最終篇E 〜宇宙、閃光の果てに…〜
「来たぜ、来たぜ、来たぜ!」
ガンダム4号機のコクピットでは、ギルバート・タイラーがヅダ機を認識していた。
スティックを握る彼のところに通信音声が入る。
『ギルバート!何度も言うが、チャンスは一回っきりだ』
「分かってますぜ!ルナ艦長!」
『必ず、いいか必ずヅダ機の重心に当てろ!少しでも重心からずれたら、ヅダはビームに弾き飛ばされるだけで終わりだ!』
「了解ぃ!」
『ヅダ機!Iフィールド展開完了!』
マークの音声が、ギルバートのところへ届く。
「最低威力だが、それでも半端ねぇぞ!衝撃に備えておけよ!」
『了解!ギルバート!』
「何だ!?」
『無事に終わったら、ちゃんとソニア・ヘインに告白しろよ!』
「かっ…!」
そこでギルバートの顔が赤くなる。
「余計なお世話だ!このド阿呆!」
『え?そうだったんですか!』
アヤカの声までが聞こえた。
『…今の音声は、艦内中に流れたぞ』
ルナ艦長が呆れたように呟いた。
『あーぁ…知らないっと…』
ジュナスの声も入ってきた。
「てめぇら!絶対、後でぶっ飛ばす!ぶっ飛ばすからなぁ!」
『お手柔らかにぶっ飛ばしてくれ』
「何でそんなに余裕なんだマーク!」
『無駄話はそこらへんで止めておけ』
『秒読み入ります!ヅダ、射程まであと10、9、8、7、6…』
「吼えろ!G04!!貴様の魂を見せてみろ!」
『5、4、3、2…』
「メガ・ビームランチャー!照射ァ!」
一筋の光が、ヅダ目掛けて、走った。
「来るぞ!ジュナス!衝撃に備えろ!」
「はい!」
ガンダム4号機から発射された、光は、無事、ヅダの重心を捉えた。
ヅダは、Iフィールドでビームの威力を弾きながら、その勢いに乗って、パメラ・スミスの遭難点へと…。
「帰って来い…必ず…帰って来いよ…」
エネルギーの許す限りビームを打ち続けながら、ギルバートは、そう呟き続けていた。
パメラ・スミスが、大気圏に落ちるまで40分。
司令室での救出作戦会議と、オプションパーツ取り付けの時間を合わせて、約15分。
タイムリミットは、あと、25分。