番外編【閲覧注意! 害虫駆除野郎Bチーム!】
ブーン…
リコル「ん〜…先輩、最近虫さんがちょっと多くありません?」
ラ「…この間ね、ドクさんがジャブローでMAのレベル上げしてたのよ。アプサラス狩りとか言って…
その時に艦内に入り込んじゃったんじゃないかな。」
リコル「あ〜、それでですかぁ。
ちゃんと処理してくれないとダメですよね〜。」
ラ「本当よ! 何でこんな虫だらけの職場で働かなくちゃいけないのよ…」
リコル「あれ? 先輩って虫さんダメな人ですか?」
ラ「当たり前でしょ、あんな気持ち悪いの…」
リコル「へぇ〜、意外ですぅ。」
ラ「意外…? 何で?」
リコル「だってさっきから肩に芋虫さん乗っけてるじゃないですか!
もしかしたら先輩のペットかなって思って…」
ラ「か、肩に芋虫って…い、いやぁぁぁ!!
とってぇ! お願いとってぇぇ!!」
リコル「ちょ、ちょっと先輩、こっちにこないで下さいよ〜!」
…
コルト「…何か騒がしいな、おい。」
パメラ「艦内が虫だらけですから…冷静でいられないのも無理は無いですよ…」
コルト「そんなもんかよ。」
パメラ「……コルトさんは、虫は大丈夫なんですか…?」
コルト「スナイパーやってりゃ虫なんて慣れっこだよ。森林地帯なんかメインカメラにも貼り尽いてくるし
下手すりゃコクピットにまで入ってくるしな。今更どうってこたねぇが…
…何だ、お前は虫嫌いか?」
パメラ「はい、すごく…」
コルト「そりゃ辛ぇだろーな… ま、安心しとけ。
ルロイから聞いた話だけどよ、何でも今回はあんまり多すぎるってんで
害虫駆除のスペシャリストに駆除を依頼したって話だぜ。」
パメラ「スペシャリスト? 業者でしょうか…?」
コルト「そこまでは知らねーけどな……何とかはなるんだろうぜ。
んなことより今日撮影だったよな? さっさと行こうぜ。
遅れるとブラッドのヤローにどやされっからよ…」
パメラ「こんな状況でも料理教室はやるんですね…」
〜調理室前〜
コルト「…ん? 何だこりゃ?」
パメラ「調理室の看板に、上からシールが貼ってありますね…」
コルト「…あぁ、オレが最初に来たときは「司令室」って貼ってあったな…」
パメラ「……えっと…シールには「害虫被害対策本部」と書いてありますね…」
コルト「…………」
パメラ「…………」
コルト「…………」
パメラ「…………」
コルト「……帰るか?」
パメラ「そういうわけには…いかないと思います…」
コルト「チッ……行くしかねぇのか……」
〜調理室改め、「害虫被害対策本部」〜
ブラッド「クククク……うるさく飛び回るゴミ虫どもは早めに駆除せんとな!
久方ぶりに……我々に正式な任務の依頼が舞い込んできたぞッ!
キサマら、喜ぶがいい……」
グレッグ「へっへっへ…腕が鳴るぜ!」
デニス「こんな程度でオレらの出番か? この軍も随分とアマちゃん揃いになっちまったみてぇだな…」
ブラッド「クククク、そう言うな……
…連中が甘いからこそ、こうして我々に出番が訪れたのだからな!」
パメラ「あ、あの…」
ブラッド「ん? 何だパメラと…コルトか。
いいところに来たな…… いい機会だ、我々の戦いぶりを撮影しておくがいい…」
コルト「なんだよ戦いぶりってのは…」
パメラ「料理教室の撮影で来たのですが…」
ブラッド「フン、こんな状況で料理などできるものか……
…今回は料理教室は中止だ! その代わり視聴者どもには我々愚連隊の戦いをとくとご覧にいれよう…」
パメラ「戦いというと、まさか…?」
コルト「何だ? どういうことだよ…」
ブラッド「…そう! 我々こそが、このオリキャラ軍から選び抜かれた精鋭…
……害虫駆除のスペシャリスト集団、害虫駆除専門分隊だッ!」
コルト「害虫駆除のスペシャリストって…お前らかよ!?」
グレッグ「その通りだぜ! まぁ、ここはオレらに任せておくんだなァ…」
デニス「いい機会だ、アマチュアどもにプロの戦い方を見せてやる!」
パメラ(どうしよう、この人達知らない…)
ブラッド「……紹介がまだだったなパメラ。このむさ苦しい漢どもは…
…右からグレッグ・マイン。そしてデニス・ナパームだ……」
パメラ「は…はじめまして…」
デニス「挨拶などいい!」
グレッグ「おいブラッド、前置きはいいからさっさとおっぱじめようぜ!!
害虫どもの駆除をなぁ…」
ブラッド「クククク…いいだろう! では早速狩りに出かけるか…」
パメラ「(やだこの人達…怖い…)
あの、本当に…本当に害虫駆除の様子を撮影するんですか…?」
ブラッド「当然だ、我々の活躍はフィルムに残すだけの価値がある……
パメラ、キサマにも働いてもらうぞ? 害虫駆除の様子を視聴者にもわかりやすいように解説してもらおう…」
パメラ(そんな…)
コルト「おい待てよ、そんなの放送したって顰蹙買うだけだぞ…」
ブラッド「そんなことは放映してみなければわからん…
たまには誰にも目を向けられぬような…裏方の仕事を見ておくのもいいだろう。
陽の当たらん所からしか見えん現実もあるのだからな……」
デニス「ブラッド! 作戦開始はまだか!?」
ブラッド「……そう焦るな、次のレスから駆除を開始する…」
パメラ「しかしブラッドさん達、何故害虫駆除にここまでの情熱を…」
コルト「リストラキャラってのは仕事あんまりねぇからな。
旧作だってそんなにやっちゃもらえねーしよ…
…どんな仕事でも引き受けちまう気持ちはわからなくはねぇが、コイツらは…」
ブラッド「さぁ、総員準備はいいか!? 駆除を開始するぞ…」
グレッグ「おう!」
デニス「…おお!!」
パメラ「あ、あの…その右手の武器のようなものは…?」
ブラッド「何、見ていればわかる…」
パメラ「…な、何が始まるんです?」
デニス「第三次害虫駆除作戦だッ!」
パメラ「第三次…というと前にも?」
ブラッド「そう……以前も二度ほど、このようなことがあったのだ。
キサマがこの軍に編入される以前、ZEROの頃とFの頃にな…
…その際、艦内の害虫駆除の為に結成されたのが我々、専門分隊という訳だ!」
デニス「前置きはいいと言っただろう、さっさと開始するぞ!」
ブラッド「フン、言われるまでもない…では、駆除を開始する!」
…
デニス「オレが追い込む! 密集した所を一気にカタをつけろ!」
グレッグ「言われるまでもねぇ、うおりゃあぁぁッ!!!!」
ブラッド「ククククッ! 絶望に慄くがいい!!」
バシッ! バシッ!
パメラ「……」
コルト「お、おい… スプレーとか使わねぇのかよ…」
デニス「そんな武器に頼ってるようじゃプロとは言えん!」
ブラッド「フン…戦艦の換気機能というものは決していいとは言えんからな。
機密性が重要となる万能艦なら尚更な…… スプレーなどを使っては後々の軍務に支障がでる!
…だからこそ、この状況では古くから伝わる駆除術「叩き潰し」が有効となる!」
グレッグ「そういうことだ…ヘッヘッへ、叩き潰してやるぜ!」
グチャ!
パメラ「…………」
ブラッド「パメラ、解説をしてくれぬかな?」
パメラ「は、はい…今、グレッグさんが、巨大かつ頑丈に作られたハエ叩きのような武器で
数匹の虫を………潰して………」
コルト「お、おい大丈夫かよ? 顔色悪いぞ…」
パメラ「あまり……大丈夫ではない…です…」
デニス「うろたえやがって…戦場では脅えたヤツから死んでいくんだぞ!」
コルト「いや戦場じゃねぇし…」
ブラッド「パメラには厳しくするなデニス、貴重な調理要因の一人だからな…」
デニス「ケッ…わかったぜ。だが覚えておけ!
弱肉強食……それが戦場の掟だ!」
パメラ「はぁ…(どういう意味…?)」
ブラッド「…この区画の敵はあらかた全滅させた様だな。
次の区画に移動するぞ……」
グレッグ「へっへっへ、他愛もねぇ敵だったなぁ!」
コルト「ちょっと待てよ、この…グチャグチャの…
虫の死体の山っつーかなんっつーか……どうすんだよ!」
ブラッド「そこまでの責任は持てんな、あくまで駆除までが任務だ…
死骸の後始末は後でレンタル兵にでもやらせる。安心しろ…」
パメラ(ひどい……)
デニス「わかったらさっさと次へ行くぞ!」
グレッグ「モタモタしてんじゃねぇぞ…」
コルト「…行きゃいいんだろ行きゃあ。おいお前…大丈夫…じゃねぇよな。」
パメラ「…………」
コルト「…悪ぃ、オレには言葉が見つからねぇ…」
〜次の区画〜
グレッグ「チッ、ここは敵機が随分多いみてぇだな…」
デニス「敵機の種類も多彩なようだな…だがこの程度でビビるのは甘ちゃんだけだッ!!」
ブラッド「その通り……
しかし、たかがゴミ虫とはいえ一匹一匹潰していくのはなかなか面倒だな…」
デニス「愚痴をこぼすんじゃねぇ、アマチュアじゃねぇんだからよ…」
コルト「何が敵機だよ、虫の種類が多いだけじゃねぇか…
……おいパメラ?」
パメラ「……もう嫌…」
コルト「お、おい…泣いちまったのかよ…」
ブラッド「……しようがないな。
パメラよ、虫だと思うから気味も悪いし怖くもなる…考え方を変えるのだ。
全て小型のアラナやアラナ・バタラだと思え、そうすれば気持ち悪くは無くなる…」
パメラ「無理です……」
ブラッド「……しかたあるまい、撤退を許可する……」
パメラ「あ…ありがとう……ございます……」
コルト「ったく、とんだことにつき合わされたよな。帰って忘れようぜ…」
ブラッド「……待て、コルトにはまだ帰っていいとは言っておらんぞ?
撮影者がいなくなれば、我々の戦いを後世に伝えることが不可能になるからな……」
コルト「…こんな戦い後世に伝えるなっつーの…
わかったよ、残りゃいいんだろ?」
グレッグ「その意気だ! それでこそ兵士ってもんよ…」
コルト「ったく、オレでも流石に気持ち悪ぃよ、この状況はよ…」
ブラッド「虫ケラどもめ、潰しても潰しても湧いてくる……
……ここまでのゴミ虫が艦内に入り込むとはな。
ドクか…? ドクの仕業か……?」
グレッグ「有り得るな…」
デニス「第二次作戦の時の原因もアイツだったからな…
ドクのヤツは何処にいやがる? 締め上げてやる…」
ブラッド「まぁ落ち着け……
……ヤツは別の艦に乗りザクレロのレベル上げ中だ、この艦にはいない…
レベルを60までは上げたいと言っていたしな… しばらくは戻らんだろう。」
デニス「ケッ…どうしようもねぇな…
だがこんだけ虫が多いんだ。ただ入ってきただけじゃねぇハズだ!
どこかに虫どもの拠点があるに違いねぇ。そこを叩く!」
ブラッド「成る程、発生源か……
……さては!」
グレッグ「心当たりでもあんのか?」
ブラッド「まぁな……」
〜中略〜
デニス「……ここがドクの部屋か…?」
グレッグ「羽音が扉越しに聞こえてきやがるぜ…」
ブラッド「あのゴミのことだ……ジャブローで珍しい虫でも見つけ、拾ってきたのだろう…
だがものぐさなドクだ、当然世話などする筈もない!
そしてゴミ虫どもはドクの部屋の喰いカスやジャンクフードのストックなどを喰い漁り
ここまでの規模となった………と言うのが、ワタシの推測だ。」
コルト「デビルガンダムみてぇな話だな…」
ブラッド「ともかく……この羽音だ。かなりの量のゴミ虫がいることは明らかなようだ…
……どうする。突入するかね?」
デニス「いや、敵の戦力を知るのが先だ!」
グレッグ「そうだな。とりあえず、ドア開けて中を見てみるか?」
ブラッド「……そうするか。では三秒後に開けるぞ…」
デニス「了解だ! 一、二、三……」
プシュー(ドアを開けた音)
……
………
プシュー(閉めた音)
コルト「おい、なんで閉めたんだよ?」
デニス「…………」
グレッグ「…………」
ブラッド「………予想以上だ…」
コルト「予想以上って、お前…」
ブラッド「元は白く塗装されているはずの壁が、全て黒くなっていた…
………つまり、部屋中を覆い尽くすほど大量のゴミ虫が湧いていたということだ…
とても叩き潰すことは愚か……科学兵器を用いても殲滅は難しい……」
グレッグ「大型の敵もいやがったな…」
デニス「こんな修羅場は久しぶりだぜ……」
コルト「き、気持ち悪ぃ……ど、どうすんだよ!?」
グレッグ「どうするっつってもな…」
ブラッド「……仕方あるまい、これだけは使いたくは無かったが…
…最終兵器を機動させるか。」
デニス「……アレを使う気か?」
ブラッド「辛い決断だがな……」
コルト「アレって何だよ!? 最終兵器って…」
ブラッド「キサマは黙っていろ……」
〜数時間後〜
ブラッド「クククク……ゼノンより、艦内でのバルサン使用の許可が下りたぞッ!!」
コルト「最終兵器ってバルサンかよ! 何だそりゃ!!
それ使うなら最初から使えよ!」
ブラッド「やかましいゴミが!
戦況の変化に応じ、使ってはならん兵器でも使わざるを得なくなる場合がある……」
デニス「オデッサの水爆のようにな!!」
グレッグ「ソーラ・レイやコロニーレーザーだってそうだ!」
ブラッド「ジャブローの自爆などもな……このバルサンも同じことだ!」
コルト「いや… たかがバルサンをそういうのと一緒にすんなよ…」
ブラッド「同じことだ、これを使えばこの艦は長くの間使用不可となる…
……ムダ話をしている暇は無いぞ、即刻乗員を退避させ
食料やOPなどの貴重品一切を一時キャリーベースに移す! モビルスーツもだ、急がせろ…」
デニス「よし、管制室に伝えてくるぜ!」
ブラッド「頼んだぞ……」
コルト「おい待てよ、そんな権利がお前にあるのかよ?」
ブラッド「…フン、今回ワタシには特殊作戦指揮官としての権限が」
コルト「またそれかよ!!」
〜さらに数時間後〜
ブラッド「………ついに艦内でバルサンが焚かれたか。」
デニス「…チッ、これでこの艦も長らく戦線からおさらばか。」
グレッグ「もったいねぇな…」
ブラッド「……ともかく、これでゴミ虫どもは一網打尽だな…」
コルト「つーことはやっと終わりかよ。長かったな…」
ブラッド「………まだだ。ゴミ虫どもの死骸を片付けねばな…」
コルト「そりゃレンタル兵にやらすんじゃなかったのかよ?」
ブラッド「断られた! 破格の給与を出すといったというのに、ゴミが!
他に仕事も無いくせにな…」
グレッグ「チッ、若造どもが…またオレが根性叩き直してならにゃな…」
コルト「いや、誰だって断ると思うけどな…」
ブラッド「ともかく、掃除はせねばな。総員、ノーマルスーツを着用しろ!
艦内の空気は完全に有害ガスで充満しているからな……コルトもだ!」
コルト「何だよ……後始末まで撮影すんのかよ!?」
ブラッド「そこまで含め我々の仕事だからな……では突入するぞ!」
デニス「おお!!」
グレッグ「おう!」
コルト「ホント嫌になるよ…」
〜艦内〜
ブラッド『…死骸の山だな。正に地獄絵図だ……』
コルト『パメラが見たら倒れんじゃねぇかな…』
デニス『ん、見ろ! あれは…』
ブラッド『バ、バカな…あの倒れているのは人間か!?』
グレッグ『逃げ遅れたヤツがいたのか…』
コルト『おい! やべぇぞ、はやく助けねぇと!!』
デニス『わかっている!!』
コルト『あれ……もしかしてバイスじゃねぇか…?』
……
デニス『…おい貴様、生きてるか!?』
バイス「……何とかね〜……♪
燃え尽きたぜぇ…♪ 真っ白な灰によ〜……♪」
コルト『な、バイスお前…何で生きてんだよ!?』
バイス「ん〜……♪ アレかな〜…♪
前キリシマちゃんにボコられた時さ〜……♪ 何たら細胞使ってくれたじゃん♪ オレ様に……♪
その所為じゃねぇかな〜……♪」
ブラッド『ネェルDG細胞の一件か……成る程、運が良かったな!
…まぁ、バルサンから逃げられなかった時点で運がいいかどうかは微妙だが…』
デニス『バイス、貴様何故退避命令を無視した!?
全員に伝わっていたはずだぞ!』
バイス「…いやさ〜……♪ オレ様この時間はさ〜……♪
イヤホンで音楽聴いてんじゃん……♪ 大音量でノリにノってたわけよ……♪
そしたら白い煙がバァ〜って……♪」
デニス『聴こえてなかったってことか!? 馬鹿者が!!』
バイス「ちったぁ……いたわってくれたったいいんじゃね〜か……♪
…いやぁ……Zのジャブローに残されちゃった連中って……こんな気分だったんだろうな〜…♪」
コルト『んなこと言ってる場合かよ!
今軍医に見せてやるからな、死ぬんじゃねぇぞ…』
バイス「…ったりめ〜よ♪ 死ぬときゃベッドの上で……♪
…女に囲まれて死ぬって…決めてんだからよ〜…♪」
ブラッド『フン、そんなことを言う余裕があるなら大丈夫だろう…
ともかくだッ! 一匹仕留め損ねたが、ゴミ虫どもは殲滅できた!』
バイス「それってオレ様のことじゃね〜だろ〜な……♪」
ブラッド『それは自分で考えるのだな……
……ともかく、作戦完了だッ!! 今回はここまでとする!
次回こそは料理をする、見逃すなよゴミども!!』
コルト『こんな放送のあとに料理されてもな…』