やっぱり大人は嘘吐きだ



トリッシュ「あのハルトって人、家庭があんだって?」
ギルバート「確かそんなハナシを聞いたけどなぁ! がはははッ!」
カル「そうなんだ…」
シャノン「…………」
カル(…あれ、なんだろう…
   シャノンさん…今ちょっと、悲しそうな目をしてたような…)


シャノン「…………」
カル「あの…もし失礼じゃなければでいいんですが」
シャノン「…何だ?」
カル「シャノンさんは…結婚とかはしなかったんですか?」
シャノン「……知りたいか?
     いいだろ、お前にだけ教えてやるよ…」
カル「あ、ありがとうございます…」
シャノン「………アタシだって、昔は女らしい所もあったさ。
     普通に恋をして、普通に結婚して…普通に子供を生んで
     普通に……家庭を持ってた」
カル「へぇ…」
シャノン「でもね…戦争ってのは残酷なモンでさ…
     …一瞬で吹き飛ばしちまった。アタシの家族も、何もかも…」
カル「え…」
シャノン「アタシの顔にこんな傷が付いたのも…
     アタシがこんな、女を捨てた生き方を選んだのもね……全てはその日からさ…」
カル「そ、そんな事が…」
シャノン「……もしあの子が、今も生きてたら…
     …アンタやパメラよりも、だーいぶ年下…くらいのガキになってたのかもな?
     合わせてやりたかったよ…」
カル「ご…ごめんなさいシャノンさん、辛い事を思い出させちゃって…」
シャノン「いいさ……」

カル「………」
シャノン「…だって嘘だからな」
カル「…えぇ!?」
シャノン「ったく、アタシがそんなトシに見えたってかい? しゃらくさいねぇ…」
カル「いや、あのその…
   と、というより、なんでそんな嘘を!?」
シャノン「だから前も言ったろ…そのキョトンとした顔が見たいからだって」
カル(もう何が本当で何が嘘かわからない…)