第二十六回【凶悪!? 最新ペットロボット事情!】
料理:海鮮サラダ
助手:改造ハロ
ドク「うぁぁぁぁッ!! ペットが飼いてぇぇぇよぉぉな気がぁぁぁ!!
するかもしんないかぁぁもぉぉぉ!!」
ブラッド「……急に何を言い出すのだキサマは。」
ドク「こないだぁぁぁ!! テレビでペットの番組やっててよぉぉぉぉ!!
あんまりかわいかったからぁぁぁ…
なんだかとっても飼いたい感じぃぃぃぃ!!」
ブラッド「…ゴミが、下らん番組なぞに影響されおって…」
ドク「なぁぁブラッドぉぉぉ!! ここってペット飼っちまっていいのかなぁぁぁ!?
犬とか猫とかぁぁぁぁ! いいよなぁぁぁ!!」
ブラッド「……いいわけがあるかッ! 仮にも軍隊だぞ…
…そもそも、ペットなぞ飼ったところで何の得があるというのだ?」
ドク「癒しだってよいぃぃやぁぁしぃぃぃ!!
かわいくていいじゃねぇぇかよぉぉぉ!!」
ブラッド「『可愛い』だと? 解せんな…
…ともかくだ! 我が部隊に畜生など養っておくほどの余裕なぞ無い!
諦めるのだな……」
ドク「やぁぁぁだぁぁぁ!! ぜってぇぇぇに飼う飼うぅぅぅ!!
飼って飼ってぇ、飼いまくるぅぅぅぅ!!」
ブラッド「ええい、面倒な……
冷静に考えて見ろドク……動物などは所詮会話もできん、意思疎通すら満足にできんゴミだ…
…そしてヤツらは我々人間に比べ、極端に寿命も短いのだ…」
ドク「じゅみぉぉぉ!?」
ブラッド「つまりは死ぬということだ…… ペットとの死別は相当な精神的苦痛がともなうと聞く。
クククク…キサマに耐えられるのか?」
ドク「し、死んじまうのかぁぁ…」
ブラッド「フン、当然な……
…そもそも動物の世話は大変なのだ、キサマごときにできるものか…」
ドク「で、できるぅぅぅ!!
…かもぉぉ…しんないかもぉぉぉ…」
ブラッド「クククク、その程度の覚悟では無理だな…
…そして最も厄介なのが衛生面の問題だ。
調理室によく出入りするキサマに……もし獣の保有する雑菌でも付着していたら
それが原因で食中毒を発生させてしまうかもしれん!」
ドク「こんな時にもりょぉぉりの心配かぁぁぁ!?」
ブラッド「調理担当としては当然せねばならん心配だッ!
…それに糞尿のこともあるぞ。重力下ならともかく…宇宙空間の無重力状態でケダモノどもの出した
排泄物がどういうことになるか……想像するに恐ろしい話だ…」
ドク「うぁぁぁぁ!! 汚ねぇぇよぉぉぉ!!」
ブラッド「…まぁ、とにかく動物を飼うなどというのは無理だ! 諦めるのだな…」
ドク「ちくしょぉぉぉ…つまんねぇぞぉぉ…」
ブラッド「……だが、一つだけそれらの面倒事を背負わずに済み、かつこの隊でも
正式に飼育が許可されているものがある…」
ドク「マジかぁぁぁぁ!! じゃあぁそれ飼うぅぅぅぅ!!」
…
ニードル「で、ドクにハロ飼わせたってわけかァ!
うまく丸め込みやがったなァ! ヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
ブラッド「…全く、ヤツ自体が動物のようなものだからな…
これ以上面倒事を持ち込まれてはたまらん、ヤツにはあれで十分だ!」
コロコロ…
ハロ「ハロ! ハロ!」
ニードル「ん、何だこりゃあァ! ハロじゃねぇか。」
ブラッド「…ドクのハロか?
早速こんな所に放っておくとは、どうしようもないゴミだな…」
ハロ「ブッコワス! ブッコワス!」
ニードル「あァ? このハロ言語パターンおかしくねぇか?
こんなセリフ登録されてねーハズだけどなァ。」
ブラッド「…何だ、キサマハロについて知っているのか?」
ニードル「ちょっと改造にハマってた時期があってよォ…」
ガン!
ニードル「い、いてぇ!」
ブラッド「バ、バカな……ハロが攻撃してきただと!?」
ニードル「…このヤロ、スネにまともに当たりやがった…チクショウがッ!」
ハロ「当タルトイテェゾ! イテェゾ!」
ニードル「当ててから言いやがって! ぶっ壊されてぇのか!? あァ!?」
ハロ「ヒャッハッハ! ヒャハハ!」
ブラッド「何だこのハロは……ドクのセリフを引用している……?」
ドク「ヒャアーハッハァー!! どぉぉだオレのハロはぁぁぁ!!」
ニードル「ドク! テメェかこのハロ改造したのはッ!」
ドク「ハッハァー、違ぇよぉぉぉ!!
コイツはぁぁぁ…ライルに頼んでぇぇ、改造してもらったんだよぉぉぉ!!」
ブラッド「…あのゴミか、相変わらず暇な…」
ニードル「何でもいいが謝れよォ! テメェのハロがやったんだろ!
ミンチにされてぇか!? あァ!?」
ドク「知らねぇぇよぉぉぉ!! 文句言うならぁぁぁ!
かいぞぉぉしたライルに言ってちょうだぁぁぁい!」
ニードル「ケッ、ざけやがってッ!
ライルのヤツに文句言いに行くぞ、付いて来やがれェ!」
ブラッド「フン、いいだろう……」
ハロ「ムダ! ムダ! ムダァ!!」
ニードル「うるせぇ!!」
〜中略〜
ニードル「おいライルテメェ! ハロにどーゆー改造してやがんだよッ!
あんな凶悪なAIどこで仕入れやがったァ!?」
ライル「凶悪なAI? おかしいですねェ、そんなものは仕込んだ覚えはないんですが…」
ニードル「現にオレのスネがやられてんだよッ!」
ブラッド「…セリフも完全にドクの言動をトレースしていたぞ。
アレは市販のハロとは違うな……?」
ライル「そうですね、ベースは市販ですけど改造はしました。
ただの市販のハロじゃペットの代わりとしちゃ味気ないですからね、ちょっとぐらいの
改造はしてあげようかと…」
ニードル「どこがちょっとだよッ! 凶暴すぎるだろォ!」
ライル「いやですねェ…学習型のAIを仕込んだんですよ、ハロに。」
ニードル「学習型AIだァ…?」
ライル「そうです、学習型AIですよ! 第一世代AI学習機能が余ってましてね。
それをベースに改造したAIを搭載しまして。飼い主の言動、行動を観察して
それに合わせた成長をするハロになってるんですよ。
凶暴だったというのは、多分ドクさんに合わせた成長をしちゃったからじゃないかな…」
ニードル「ケッ、そういうことかよ!」
ブラッド「……なんのことやら今一つわからんが…
ともかく…ドクの言動をトレースしていた理由はわかったな…」
ニードル「にしても上手いこと作りやがったなァ…
…おいライル! このハロの作り方教えやがれッ!」
ライル「ニードルさんも作るんですか? 手伝いますよ。」
ニードル「ありがてぇ! ヒャヒャヒャ、コイツはいい暇潰しになりそうだぜェ!
ブラッド、テメェもやるかァ!?」
ブラッド「……下らん、そんなものに付き合ってられるか…」
ニードル「チッ、付き合いの悪ィヤツだなァ…
まぁいいけどなッ! ライル、さっさと作っちまおうぜェ!」
ライル「はい! まずはベースですが…」
ブラッド「……全く、整備バカは手に負えんな。」
〜数日後〜
ガン!
ドク「いてぇぇぇスネがぁぁぁ!! 何すんだぁぁぁ!?」
赤ハロ「ヒャヒャヒャ! ヒャヒャヒャ!」
ドク「な、なぁぁんだこの赤いハロはよぉぉぉ!?」
ニードル「ヒャッヒャヒャヒャ、ざまぁ見ろドクゥ!
学習型ハロはテメェのだけじゃねぇんだよ! ヒャヒャヒャ!」
ドク「オマエのハロかよぉぉぉ…
このぉぉ、ハロぉ! あんなハロぶっ壊してやぁぁれぇぇ!!」
ニードル「面白ェ! オレのハロに勝てると思ってんのかァ!? ヒャヒャヒャヒャ!!
赤ハロ! 返り討ちにしてやんなッ!」
赤ハロ「ヒャヒャ! ズタズタ! バラバラ!」
ハロ「オドレ! オドレ! 死ヌマデ踊レ!」
ガン!
ライル「あぁダメですよ、もっと大事に扱わないと…」
ニードル「いいじゃねぇかッ!」
ライル「ダメですって…」
ドク「今だぁぁぁ!! やっちまえハロぉぉぉ!!」
ライル「だから戦闘用じゃないんだから…」
ブラッド「………ライル。」
ライル「は、はい、何ですかブラッドさん。」
ブラッド「あのハロ…ワタシの分も作ってくれぬかな?
それも、あのゴミどものハロより学習能力の高いものをな…」
ライル「は、はぁ…」
〜さらに数日後〜
黒ハロ「ククク! ゴミガ!」
ブラッド「クククク…なんという学習能力だッ!
もはやワタシの口調を覚えたか…」
リコル「あれ、ブラッドさんどうしちゃったんですかハロなんか連れちゃって!
かわいいですね〜そのハロ!」
黒ハロ「ダマレ! ゴミガ!」
リコル「わわ、すっごくナマイキですぅ…」
ブラッド「クククク…ただのハロではないとわかったかね?
このハロはな……ライル特製のAIにより飼い主の性格に合わせた成長をするハロなのだ!
さっそくこのハロもワタシの口調から真似しだしている…」
リコル「へぇ〜。それはすごいですね!
いいな〜、私も欲しいな〜…」
〜さらに数日後、調理室〜
ブラッド「……最近、ハロが多くは無いか?」
リコル「そんなことは無いですよ〜。ね、ピンクちゃん!」
ピンクハロ「ソウデスゥ! デスゥ!」
ブラッド「……察しはついているぞ、キサマ改造ハロについて言いふらしたな…」
リコル「あちゃ〜、バレちゃいましたか!」
ブラッド「全く…どいつもこいつもがAI学習型ハロを欲しがって
ライルとニードルは過労死寸前だと聞いたぞ…」
リコル「そうなんですかぁ。私のはミンミちゃんに作ってもらったんですけどね!」
コルト「…オレも欲しくなってきたな。
00に狙撃を補助するハロがいたっていうだろ? そういうのが欲しいんだよな…」
ブラッド「フン、それをジムスナイパーにでも置く気か? 似合わんことだな…」
コルト「うるせぇな、案外似合うかもしれねーだろ?」
リコル「そうですね〜、マスコットとして気が休まるかも!」
ブラッド「騒がしいだけだ…」
パメラ「どうぞ、お茶です。」
リコル「あ、パメラちゃん気が利くぅ!」
ブラッド「…誰かと違ってな。
しかしキサマは何をしにきたのだ? もうすぐ料理教室の収録が始まるのだがな…
まさか自分のハロを自慢しに来ただけか…?」
リコル「違いますよ〜、今回はですね、せっかくハロが流行ってるので
特別な企画を料理の前にやっちゃおうかなって思いまして。」
ブラッド「特別企画の持込かね? バイス以来だな…」
パメラ「それで…どのような企画を?」
リコル「よくぞ聞いてくれましたぁ! 名付けて!
「学習型ハロ、飼い主当てクイズ!」ですぅ!」
コルト「…なんだそりゃ。」
リコル「この企画はですね〜。もう飼い主色にかなり染まっちゃった学習型ハロをお借りしてですねぇ。
そのハロの口調で、飼い主が誰か当ててもらっちゃおうっていうクイズ企画ですぅ!」
ブラッド「……成る程、下らんことを考え付くものだ…」
リコル「くだらなくないですよぉ! とりあえずやってみましょう!
きっと楽しいですよ!」
ブラッド「どうだかな……」
……
リコル「では一人目! これは誰のハロでしょー!?」
ハロ「ザコ! ザコ!」
ブラッド「……ニールのハロだな。」
リコル「ブラッドさん正解ですぅ! 早かったですね〜。
では次のハロですぅ!」
ハロ「ヒュー♪」
コルト「こりゃどう考えてもバイスだな…」
リコル「ロングショットさん正解ですぅ!
も〜、二人とも早すぎですよ! パメラちゃんにもチャンスあげないと!」
ブラッド「問題が簡単すぎるのだ…」
パメラ「リコル先輩、私には構わなくていいですから…」
リコル「そお? じゃあ次のハロに行きましょうか。」
ハロ「オホホホ! オホホホ!」
ブラッド「これは嫌なハロだな……キリシマ嬢か?」
リコル「残念、不正解ですぅ!」
ブラッド「な……しまった、ブランドの方か!?」
リコル「はい、そっちでしたぁ!
ダメですよブラッドさん、間違った人が正解出しちゃ!」
ブラッド「フン、すまなかったな…」
リコル「では気を取り直して次のハロですぅ!」
ハロ「…………」
コルト「何も喋んねぇな…」
パメラ「…もしかして、ルナさんですか?」
リコル「あ〜、パメラちゃん惜しい! でもいい線いってるよ!」
ブラッド「では……… そうか、オグマだな! ハロなど欲しがりそうな男には見えんが…」
リコル「残念、不正解ですぅ!」
ブラッド「バ、バカな…」
コルト「…ガイか?」
リコル「お〜、ロングショットさん正解ですぅ!」
ブラッド「…ガイがハロを欲しただと!? バカな…」
リコル「意外なこともあるものですぅ!
では次のハロ!」
ハロ「ゴメンナサイ! ゴメンナサイ!」
ブラッド「……何だ、このハロは…」
パメラ「しきりに謝っているようですね…」
コルト「…こりゃエリスのだろ?」
リコル「不正解ですぅ!」
パメラ「もしかして……ラ先輩?」
リコル「パメラちゃん正解! よくわかったね〜。
多分この「ごめんなさい」は「痛かったらごめんなさい」のごめんなさいだと思いますぅ!」
コルト「ひっかけかよ…」
リコル「では次のハロに」
ブラッド「もう飽きたわッ! こんなものに一レス使いおって…
料理の時間が無くなるではないかッ!」
リコル「そうですかぁ…じゃあ、最後は残りを全部出しちゃいましょう!」
ブラッド「ま、待て…」
ハロ「シャラクセェ! シャラクセェ!」
ハロ「ジャクニクキョウショク! ジャクニクキョウショク!」
ハロ「ワカゾウ! ワカゾウ!」
ハロ「タマシイ! ユウジョウ! ヒッサツ!」
ブラッド「な…何だこの状況は…」
コルト「わ、わかったよ! ビリーにデニスにグレッグにアキラだろ!?」
リコル「お〜! 全員正解ですぅ! お見事!」
コルト「わかったから全部下げてくれよ! 騒がしすぎだよ!」
ハロ「ゴメンナサイ! ゴメンナサイ!」
ハロ「パメラチャン♪ オチャシナイ♪」
ハロ「ダマレ! ザコガ!」
ハロ「オマエガダマレ! ワカゾウ!」
パメラ「これはひどい…」
〜中略〜
ブラッド「さぁ、ゴミハロどもを片付けたところで調理開始だ…」
リコル「ブラッドさん、今回はもう尺も無いので久しぶりに
数行でパパッと終わらせちゃって下さい!」
ブラッド「ゴミが、誰の所為で尺が無くなったと……
そもそもキサマはいつまでいる気なのだ…?」
リコル「気にしないで下さい! では調理開始ですぅ!」
ブラッド「…まぁいいだろう。すぐに片付けてやる…
……しかし最近本題であるはずの料理の扱いがぞんざいではないか…?」
リコル「気のせいですぅ! ほら、はやくお料理しないと尺が〜!」
ブラッド「クッ……ではまずは今回の助手を紹介する!
今回の助手役はこの……ワタシ色に染まった学習型ハロだ!」
黒ハロ「サァ! ドウ料理シテホシイ!?」
パメラ「ハ、ハロですか?
ハロに料理ができるんでしょうか…?」
ブラッド「ワタシは知らんが、ドクの話によると00の世界では整備、狙撃補助など
多用途に渡ってハロが使われていると聞く……このハロは特に学習能力を強化させてあるからな!
調理もできんことは無いだろう……
…さぁ、では調理開始だッ! ハロよ、準備するがいい!」
黒ハロ「ダマレ! ゴミガ!」
ブラッド「な…キサマが黙れ! ゴミが!」
コルト「…このハロがダントツで可愛げがねぇよな…」
パメラ(それにしても、前回は気ぐるみで今度はハロ…
まともな助手役が来ることは無いの?)
ブラッド「ええい、ともかく材料の紹介だッ! さぁ!」
黒ハロ「ドウ料理シテホシイ!?」
料理品目:海鮮サラダ
材料
・あさり、たこの足、えび、貝柱等海鮮具材
・好みの野菜
・酒
・サラダ油
・しょうゆ
・にんにく
・中華ソース
・レモン汁
・酢
・ラー油・ごま油
・粗ずりごま
・こしょう
リコル「うわ〜、尺も無いのにこんなに材料使っちゃうんですかぁ?」
ブラッド「安心しろ…材料は多くとも行程は短い!
…まきで紹介していくぞ!
まずはサラダ油としょうゆを混ぜ合わせ…たこにふりかける!
あさりには酒を大さじ一杯分ふりかけ、ふたをしレンジで約一分半ほど暖め、貝の口が開くまで加熱する!
貝柱とえびにも酒大さじ一杯分ふりかけ……これもふたをしレンジ強で約一分程加熱しろ!」
黒ハロ「フン! コノ程度! タヤスイ!」
ブラッド「…ええい、手が届いてすらいないではないか!」
パメラ「やはり今回も無理なのでは…」
ブラッド「仕方あるまい…ワタシがやってやる!」
黒ハロ「ククク! 絶望ニ! オノノクガイイ!」
ブラッド「クッ…我がハロながら何というゴミハロだ…」
リコル「ブラッドさん! 尺! 尺ぅ!」
ブラッド「わかっておる! 次の行程だが…
…好みに用意した野菜に、サラダ油をふりかけ、混ぜ合わせろ!
それを内側ににんにくをこすりつけた容器に入れ、ふたをし野菜があたたかくなる程度までレンジで加熱するのだ!
そしてそこに全ての具材を加えて混ぜ合わせるッ! これで完成だ!」
パメラ「は、はやいですね…」
ブラッド「フン、この程度なら容易いものだ……」
リコル「全盛期なら本当に三、四行で終わってたんですけどね〜。
ブラッドさん、もしかして腕落ちましたぁ?」
ブラッド「……あのな…
…まぁいいだろう。ともかくさっさと食して締めるぞ!」
リコル「了解ですぅ! お疲れ様です!」
〜数日後〜
ブラッド「な……何だこの報告書の山は…」
ライル「これはですねェ…ブラッドさん達三連星のハロ達が起こした
問題の報告書ですよ。」
ニードル「これ全部かよッ! マジかァ…」
ライル「あの三機のハロ、徒党を組んでかなりの悪さをしてるみたいですよ…」
ドク「ぬぅあぁぁぁ!! なんか最近見ねぇって思ったらぁぁぁぁ!!」
ライル「停電させたり、人を襲ったりはまだいい方…
こないだなんかは三機でラ・ミラ・ルナさんを人質にして金品を要求してきましたよ。
…全く、ブラッドさんたち本人よりよっぽど悪いじゃないですか…」
ブラッド「それは聞き捨てならんな…」
ライル「とにかく、これは責任問題ですよ。僕達の…」
ブラッド「……待て、責任があるのはハロを改造したキサマとニードルだけであって
ワタシとドクには責任は無かろう?」
ドク「そぉぉぉだよぉぉぉ!!」
ニードル「な、テメェらァ…責任逃れかよッ!」
ライル「あぁ……これは非常にまずいよォ…」
ブラッド「……いい考えがあるぞライル。ゼノンの性格をコピーしたハロを作り
そのハロで全てのハロを統率すれば、全て丸く収まる! どうだ…」
ライル「ゼノン艦長の言うことをあまり聞いてないあなたがたに言われてもねぇ…」
ブラッド「クッ……」
〜翌日〜
ブラッド「……しかし、今回だけで何日経っているのだ…」
ライル「結局ハロは全機回収、始末書を数百枚書くという処分で落ち着きましたよ…
回収したハロは、もう二度と使われないであろうマッドアンクラーの食料庫に永久に放置されるそうです…」
ブラッド「残念だったな……」
ニードル「また始末書かよォ…ドクテメェ、読める字で書けよなァ。」
ドク「まっかせぇぇぇなさぁぁぁい!!
…でもぉぉぉ…ペットがいなくなっちまったぁぁぁぁ!!
さびしぃぃぃよぉぉぉぉ!!」
ブラッド「ゴミ虫が……まだ凝りとらんのか!
そもそもキサマがペットなぞ飼いたいと言い出すからこのようなことに……」
ドク「ラぁぁぁイルぅぅぅ!! 次のペットロボットくれよぉぉぉぉ!!」
ライル「次ですか、そうですねェ…」
ニードル「もうあるわけねーだろ! いい加減にしろドクッ!」
ライル「…ありますよ。一応…」
ドク「マジかぁぁぁぁぁ!!」
…
ニードル「……これかァ? ペットにしちゃデケぇが…」
ライル「そうです…」
ブラッド「随分と禍々しい風貌だが……これは何だ?」
ライル「僕も詳しくは知らないんですが……何でも00の世界の
オートマトンというロボットのコピー品のようです。」
ニードル「色んなモン取り寄せんだなウチの部隊はァ…」
ドク「うぉぉぉぉ!! コイツがペットロボかぁぁぁぁ!!
どうやったら動くのかなぁぁぁぁ!!」
ライル「これは…まぁ正確にはペットロボじゃないんですが。
このリモコンでモード選択ができるんですよ。」
ドク「マジかぁぁぁぁ!!
そんじゃまぁぁぁ、動かして動かして動かしまくぅぅるぅぅぅ!!」
ライル「まずは起動ボタンを押してください。」
ドク「おぉぉぉよぉぉぉ!!」
ヴン…
ニードル「オイ、目が光ったぞォ…」
ブラッド「赤い一つ目か……ますます禍々しい…」
ドク「おぉぉ!! コイツ動くぞぉぉぉぉ!!」
ライル「あとはモードを選択するだけですね。
取説によると、甘えん坊モード、一人遊びモード、睡眠モードなどがありますね。
一つだけ絶対に選択してはならないモードがありますので絶対に」
ドク「おぉぉぉ!! コイツがそぉぉぉかぁぁぁ!!」
ポチ!
ライル「ちょ、ちょっとぉ! 何で選択しちゃうんですかぁ!」
ブラッド「な、何だ……どういうモードなのだ?」
オートマトン『キルモード作動…
目標ノ殲滅ヲ最優先トスル…』
ブラッド「な……なんだ、何が起こっている…」
ニードル「キルモードって…ライルテメェ、コイツまさかッ!」
ライル「そうです! これは元々殲滅戦用の対人兵器でした!」
バババババ!!
ドク「いてぇぇぇぇ!! なんだこりゃぁぁぁぁ!!」
ライル「よ、良かった、弾は訓練用のゴム弾に変えられてますねェ。」
ニードル「何の訓練だよッ!?」
ドク「ゴムでも当たるといてぇぇぞぉぉぉ!! にぃぃげろぉぉぉ!!」
ライル「うわわ、ボタン操作が効かない!? どうなってんの!?」
ニードル「欠陥品じゃねぇかァ!!」
ドク「ヅダよりひでぇぇぇ!!
ジオニックのいんぼぉぉだぁぁぁ!!」
ブラッド「…ええい、どうするのだライル!!」
ライル「バッテリーが切れるまで……待つしか無いですねェ…」
ニードル「何だそりゃあッ!!」
バババババ!!
ドク「くぅあぁぁぁぁ!! 刻が見えるよぉぉぉな気がぁぁぁぁぁ!!
するかもしんないかもぉぉぉぉ!!」
ブラッド「ク、何というオチだ!
…では視聴者よ、今回はここまでだ! 次回も見逃すなよ!
………この状況からワタシが生き延びれればの話だがなッ!!」