【今日のコロニー。 】軍の犬氏
第4話【デスしすノート】
U.C.M0079 スペースコロニー『nice boat.』
始めまして!僕の名前はルーク・ルザート!
……ん?何?今回はタイトルからしてシスちゃんの話じゃないのかって?
残念!主人公はこの僕!ルーク・ルザートだ!
…あ!こら!閉じるな!…え?誰だお前は?思い出せない…?
…永遠の脇役とか言うなァ!!
ここはコロニー内にあるシスちゃんのお家。僕はここで家政婦のバイトをしている。
と言ってもまあ、親戚のおばちゃんの頼みで、ご近所の家の手伝いをして
ちょっとした小遣い稼ぎをしてるだけの話なのだが…
「シスちゃーん!お部屋の掃除するよー!」
ドアを開けて部屋に入ると、部屋の主であるシス・ミッドウィルが慌てて何かを隠した。
「…ノック…」
「ああ、ごめん……シスちゃん、それ何?今隠したの」
確かノートみたいなものが見えたような…
「これは見たら駄目なもの…もし見たら……」
「見たら?」
「手の爪を一枚づつ剥が……」
「うわあストップストップ!?生々しいよシスちゃん!?」
膨れっ面のシスちゃんを部屋から追い出し掃除を始める。
シスちゃんは最後までこっちをにらんで威嚇していた。
「ふー…あの子ももうちょっと愛想良くなんないかなー…」
ぶつくさ文句を言いながら掃除機をかける。
それにしても、ここは本当に女の子の部屋なのか…?
なんとも殺風景だが…あれは?
「ガンプラだよ…こういうのはちゃんとケースにでもしまってくれないと埃が溜まって…」
こっちはなんだ?メガネ?…名前が…
「…G・I……やめとこう…」
それからこの引き出しからはみ出してんのはなんだ?
「…血のついた…包帯………スルー!スルー!」
カタッ
「…お?これって例のノートか…?…ちょっとだけなら…」
どうやら日記らしい。なるほど、だから見られたくなかったのか…
そう思って直そうとしたが、ある文章が目に飛び込んできた。
「ふろーれんす?同じクラスのキリシマのことか?」
どうやらそうらしい、続きを読んでみる。
「ふろーれんすが おにいちゃんに けりいれてた ころす」
「えりすが ふろーれんすといっしょに おにーちゃんを むししてた けす」
「えりすが おにーちゃんに いろめつかった やく」
……最後に物騒な一言が付けられてるが…どうやらシスちゃんは
この『おにーちゃん』に懐いているようだ。何者だ?
うちのクラス…か?
「おにーちゃんと ぷらもをつくった ぷり○ゅあごっこもした
わたしが くろで おにーちゃんが しろだった」
…何やってんだこの男は…?しかし仲がいいのは分かる。
あのシスちゃんと仲良くできるなんて…まさかやばい趣味の奴じゃないだろうな…
ガチャ!
「!?」
シスちゃんが帰ってきた!?まずい!ノートを!!!
「あ…!ノート!」
…みつかった…まさか…生爪…?
「う…よ…読まないでって…言ったのに…」
「ご、ごめんごめん!シスちゃん!」
「…爪…」
「…………冗談…だよね?」
ぎゃーーーーーーーーーーーーーー
「あ、シスちゃんこんにちわ!…口の回り汚れてるよ?」
「ぁ…おにーちゃん…」
「女の子はキレイにしなきゃ駄目だよ…?」
「う…うん…おにーちゃん…なんでビショビショなの…?」
「あはは…キリシマに突き飛ばされた先が人口河でさ…」
「また…フローレンス……いつか斬る…」
「ん?何か言った?…さて…今日は暇だし、公園でも行こうか?」
「うん…シェルドおにーちゃん…」
そのころルークは
「よかった…甘党で…本当によかった…」
シスをチョコレートで買収して助かっていた。
U.C.M0079 今日も宇宙は平和です。