第十回【脅威!スポンサーの黒い影!】
助手:???
料理:チョコ
ブラッド「ククク…ついに我がコーナーも十回目か…めでたいことだなッ!」
ラ「そうですね…それに記念すべき十回目がバレンタインデーというのも凄い偶然ですね。
本来は昨日も料理教室をやる予定でそれが十回目になる予定だったんですけど、何で中止になったんですか?」
ブラッド「ククク…昨日はバレンタインデー前日な上に13日の金曜日だったからな。
艦内の女どもへのチョコレート作り講習と、悪仲間とのジェイソン映画鑑賞会に忙しくて
とても料理教室どころでは無かったのだッ!ククク、人気者は大変なのだよ!」
ラ「前者はともかくジェイソン映画鑑賞会って…
ていうかブラッドさんチョコ作り講習もやってたんですね。ちょっと意外です…」
ブラッド「ククク、いい小遣い稼ぎになるぞ? なにしろ一回の講習で4000円の報酬が出るからな!」
ラ「私の今までの料理教室の給料の合計より多いじゃないですか! なんとも労働意欲の削がれる話ですね…
…ところで今回の料理品目はやっぱりチョコを使った料理なんですか?バレンタインデーですし…」
ブラッド「そうだな…そうしても良いんだが、前回ジェシカがチョコケーキを作ったばかりだし
あまり連続で同じ系統の料理を紹介するのもな…
そもそもチョコは昨日嫌と言うほど料理した故もう見たくもないというのが本音だ…」
ラ「チョコを使わないならスポンサーが料理に使うようにと送ってきた大量のチョコが無駄になってしまいますが…」
ブラッド「何だと!?そんなことは聞いていないぞ!
そもそもこの番組にスポンサーなぞいたのか…誰だそんな無粋なゴミは!」
ラ「えっと、ネオホンコンのウォン・ユンファさんから、ということです。」
ブラッド「ああ…そんなのもいたな…しかしよりによって何て連中にスポンサードされているのだこの番組は…
DG細胞でも混ざってはいないだろうなそのチョコ…」
ラ「大丈夫だと思いますけど…」
ブラッド「…そもそもスポンサーを必要とする程金を使ってるかこの番組?」
ラ「今までかなりキツキツでやってきたと思ってましたが…」
ブラッド「金が全て軍資金に流されてる気がしてならないぞッ!
というかスポンサードされているというのにCMも何も全く流していないぞ…
あとで訴えられるのではないかこの番組…」
ラ「有り得ますね…私もスポンサーがいるなんて今始めて知りました。
訴訟を起こされないためにも、スポンサーさんには少しでもゴマをす…恩を返していった方がいいでしょうね。
とにかく食材まで送ってくれたウォンさんのご好意には応えないと…」
ブラッド「ク…この大量のチョコを使い切れと言うのか!出資者は無理難題を仰る…
同じ出資者でもウォンならZのウォンのがまだマシだったな!」
ラ「もっと前から送られていればおすそ分けで量を減らす事もできたんですけどね…」
ブラッド「全くこんな大量に送りつけられてどうしろというのだ!ただでさえチョコ料理への意欲がかつて無いほど
落ちていると言うのに!もうやめだ!ワタシは帰るぞ!」
ラ「そんな、待ってください!」
ブラッド「待てと言われて待つ悪党がいるか!では今回はこの辺でな!」
???「それはちょっと困りますねえ。
料理人が料理を放棄するとは感心しませんな…」
ブラッド「キ、キサマは!」
ブラッド「…誰だ? ラ、キサマこいつを知っているか!?」
???「私ですよ!忘れたのですか?」
ラ「ブラッドさん、その人がスポンサーのウォン・ユンファさんですよ!」
ウォン「そうだ!今の私はGジェネ時空により蘇ったグレートネオスピリッツ・ウォンだぁ!」
ラ(またこういうテンションの人か…)
ブラッド「…そうか、こんな顔だったなウォンというのは。また懲りずに復活したのか…」
ウォン「私の野望は潰えませんよ!さぁブラッド先生、この私のために最高のチョコレート料理を作るのです!」
ブラッド「ええい黙れ!頼んでもいないのに勝手にスポンサーになどなりおって!」
ラ「ブ、ブラッドさん!ウォンさんはスポンサーさんなんですから…」
ウォン「そうです。言葉遣いには気をつけて欲しいものですな。」
ブラッド「うるさい!…キサマなど登場して誰が喜ぶというのだ!オリキャラ以外の原作キャラ初登場がキサマとはどういうことだ!
微妙すぎるだろゴミがッ!」
ラ「一応第一回にグレミーさんが出てるんですけどね…」
ウォン「…御託はそれくらいにしてそろそろ調理を開始して欲しいものですな、ブラッド先生?」
ブラッド「うるさい!何故バレンタインにキサマなんぞのためにチョコなど作ってやらねばならんのだ!
ワタシは作らんぞゴミが!」
ウォン「仕方ありませんね…」
ブラッド「何だそのスイッチは…グオッ!」
ウォン「フフフ…バーサーカーシステムをベースに開発した料理人操作装置ですよ…
これを使ってよく料理人にポッキーを作らせたものです…」
ラ「ポッキーくらい普通に買ってくださいよ…一国の首相なんですから。」
ウォン「さぁブラッド先生!早速調理に取り掛かるのです!」
ブラッド「ガルルルルル…」
ラ「ま、まんまバーサーカーシステムじゃないですか…
(でもわがままなブラッドさんに言う事を聞かせられる装置は便利かも…)」
ウォン「さぁ、まずはこの大量のチョコレートを専用のウォルターガンダム型容器に入れて湯煎するのです!」
ラ「わ、いつの間にこんなの持ち込んだんですか!?随分大きいですね…」
ウォン「チョコのためなら設備投資は惜しみませんよ!」
ブラッド「ガルルルル…(作業中)」
ウォン「では次です!より美しい形状にするために専用の型を用意しました!
さぁ、溶かしたチョコをこの型に流し込むのだデビルブラッドよ!」
ラ「で、デビルブラッド!?」
ウォン「今名付けたのですよ。いい名前でしょう?」
ラ「は、はぁ…」
ブラッド「ガルルル…ゴミガ…グアアア!」
ラ「あの、微妙に素が出始めてきてるんですけど…」
ウォン「考えすぎですよ。次は固め作業です!これも専用の冷却機を用意しましたよ!
DG細胞の力によりチョコの状態に合わせて温度が変化する優れものです!」
ラ「こんなことのためにそんな危ない技術を…」
ウォン「さぁ、後は固まるのを待ち、固まったら型を外せば完成です!楽しみですねぇ…」
ラ「そ、そうですね。しかし今回料理技術としては特別なことはしていませんけど、ブラッドさんを
料理人に選んだ理由は何かあるんですか?」
ウォン「…特にありませんが、やはり作らせるからにはある程度腕のある人の方が安心でしょう?」
ブラッド「ガルル…ク…ゴミガ…ゴミガ…」
ウォン「おや、効果が弱まっていますね。ポチッと…」
ブラッド「グアアアアア!」
ラ「これはひどい…」
数分後…
ラ(なんか完全にウォン首相の料理教室になっているような…
家庭で再現できるような料理でもないし本当に誰が得するんだろ今回…)
ウォン「どうやら固まったようです!さぁ、型を慎重に取り外すのだデビルブラッドよ!」
ブラッド「ガル…」
ラ「なんだか可哀想になってきました…」
ウォン「今まで横暴な料理教室をしていたツケを払っているのですよ。あなたも色々と苦労をさせられてきたのでしょう?」
ラ「それはそうですけど…というかウォンさんも今までの放送見てたんですね。
…それにしても、このチョコ凄い事に…なってますね…」
ウォン「凄いでしょう!ネオホンコンの型職人を総動員して作らせたデビルガンダム型チョコです!
この完璧な造型、ホビージャ○ンや電○ホビーも真っ青でしょう!」
ラ「た、確かに凄いですけど…とんでもない自己満足の世界ですね…」
ウォン「…あ、こらブラッド!もっと慎重に外さないと壊れるだろうが!」
ブラッド「…」
ウォン「何だその反抗的な態度は!バーサーカー料理人システムフルパワーだ!」
ブラッド「…グアア…ゴミガ…この…ゴミがぁぁぁぁぁぁ!!」
ウォン「な、何、操作が効かない!?」
ブラッド「ククク…もう…その装置は効かんぞゴミがァ…」
ウォン「こ、こんなはずは…このシステムは完璧なはず!何故だ!なぜ効かん!」
ブラッド「ククク…わかるまい…料理人を道具としているキサマには!ワタシの体を通して出る力がッ!
今なら怒りのスーパーモードも使える気がするぞッ!ここからいなくなるがいいッ!」
ウォン「うわぁ!く、くるなぁ!」
ラ「あぁ、やめてくださいブラッドさん!そっちに行くと…」
ガシャァァァン…
ラ「ああ、デビルガンダムチョコが…粉々に…」
ウォン「痛たた…ああ、何ということを!」
ブラッド「クククク…ワタシをなめるからこういうことになるのだッ!
…しかし少し勿体無いことをしたな。」
ウォン「全くです!あぁ、我がネオホンコンの技術の結晶が…チョコが…
…こんなことをするお人だとは思っていませんでしたよ…ブラッド先生!
もう二度とスポンサーなぞやりませんし不要MSも買い取りませんからね!」
ブラッド「最初からスポンサーなぞ望んでいなかったわ!そして不要機体買取は違うゲームだろうがッ!
もうわかったからさっさと消えろ!
人の料理教室を占領するゴミは馬に蹴られて地獄に落ちろッ!」
ウォン「トラウマなセリフを…もう帰らせていただきます!二度と来ませんからね!」
ブラッド「ゴミが!消えろ消えろ!」
ラ「あぁ、貴重なスポンサーが…」
…
ブラッド「全く酷い目にあったな…これなら最初からチョコ料理でもしていた方がマシだった…」
ラ「本当ですね…しかし最近こんなオチばっかりですね。
もっと円満に終われないものでしょうか?」
ブラッド「ワタシの性格上、それは無理な相談だな!
しかしこの砕けた大量のチョコはどうするかな…
…よし、艦内のチョコを貰えそうもない連中のためにワタシがチョコを作ってやるか!」
ラ「…ブラッドさん、前も似たような事を言ったような気がするのですが、床に落ちたものは食材として使っちゃダメですよ…」
ブラッド「ククク、いいではないか!食べるのは仮にも軍人達だ…この程度で腹を壊したりするはずもあるまい!」
ラ「そういう問題じゃないでしょ…それにしても元気ですねぇ。あんなに操られてケンカまでやったのに…」
ブラッド「ククク…気の進む料理の時のための体力は残してある!さぁ、さっそく調理開始だ!」
ラ「はいはい…では視聴者の皆さんとはここでお別れです。毎回毎回お粗末な放送で本当にすみません…」