったけど、僕もあの番組のアシスタントだったんですよ。
     その時に思ったんです。あの人はただ悪くて怖いだけの人じゃないな、って…」
ルナ「…………」
ジュナス「それに、あの番組をやってる時のブラッドさんって、顔には出さないけどすごく楽しそうなんですよね。
     普段はそんな感じは見せないのに…」
ルナ「………楽しかったんだろう、実際…」
ジュナス「でしょうね…」

〜ブリッジ〜
ニキ「艦長、例の件ですが…
   …!?」
ドク「ヒャアーハッハァー!! オレが艦長だぁぁぁッ!!」
ニキ「ドクさん…? 何故あなたが艦長席に?」
ドク「あぁぁぁ! ちょっとゼノンかんちょぉぉがよぉぉぉ!!
   席外すからその間にちょっとかんちょぉぉぉやってぇぇ、適正あげとけって言ってたからよぉぉ!!」
ニキ「そうでしたか…(ゼノン艦長に用というと、やはりあの件…?)」

〜調理室〜
ブラッド「………」
プシュー(ドアの開く音)
リコル「ブラッドさん! 落ち込んでるそうなので、みんなで元気付けにきましたぁ!」
ケイン「ケイン・ダナート、只今参上…!!」
アキラ「ブラッドさん!! さぁ、元気を出すんだ!」
ブラッド「…何やら大勢大挙して現れたな…
     何のつもりだ、キサマら……」
リコル(わわわ、いつもの三割り増しの怖い顔〜…)
アキラ「くぅ、何て負のオーラだ! でも負けてたまるかぁ!!
    …ブラッドさん! 過去を振り返るより、未来を見るんだ! 「お料理教室」は俺ジェネと共に終わってしまうけど
    これからキミは、何だってできるんだぜ!?」
パメラ(な、なんてメタ発言を…)
ケイン「今、お主の目の前にある壁は…お主自身にしか崩せないのだぞ!!」
ブラッド「フン、何を言うかと思えば…
     …リコル、パメラ……キサマらの差し金か?」
アキラ「違う! 俺たちはそんなんじゃない!
    仲間が落ち込んでると聞いたら、すぐに駆けつけて慰めに行く! それが仲間というものだぁ!!」
ブラッド「いいから少し黙れ……」
プシュー(ドアの開く音)
バイス「よ♪」
ニードル「ブラッドいるかァ!? 終わるだなんて冗談じゃねェ、なんとかしやがれッ!」
ブラッド「今度はニードルとバイスか……」
ライル「ボクもついてきました、一応…」
ブラッド「フン……まぁいい、キサマらそこに座れ。少し話をしてやる…」



ブラッド「……まず第一に、一つ言っておこう…
     キサマらはワタシが、「料理教室」が打ち切られたから落ち込んでいる、と……そう思っているのだな?」
リコル「そうですけど…」
アキラ「違うのかい!?」
ブラッド「大間違いだ!! いいか良く聞け、ワタシはあんな番組のことなど
     特に思い入れもしとらんし、特に終わる事について未練は無い……
     …ただ、番組を通じ…我がオリキャラ軍構成員全員の調理技術を向上させ
     最終的には…資金稼ぎ用料理屋「ビストロ・オリキャラ軍」を開店し、瞬く間にチェーン展開をし資金稼ぎをしようという
     野望が潰えるのは、多少残念ではあるがな……」
パメラ(そんな野望を…?)
ニードル(ドクのヤローがふかしてやがったのガチだったのかよォ)
リコル「でもその野望だって、お料理教室が終わってからでもいくらでも達成に向けて
    がんばればいいじゃないですかぁ!」
アキラ「そうだぁ! なんなら、オレだって炎の料理人として、ブラッドさんの目標達成の為に協力する!!」
ケイン「ならば拙者も義によって助太」
ブラッド「いや、いらん……ワタシとホンゴウとケインの三人でやる料理店など誰得過ぎるだろう…
     ……全て、終わった事だ。何もかもな…」
アキラ「ま、まだ何も終わっちゃいない!! むしろこれからなんだってできるんだ!!
    大事なのはこれまでじゃない、これからなんだ! そうだろう!?」
ブラッド「もういい、喋るな……もはや何もかもお終いだ。
     終わるのはこの番組、いや…このSSだけではない。
     もはや、これからは……本スレでの会話ネタという形以外では
     よほどのことをしない限りはSSを投稿する…ということ自体が不可能になるのだからな…」
パメラ(またメタな発言が…)
リコル(いくら最後だからってメタ発言が過ぎますぅ…)
ブラッド「ともかく……我が番組は終わりを告げる……
     番組開始から二年弱…このような形で終わるのは非常に残念だ……
     結局、あの番組を通じ、ワタシは野望を達成する事も……何かを得る事も、何も無かった…
     …つまり、これまであの番組を放送し続けた時間は……全くのムダだったという訳だ…」
リコル「む、ムダなんかじゃありません!」
アキラ「そうだぜブラッドさん! この世にはムダな事なんて、一つもありはしないんだぁッ!!」
ブラッド「フン、下らん……」
バイス「…ま♪ 元気出せってブラッドよ〜♪ オレ様達だって♪
    またなんかのきっかけで目立てる事もあるだろ〜しよ♪」
ブラッド「今のワタシは気が立っている…
     ……これが何か、わかるかね?」
ニードル「な、なんだァそりゃあ…」
ブラッド「クククク…これはな……以前使用した「豆マシンガン」から開発した「納豆バズーカ」から、さらに開発した
     「カボチャの種ジャイアントガトリング」よりさらに開発を進めて完成した、最終兵器……
     ……名付けて、「とろろアトミックバズーカ」だッ!」
ニードル「なァ…」
ケイン「とろろ…」
アキラ「アトミックバズーカだとぉッ!?」
ライル「こ、今回はボクの製作じゃない!? いつの間にそんなものを…」
ブラッド「自作だ…ククククッ!
     キサマら…このバズーカの直撃を受け、とろろまみれになりたくなければさっさと消え失せた方がいいと思うぞ…
     ……今のワタシは、リミッターが完全にキレた状態だからな…」
バイス「やっべぇ目がマジだ♪」
リコル「せ、せんぱいの言うとおりでしたぁ…」
バイス「こ〜なったら♪ みんな尻尾巻いて逃げよ〜ぜ〜♪」
パメラ「で、でも…」
アキラ「ここはオレとケインさんで食い止める! オレ達の友情パワーなら、とろろくらい食いとめられるハズだぁッ!!」
ニードル「いやその理屈おかしーってェ!!」
ブラッド「…キサマら、さっさと消えんと本当に撃つぞ! いいのかッ!?」
アキラ「くぅ、仕方ない!!
    今日は………退くぞ!」
ケイン「無念…!!」
バイス「よっしゃ♪ 逃げっぞ〜♪」



〜数時間後〜
ブラッド「……終わり、か…
     しかし、実際…そろそろ、潮時だったのかもしれんな…」
プシュー(ドアの開く音)
ブラッド「今度は誰だ……」
ゼノン「…いるか?」
ブラッド「ゼ、ゼノン…艦長殿!? 何故ここに…まさか久方ぶりに蕎麦を打ちに…?」
ゼノン「いや…さっきリコルに泣きつかれてな。」
ブラッド(いかん、ひどく面倒な事になってきたぞ…
     ……まさか、このような下らん事にゼノンが出てくるとは…)
ゼノン「…残念だったな、番組については。」
ブラッド「何を仰る…このワタシが、そのような下らない事で落ち込むとでも?
     甘く見られたものですな……」
ゼノン「そうは言っとらんがな…
    ……ブラッド、お前はリコル達に、こう言ったそうだな。
    「結局、あの番組からは何も得る事は無かった」とかなんとか…」
ブラッド「……それが何か?
     結局、あの番組は何にもならなかった……何ももたらさない…まさにムダそのものでしたな。」
ゼノン「…なぁブラッド。
    ワシは、あの番組が何ももたらさないムダな番組だったとは、全く思ってはおらんぞ?」
ブラッド「これはまた奇妙な事を……どういう意味ですかな?」
ゼノン「あの番組は善きにしろ悪しきにしろ、この部隊の人々の記憶に残った…ワシはそう思っている。
    それにな…」
ブラッド「…………」
ゼノン「…ブラッド。お前、はじめて料理をした時の事を覚えているか?」
ブラッド「…フン、忘れるハズも無い…
     ……確か、あれは…」

〜回想、無印Gジェネ時代〜
無印ゼノン「ブラッド、少しいいか?」
無印ブラッド「ケッ…何だってんだよ、艦長さんよ?」
無印ゼノン「…ジョバンニから聞いたぞ。
      昨日、シュンと二人で…ホンコンシティで、マフィア相手に暴力沙汰をおこしたらしいな?」
無印ブラッド「あぁ、その事か…情報の早いこって。
       安心しな、もうとっくに始末はつけたぜ…アンタの手は煩わせねぇ。」
無印ゼノン「全く…どうしてお前はいつもそう、問題ばかり起こすのだ。
      仮にも、小隊長に任命された身だというのに落ち着きもせず…」
無印ブラッド「小隊長に任命ねぇ……
       …ハッ、あのドクとニードルだかって配置に困ったゴミどもを、体よく押し付けられるのが昇進だってんなら
       軍人ってのはつくづくやりがいのねぇ仕事だぜ…」
無印ゼノン「ブラッド…お前は一体、何が不満なんだ?」
無印ブラッド「ハッ、何が不満だって!? とぼけやがって、そんな事もわかんねぇモンかね…
       …どいつもこいつもNT、NT!
       戦場の中心で活躍して日の目を浴びれるのは、いつもNTの連中だけだ!!
       オレらみてぇなのは兵力の足りねぇ時だけコキ使われて…いらなくなったらただの裏方ってわけだ…
       ……荒れたくなる気持ちもわかって欲しいモンだけどな、艦長さんよ…」
無印ゼノン「お前たちのような兵に、不満が溜まってきているというのは知っている…
      しかしだ。その怒りを他者に向けたところで何になる?」
無印ブラッド「オレがちょっとはスカッとする。それだけさ…」
無印ゼノン「そんなものは一時的なものでしかない。
      暴力は何も生み出さんぞ…」
無印ブラッド「おいおい…ベテランの軍人さんの言うようなセリフとは思えねぇな。
       何だ、言いたい事があるならハッキリ言ったらどうなんだ…」
無印ゼノン「なぁブラッド…お前も、何か趣味を持ってみたらどうだ?」
無印ブラッド「趣味だ? …おいおい、何を言い出すかと思ったらなんだそりゃ…」
無印ゼノン「真面目な話だ。お前はどうも活力がありすぎる…
      …そして、その活力を向ける方向が、どう見ても間違っている。」
無印ブラッド「ケッ……」
無印ゼノン「その活力を、何でもいい…何か、有意義なものに向けてみろ。
      お前のその活力があるなら、ものによっては大成するかもしれんぞ?」
無印ブラッド「んなこと急に言われたってな…」
無印ゼノン「…そうだブラッド、お前料理に興味が無いか? 案外、お前向きだと思うんだが…」
無印ブラッド「ケッ、冗談じゃねぇぜ…」



〜現在〜
ブラッド「きっかけは確か、あの時の艦長殿のお言葉でしたな…
     ……あの頃はまさか、このワタシがこれほどまでに……料理に打ち込む事になるなどとは
     全く、思いもしませんでしたな……」
ゼノン「ワシだってそうだ。
    向いているだろうとは、おぼろげながらに思っていたが…
    …今となっては、もうワシなどでは及びの付かないレベルにまで腕が上がったようだな?」
ブラッド「…何、それほどでは…」
ゼノン「謙遜はいいだろうこの際…
    いや、ワシも料理の腕については、昔からそれなりに自信はあったがな。
    お前にこうも超えられるものとは思っていなかったよ…」
ブラッド「フン…しかし、先程のワタシの言葉も決して嘘は混ぜてはおりませぬぞ?
     今でも……やはり、艦長ほどの深みのあるものを作れている、という実感はないものでね…」
ゼノン「ほう、「深み」ときたか。」
ブラッド「その通り……いくら小手先の技術を身につけたとて、それではやはり限界がある…
     料理というものはやはり、人生経験が現れるものなのですな……
     ……いまだ、無印の、あの頃に食べさせていただいた…
     …艦長の手打ちの蕎麦の味を超えられるものは、作れそうにはありませんな。」
ゼノン「フッ、お前も一人前な世辞を言うようになったな?」
ブラッド「だから世辞ではないと……まぁいいでしょう…」
〜中略〜
ゼノン「しかし、お前は…やはり、あの番組からは、何も得るものは無かったと思うか?」
ブラッド「全くその通りですな……」
ゼノン「なぁ、ブラッドよ…
    …お前は無印の…あの頃に比べて、今の自分が何を得たと思う?」
ブラッド「ほう…クククク、これはなかなか面白い質問ですな……
     料理技術はもとより、あの頃に比べれば多くの実戦も積み、戦闘に関わる能力も大いに向上したものです…
     つまり…「力を得た」とでも言いましょうか……
     …それに、悪としての方向性も大分定まってきましたな。」
ゼノン「…それだけか?」
ブラッド「…他に何か?」
ゼノン「ブラッド、考えてもみろ…
    …あの頃のお前は、とにかく孤独ではなかったか?
    自分以外の全てを見下し、全てを否定し…まるで自ら、孤独を望んでいたかのようだった。」
ブラッド「…………」
ゼノン「それが、今のお前はどうだ?
    お前が落ち込んでいると聞いて、多くの仲間が元気付けにきてくれる…
    そして…あの番組の中で、お前は好き勝手に振舞う事も多かったが…
    …それ以上に、仲間に頼りにされたり…仲間の苦境を救ったり、手助けしたりした事もあったろう?」
ブラッド「クッ……まぁ、それは…確かに……あったかもしれませんな…」
ゼノン「ブラッド。前も言ったが、お前は変わったよ。
    それも、善い方向にな……
    あの番組を放映した時間は決してムダではないぞ? お前は、あの番組を通じて大事なものを得たハズだ…」
ブラッド「……大事なもの、ですと?」
ゼノン「…人望だよ。容易に得られるものではない…」
ブラッド「人望……? そのような言葉…
     このワタシには最も…無縁なものだと思っていましたがな……」
ゼノン「いや、ワシにはわかっているぞ…」



ゼノン「そういえば…お前は、ワシがあの番組を支援していたことを疑問に思っていた事があったろう?」
ブラッド「……最後です、あえて聞いてみましょう。
     何故なのですか…?」
ゼノン「ワシはな…上司として、お前の変化が嬉しくてな。
    あの番組からはそれが手に取るように見えてな…
    ……前なら、仲間と楽しく艦内番組を撮影するお前など、考えられなかったからな。」
ブラッド「自分でも信じられない部分はありますがな……
     ……まぁ、確かに…あの番組を放映してきたこれまでの時間も…
     …あながち、全くの無意味とも言えないのかもしれませんな…」
ゼノン「ほう、ようやく少しは認めてくれたか?」
ブラッド「まぁ…少しは、ですがな…」
ゼノン「ハハハハ、その方がお前らしい…」


〜翌日〜
リコル「ブラッドさん、すっかり元気になったらしいですよ!」
パメラ「ゼノン艦長のおかげだという噂でしたが…」
リコル「さっすがゼノン艦長だね〜」
ラ「でも、元気になったらなったで、また何かやらかしそうで怖いけどね…」


グレッグ「…そういやぁ、今回が最後の放送だっていったなぁ。」
ライル「いよいよ最後ですか。いやぁ感慨深いなぁ…」
コルト「元スタッフのよしみだ…一応見といてやるか。」
ニードル「ヒャヒャヒャ、リモコンはどこだァ!?」
バイス「さ〜てと♪ どんな終わり方するのやら♪」


〜艦内☆放送〜
ブラッド「クククク…ブラッドだ!!
     さぁ、これが最後の放送だ……つまり、ラスト…
     ……これまでの放送の、大オチだということだ!!」
ドク「おぉぉぉッ!! 大オチってぇぇ、何かすごそぉぉぉだなぁぁぁ〜!!」
ブラッド「クククク……その通り!
     これまでの総決算は…もはや、ただのオチでは足りん!
     ……大オチを!! 一心不乱の大オチをッ!!」
ドク「ヒャアーハッハァー!! 大オチだぁぁぁッ!!」
ブラッド「ククククク…まずは、あの敵部隊を見るがいい…」
ドク「おおッ!? ありゃぁぁ何だぁぁぁ!?
   ありゃぁぁぁ…全部モビルドォォルじゃねぇぇかぁぁぁ!!」
ブラッド「クククク…ここはガンダムWの「バルジ攻防戦」ステージ!!
     さぁ…ドク、準備はいいか!?」
ドク「まっかせぇぇなさぁぁい! そんじゃぁぁ!! ガンダムアクエリアス、いぃぃくぞぉぉぉッ!!」
〜中略〜
ブラッド「クククク…流石はアンチMDウィルス……素晴らしい効き目だ!
     さぁ、キサマは下がれ!!」
ドク「えぇぇぇッ!? ぶっ壊しちゃいけねぇぇのかよぉぉぉ!?」
ブラッド「ダメだ、あくまでオチの為に来たのだからな……
     ……ではワタシも出るぞ! GP02A…発進するぞ!!」
ドク「じ、じぃぃぴぃぃぜろつぅぅぅっていやぁぁぁ…アレかぁぁぁぁ!?」
ブラッド「察しの通り……アトミックバズーカだッ!!」
ドク「うぁぁぁッ!! 核バズゥゥゥカだぁぁぁぁ〜!!」
ブラッド「我が「ブラッド先生のお料理教室」の大オチは…… 
     …そう! 最後は……アトミックバズーカでの爆破オチというわけだ!!」

ドゴォォォォン!!

ドク「おぉぉわぁぁぁッ!! モビルドォォルが一気にいなくなっちまったぁぁぁ!!」
ブラッド「クククク…後は、アトミックバズーカの攻撃で損傷を受けた、バルジにトドメを刺すだけだ!」
ドク「ヒャアーハッハー!! ぶっ壊してやぁぁるよぉぉぉ!!」
ブラッド「ククク… 番組としてはここまでだ…
     それではゴミどもよ……さらばだ!!」
ドク「次はGジェネのぉぉぉ!! ゲームで会おうなぁぁぁぁッ!!」



グレッグ「………」
コルト「………」
ライル「………」
ニードル「………」
バイス「……♪」
ライル「爆破オチって…そういう意味じゃないと思うけどなぁ…」
グレッグ「最後の最後…料理、関係なかったなぁ…」
コルト「…こりゃひでぇ…」
バイス「ま…らしいっちゃ〜らしい終わり方だったけどな♪」
ニードル「つーか、何で最後の最後オレ呼ばれてねぇんだよォ…」


「ブラッド先生のお料理教室」テキトーに完結!!


スタッフロール的な何か

〜CAST〜

出演
料理教授、企画構成等諸々:ブラッド

準レギュラー:ドク・ダーム

空気:ニードル

賑やかし:バイス・シュート

おっさん:グレッグ・マイン

ドンパチ要員:デニス・ナパーム

メカ諸々:ライル・コーンズ他

折檻役他:ジェシカ・ラング

番組アシスタント:ラ・ミラ・ルナ
         リコル・チュアート
         パメラ・スミス
         ジュナス・リアム
         カル・クロサワ
カメラ担当:レンタル兵(伍長)
      コルト・ロングショット
      ドク・ダーム
      シャノン・マシアス

スポンサード:ゼノン・ティーゲル
       ウォン・ユンファ

ヒロイン的ポジション:デビルガンダムJr
           ネオガンダム一号機 他

etc…




リコル「はい、お疲れ様です! 番組終了ですぅ!
    …ですが! ブラッド先生の、調理室での戦いはこれからも続く!
    ご愛読、ありがとうございましたぁ!」
ブラッド「本当に打ち切り風に締める事はなかろう……」

(了)