第八話「貴様の実力、確かめさせてもらう!」



観衆の一人が、一直線に決闘の場へと突き進む謎の飛行物体を指差し、叫んだ。
「み、見ろ! 連邦のモビルアーマーだ!」
「バーツ達の所に向かって行くぞ…」
「決闘」という名の祭りに水を差すように、空域に連邦軍治安維持部隊のモビルスーツ隊が乱入する。
まず先陣を切るようにジェシカ・ラングの「ガンダムアシュタロン」のモビルアーマー形態が
決闘の行われる空域に参上した。

無論、それだけではない。
内陸部より静かに接近していた旗艦テンザン級率いる治安維持部隊から、数機のモビルスーツ隊が発進し
既に港へと到着していた。
そのうちの一機、治安維持部隊の「バリエント」備え付けのスピーカーから付近に勧告が出される。

『ただちに集会は解散! バルチャー及び機動兵器を所有する者達は
 すみやかに大人しく投降するせよ!
 抵抗する場合は強硬手段も辞さぬ構えである! 繰り返す!』
連邦からの投降を呼びかける声が、混乱の真っ只中にある港街に響き渡る。
海上で観戦していたバルチャー達は速やかに逃げ出す算段をはじめ、その他の観客達も
それまでの熱狂が嘘のように各々が逃げ出し、解散を始めていた。


一方、ならず者達の中には連邦に対抗すべく自分達の愛機、もしくは兵器を持ち出す者達もおり
混乱をさらに加速させた。
そんなならず者の一人であるブランドとバイスはというと…
「…今よ!」
「今って…何がだよこんな時に♪」
「決まってるじゃないのさ…ドサクサに紛れて、集めた金目の品持ってトンズラしちゃうのよ!」
「き…きったね〜♪」
「うるさいわね! …なんだったらアンタも来る? 分け前は弾むわよ!」
「気前い〜ね〜♪ そのハナシ、乗りましょ♪」
騒ぎに乗じて、こんな事を画策していた。
しかし、そこに天罰のように…
挨拶代わりにと、バリエントの一機から放たれたミサイルが
港に停泊してあったブランド艦に直撃した。ブランドは絶叫する。
「い、いやぁぁ!! アタシのブランド艦がぁ!?」
そこに、勝手にレオパルドで応戦を始めようとしていたドクが
またまた拡声器を通じて叫ぶ。
『やっべぇぇぇ!! アイツはもうダメだぁぁぁ!!
 あきらめろぉぉぉぉ〜!!』
「嫌よ! アレを手に入れる為にアタシがどんだけ…」
当然、諦めきれない様子のブランド…
…そして、周りのならず者達もそんなブランドの様子などには構っちゃいられない様子だ。
「オイ、いいのかアイツほっといて…」
「そんなモンに構ってる場合じゃねぇ! こっちにも連邦のヤツらが来るぞ!」
「こ、こっちにもガンダムタイプが!」
「に、逃げろ! 勝てるわけねぇ!」
ガンダム、と聞いただけで怖気づき、先程までの威勢はどこへやら
逃げ腰になったならず者達もまた、或いは逃げ出す算段を始め
また或いは降参する算段を始める者もでてくる始末であった…



『バルチャーの一部が投降に応じました!』
「よし…そちらの対応は別小隊に任せる! ゴミどもを確保しろ!」
アシュタロンとは別個に、バルチャーらの討伐の指揮を取るガンダムタイプ…ガンダムヴァサーゴ。

そのパイロットは、治安維持部隊隊長でもあるブラッド。
低空域を滑空するガンダムヴァサーゴに随伴するバリエントのコクピットの中で
今ではその部下であるグレッグが、今更ながら改めて聞いた。
『本当に良かったんですかい少佐!? こんな少数部隊で…』
「あくまで市街地だ、あまり大規模な戦闘をするわけにもいくまい…
 …わざわざこちらにガンダムを持ち出したのは威嚇と牽制の為だ。
 この威容を見て、尚抵抗するようなバカは…」
その時、ブラッドの説明を遮るようにガンダムヴァサーゴを、地上からのガトリングガンの弾が襲った。
その弾を回避しつつ、ブラッドが忌々しげに言った。
「……まだ逃げ出しもせずに、抵抗するゴミも残っているようだな……!」


空中のガンダムヴァサーゴにガトリングガン…「インナーアームガトリング」を放ったのは
やはり、単身残って抵抗を続けていたドク・ダームのガンダムレオパルドだった。
「ヒャアーハッハァー!! こっちでも決闘だぜぇぇぇぇ!!」
三度のメシより戦闘が大好きなこの男、港の中であるにも関わらず随分と楽しそうである。
全くもって、迷惑極まりない男である。
その耳に、逃げ出している真っ最中であるブランドから、トランシーバーを介した通信が聞こえた。
『…ドク! 時間稼ぎは任せたわよ!』
『まっかせぇぇなさぁぁぁい!!』
そう威勢よく答えたドクは、レオパルドに敵を挑発させるようなポーズを取らせながら
拡声器を通じて叫んだ。
『どぉぉしたぁぁぁぁッ!! かかってこねぇのかよぉぉぉぉ〜!!』
そこに…さらにドクのガンダムレオパルドに通信が入った。
『オレも助太刀するぜ〜ドク♪』
「バイスかぁぁぁぁッ!?」
そして、ドクのガンダムレオパルドの隣に
気が付けば、紫色のモビルスーツが既にその姿を現していた。
バイスの愛機、専用の「ドートレス改」である。
『バルチャーとしての最後の仕事ってなぁ…今日はいっちょハデにやったらァ♪』
「ハァーッハッハ! そのいきだぜバイスぅぅぅぅ〜!!
 おらぁぁぁッ!! かかってこいガンダムぅぅぅぅッ!!」
さらにドクが叫ぶ。

そんな様子を、心底呆れた様子でコクピットの中で眺めていたブラッドとグレッグは…
「クッ…あくまで抵抗するか!」
「…どうします隊長?」
「…あのゴミどもは私に任せて、貴様等は地上部隊と連携!
 地上のバルチャーどもの確保を最優先としろ!
 上空の二機はジェシカに、逃げるゴミどもの掃討は別小隊に任せておけ……!」
と指示を出し、港でこちらを挑発している二機のモビルスーツの元へと向かった。
「了解!」
そう返し、グレッグともう一機のバリエントは、投降したバルチャーらの確保を行う
地上部隊らとの連携に向かった。その道中グレッグは…
「…今度もまぁ、オレに出番はなさそうかな」
などと呟いていたという。



ガンダムレオパルドの射撃をいなしつつ港へ接近したガンダムヴァサーゴは
地上スレスレでその機体の翼をバッ、と広げ減速した後
レオパルドの待ち受ける港へと着地した。
ドクの精神状態は更に高ぶる。
「おおぉぉッ!! きやがったぜバイスぅぅぅッ!!」
無論、バイスも乗り気だ。
「さ〜てと♪ オレ様の腕前を見せてやっかな♪」
そう言った後、マシンガンを乱射させながらヴァサーゴへの接近を図る、バイスのドートレス改。
しかし次の瞬間…
「……どけ!!」
ブラッドがそう言うと同時に、ガンダムヴァサーゴの左腕が展開され、接近戦の間合いとしては
遠すぎる距離で、バイスの乗るドートレス改の頭部が
ストライククローにより、一瞬で粉砕された。
その場で崩れ落ちる、紫色のドートレス改…
「ちょ、おま…」
意気揚々と出てきて、戦闘開始直後にこの始末…流石のバイスもこれにはガックリ来たようだが
「クソッタレが♪今日はこのぐらいで勘弁しといてやらァ〜♪」
それでもこのような捨て台詞を残す辺り、なんとも彼らしい。
そんなバイスのザマを見て、ドクは
「のわぁぁぁぁバイスぅぅぅう!!
 このぉぉぉやったなぁぁぁぁ!!」
と叫びを上げた後、反射的にガンダムレオパルドの火気系統を操作し
こちらにゆっくりと接近するガンダムヴァサーゴに向け
ショルダーミサイルを発射させる操作をしながら
「くぅらえぇぇぇい!!」
と叫んだ。そして同時にガンダムレオパルドの肩部ハッチが開き
そこから数発のミサイルランチャーが飛び出し、ガンダムヴァサーゴを襲う。
そのミサイルはヴァサーゴに全段命中したかに見えた。
辺りは爆煙と硝煙に包まれる…
その様子を見て、ドクが得意げに叫びを上げる。
「ヒャアーハッハァー!! なんだよ、もぉぉ堕ちたのかよぉぉぉッ!?
 つまんねぇぇぞぉぉぉぉ〜!!」
しかし…その耳に届いたのは、ガンダムヴァサーゴからの通信の声だった。
『ククク…なんなのだ、今のは…!?』
そして…硝煙が消え去った後、そこに居たのは
まるで無傷かのようにそこに存在するガンダムヴァサーゴの姿だった。
今度は驚愕の叫びを上げるドク。
「ヒィ、き、利かねェェェ!?
 やっぱ安モンのミサイルじゃだぁぁめかぁぁぁぁぁッ!?」
当たり前の話である。
そしてその耳に、続けてブラッドから通信の声が聞こえた。
『このヴァサーゴを甘く見てもらっては困るな…
 ……今度はこちらからいかせて貰おう!』
そう言い終わると同時にブラッドの駆るガンダムヴァサーゴは一気に間合いを詰め
そのストライククローが、ガンダムレオパルドを狙った。
「は、はえぇぇぇ〜!?」
そのスピードに驚愕しながらも、ドクもレオパルドのローラーキャタピラをフルに可動させ
その攻撃を間一髪で回避して見せ、続けさま言った。
「な…なぁにすんだよぉぉぉぉ!?
 危ねぇぇじゃねぇぇかよぉぉぉ!!」
何をする、も何も先に挑発をしたのも、そして攻撃を加えたのも他ならぬドクなのだが
彼はそんな理屈が通じるようなタマではない。
そこに、またもブランドからの通信が入った。
『ドク、聞こえて!?』
「おぉぉブランド!? まだ逃げてなかったのかよぉぉぉ〜!?」
『いいからよくお聞き!
 アイツは港への被害を気にしてんのかしら…射撃武器を使ってこないわ!
 そこに付け入るスキがあるハズよ…!』
「なぁぁるほどなぁぁぁぁ!!」
『射撃戦ならレオパルドに分があるわ…バンバン撃ちまくりなさい!』
「まっかせぇぇなさぁぁぁい!!」
と返事をすると同時に、またも腕部と背部ガトリングユニットを合体させ
インナーアームガトリングを乱射するドクのレオパルド。
「ヒャアーハッハァー! 踊れ、踊れぇぇい!!
 死ぬまで踊れぇぇぇい!」
地上を滑空し、ヴァサーゴに弾を回避させつつ、ブラッドが毒づく。
「ええいゴミが、こんな所で正気か!?
 …調子に乗るな!」
そしてガンダムヴァサーゴは、牽制射としてクロービーム砲をガンダムレオパルドに放った。
そのビームはガンダムレオパルドに直撃。ドクがまたまた叫ぶ。
「い、いてぇじゃねぇかよぉぉぉ!!
 お…おおッ! おいブランドハナシが違ぇぇよぉぉぉ!!」
『そんなモンでビビってんじゃないわよ! しっかりおし!』
通信越しにブランドがドクを叱咤激励する。こういう男気がある部分が
なんやかんや言われながらも、ブランドがならず者達に慕われている所以である。

一方、ビームを当てたブラッドの方も…
「直撃…だが致命傷に至らずか!?
 出力を抑えたとはいえ……さすがはガンダムタイプと言った所か…」
ガンダムレオパルドのその防御力に感嘆していた。
ガンダムタイプの装甲…「ルナ・チタリウム合金」は、ある程度の出力のビームなら
直撃にも耐えられるほどの防御力を持っているのだ。



その頃上空、「決闘の場」でも…
「バーツさん、ちょい待った! こっちに連邦のモビルアーマーが来てるとかなんとか!」
「んなこたこちとらわかってんだよ!」

凄まじい速度でガンダムアシュタロンが空域に迫る…狙いは勿論
「空の守り神バーツ」と「期待の新星サエン」の二人。

恐るべき推力でバーツらのいる空域まで辿り着き、その場で一端静止すると同時に
アシュタロンのパイロット、ジェシカ・ラングが
バーツらがその機体を視認する間も無く、即座にGファルコンに向け通信を送る。
『…貴様がバーツ・ロバーツか!?』
その声は、バーツとサエンにとっては予想外なものだったようだ。
「何だぁこのお姉ちゃんは……」
「お、女だってかい? …まずいな、オレは女の子をいじめるよ〜な趣味はねぇんだけど…」
サエンなどはそんな事を言っている。
その言葉に苛立つでもなく…いや、サエンのガンダムエアマスターなど眼中に無いかのように
ジェシカは、続けてバーツにこう通信を送った。
『貴様の実力、確かめさせてもらう!』

ジェシカがそう言い終えると同時に、空中で静止していたアシュタロンが
まるで獲物にターゲットを絞った猛禽類のように、凄まじい俊敏性でGファルコンを狙う。
Gファルコンを追うそのモビルアーマーのスピードに、思わずサエンも驚愕する
「あのカニ、何て推力してやがんだよ…」
「こいつはヤベえぞ!! とにかく一旦距離を取れ!」
バーツが珍しく焦った様子でそう叫んだ。
逃げるGファルコン、追うアシュタロン…アシュタロンの推力はGファルコンをも凌駕するほどのものだった。

そして距離を取ろうと逃げるGファルコンの背部を、アシュタロンのシザースビーム砲が狙う…
「一撃で仕留めてやるよ!………覚悟しな!」
「クソッタレが、冗談だろオイ…」
バーツがそう弱音を吐いた瞬間…
「ここは……オレの出番ってとこかい!?
 華麗にきめてやるぜ!!」
そこに、サエンによるバスターライフルによる牽制射撃が加えられた。
無論、サエン独特の「先読み」により、アシュタロンの移動スピードを計算した上で放たれた一撃だ。
サエンの読み通りにいけば、その一撃は確実にアシュタロンに直撃していたはず…
…しかし、そうはならなかった。

「な、なんだ!?」
その一部始終を見ていたサエンはまたも驚愕した。
エアマスターの射撃を、そのモビルアーマーは空中でモビルスーツ形態に急速変形し
減速、及びモビルスーツ独特の自由度の高い動きで回避してみせたのだ。
そして、そのモビルスーツ形態となったアシュタロンの姿を見て…さらにサエンは驚愕した。
「こ、コイツもガンダムかぁ!?」
その声を聞いてか、バーツも自機後方ののモビルアーマーが変形した事を確認した後、驚きながら言った。
「コイツは……新型のガンダムタイプか!?」

当のガンダム…ガンダムアシュタロンのパイロットジェシカは
バーツと自分との「戦い」が邪魔された事に苛立ち…その攻撃目標を
一端Gファルコンから、ガンダムエアマスターに移した。
そして、急速にガンダムエアマスターに接近しながら、言った。
「…貴様ごときに用はない! 邪魔をするなら消えろ!」
「く…来るなら女だって容赦はしないぜ!?」
サエンがそう言いながら、エアマスターのバスターライフルを接近するアシュタロンに向け
二丁同時に発射させた。
その射撃をまたも回避しつつ、さらに距離を詰めたガンダムアシュタロンが
一瞬でエアマスターをその接近戦の間合いに収める。
サエンも、そのままやられる事をよしとはせず…
「……オレ向きの武器じゃないんだけどな!」
と言いながら機体の頭部バルカンでアシュタロンを牽制する。
…しかし、そんな攻撃が通用する相手では無い。
バルカンなど全く寄せ付けず、構わずアシュタロンはアトミックシザースをその場で展開させた。
そして、そのシザースの狙いをエアマスターに定めつつ、ジェシカが言った。
「………どうだ! この武器はかわせはしまい!」
「チィ………!」
サエンがそう舌打ちをするのと同時に、アトミックシザースにより
瞬く間に両腕のバスターライフルを、挟み潰される形で破壊されるガンダムエアマスター。
そして、主武装を失ったサエンのエアマスターに対し、ジェシカは…
「………消えろッ!!」
と、興味を失ったように、上から蹴りを浴びせた。
制御が間に合わず、そのまま落下をはじめるガンダムエアマスター…
「ま〜たカッコわりぃ所をギャラリーに見せちまったよ…」
空中で自由落下しながら、急ぎ機体を制御しつつそうボヤくサエン…
落ちていくエアマスターの姿を確認すると、ジェシカは言い放った。
「………フン、所詮キサマも戦士の器ではなかったようだな!」



落下するエアマスター…このまま制御が間に合わなければ海へドボンだ。
そんなエアマスターに助け舟を出すように、Gファルコンが駆けつけると
落下中のエアマスターを受け止めるようにその下部に機体を滑り込ませ
Gファルコンの上にエアマスターを乗っけるようにして救助した。
そしてバーツが即座にサエンに聞いた。
「…おい若いの! 変形機能は生きてるか!?」
「まぁ、なんとかね…」
そう言うと、エアマスターはGファルコンから離れるとその場でファイターモードに変形した。
しかし、二丁のバスターライフルを失ったその姿はなんとも心もとない。
その二機をさらに追撃すべく、またもモビルアーマー形態に変形したアシュタロンが迫る。

その巨大な蟹のようなモビルアーマーから逃げつつ、サエンがバーツに弱音を吐いた。
「無茶だよバーツさん、オレ達の機体じゃアレには勝てない!」
「こちとら無茶には慣れっこなんだよ!!」
そうぶっきらぼうに返したバーツ。
そして、続けさまに…少しかっこつけたような様子で、こう言ってのけた。
「さぁて…ジャパニーズボーイには随分華を持たせてやったしな…
 そろそろオレ様の腕前を見てもらおうか!!」
「バ、バーツさん!?」

次の瞬間、バーツはGファルコンの機体を一気に旋回させると
アシュタロンが迫る方向にその機首を向け、最大出力でGファルコンの拡散ビーム砲を放つ。
「……甘いよッ!」
ジェシカはそう言うと、またも空中で機体を急速に変形させ
サエンからの射撃をかわした時と同じように、その攻撃を避けて見せた。
しかし、バーツにもそれはわかっていた事。そこにさらに続けて、Gファルコンに残されていた
ミサイルの全てを吐き出させ、アシュタロンに向け解放した。
「………クッ!」
射撃戦にしては近すぎる間合い…それに加え変形して攻撃を回避した直後だ。
流石のジェシカもこれは避け切れない。アシュタロンの周りを爆発と爆煙が包み込む。
…だが、それだけだった。
「…この程度か!?」
ジェシカがそう言うと同時に、爆煙を切り裂くように、モビルアーマー形態へと変形していたアシュタロンが
アトミックシザースを構え、猛スピードでGファルコンへと迫る。
「…やっぱり効いてないってかい!? これだからガンダムタイプは嫌んなる!!」
そう毒づきながら、ギリギリの所で機体を操作し、Gファルコンとアシュタロンをすれ違わせるようにして
なんとかその攻撃を回避するバーツ。
しかし、すれ違いザマ…Gファルコンの機体装甲の一部を、アシュタロンのアトミックシザースが抉るようにして
破壊していた。空中で姿勢を乱すGファルコン…その機体を力任せに制御しながら、バーツが呟く。
「チクショウ! …死神の野郎がドアをノックしてやがるぜ!」



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