特別編【ガンダムファイト開催!? ランタオ島の激戦!!】
やる事:ガンダムファイト
ブラッド「ククク…たまには買い物に出かけるのもいいものだな…」
ギルバート「おぉブラッド! なぁに買ってきやがったんだ!?」
ブラッド「食料品を主にな……塩もいいものを揃えた!
……ククク、これからはさらに食事のバリエーションが豊かに」
カル「あ、ブラッドさんこんな所に!!」
ギルバート「お、どうしたカル!?」
ブラッド「何だ騒がしい……」
カル「と、とにかく大変なんですよ!
シャノンさんが、調理室で暴れています!!」
ブラッド「何だと…!?」
〜調理室〜
プシュー(ドアの開く音)
ブラッド「……そこまでだッ! 何をしているシャノン・マシアスッ!!」
バイス「ぶ、ブラッド〜♪ 助けてくれよ〜♪」
ブラッド「何、バイスだと……
…まさか、シャノンをナンパする目的でここに…?」
バイス「そのつもりだったんだけどよ〜♪
なんか知んね〜けど逆鱗に触れちまったみてぇ♪」
シャノン「……コイツはアタシの顔の傷を見やがった!
…八つ裂きにしてやるッ!」
バイス「助けてくれよ〜ブラッド♪ この女目がマジだよ〜♪」
ブラッド「フン、自業自得とはいえ哀れだな…」
カル「そんなこと言ってる場合じゃないですよ! 止めなきゃ!」
ブラッド「ええい、面倒な…
…シャノン、そのゴミを殺すのは構わんが包丁は下げろ。調理に使うものだからな…」
カル「…ってそうじゃないでしょ!」
シャノン「…わかった、包丁はやめておいてやる。
なら、これで殴るのはいいか?」
ブラッド「…いいだろう。」
カル「これって…フライパンじゃないですか!
そんなものでシャノンさんの腕力で殴ったら、本当に死んじゃいますよ!」
シャノン「もともと生かして帰すつもりは無いからね…」
カル「生かすつもり無いって…」
シャノン「コイツはアタシの傷を見やがったんだ! ザコの分際で!」
ブラッド「…どうしても見られたくはないものだったのだな? それならば仕方が無いな。
クククク…」
シャノン「仕方ないよな…
この傷が疼くんだよ…アイツを殺せって!!」
ブラッド「傷が疼くなら仕方が無いな……」
カル「こ…怖! この人達怖!!」
バイス「やっべぇ♪ オレ様にも時が見えるかもしんないかもだぜ〜…♪」
カル「あ、あなたも今の内に逃げてください!」
シャノン「まだ生きてたのか? とっととあの世にいっちまいなッ!」
カル「シャノンさん落ち着いてぇーッ!!」
〜中略〜
ブラッド「バイスかね? ヤツはまたしてもネェルDG細胞の力で一命を取り留めた……
…まぁ、そういうわけで心配などは無駄というわけだよクロサワ…」
カル「に、人間じゃない…」
シャノン「………」
ブラッド「それで……少しは気がおさまったかね?」
シャノン「…やる気が無くなった。アタシは帰る。」
ブラッド「な…何だとッ!? …今から撮影だというのにか!」
シャノン「後の事はカルに任せる…適当に撮っとけ。」
カル「そんな、オレはアシスタントを」
シャノン「両方適当にやっとけ。…あと終わったらアタシの部屋まで肩揉みに来い。
最近どうも肩凝りがひどくてね…」
カル「は、はぁ…」
シャノン「三十分だ。それ以内に来なかったら承知しないよ…」
…
カル「………」
ブラッド「……クロサワ、あの女はいつもああなのかね?」
カル「ええ、まぁ…」
ブラッド「成る程……あんな女がいたとはな。」
カル「と、とにかく…どうします、料理教室?」
ブラッド「かつてコルト・ロングショットというゴミに助手とカメラマンを兼任させた事があったが…
…結局、ワタシ一人が料理していたな。
仕方あるまい……臨時に誰か呼び出すか。」
カル「急ぎましょう、間に合わなかったらオレ、どうなるか…」
〜中略〜
リコル「よばれてとびでてリコル・チュアートですぅ!
この番組ってやっぱり、私がいないとダメですね〜」
ブラッド「黙れゴミが……あくまで臨時だ。
さぁ、カメラはこのゴミに任せるとして……」
カル「あれ、今回の助手役の人は?」
ブラッド「…あえて言おう、食材の調達に頭がいっぱいで番組収録のことを忘れていたとな…
実は助手役も料理品目も決まってすらいないのだ…」
カル「そんな…それで間に合うんですか、三十分以内に…」
ブラッド「準備もしていなかったからな……正直難易度は高い…」
カル「………
あの、オレも今日は抜けていいですか?
シャノンさん、かなりイライラしてるみたいだったし、行くなら早めの方が…
番組収録はそれが終わってからということで」
ブラッド「フン、何をバカな事を…そんな事をこのワタシが許すと思うか!?」
カル「そ、そうですよね…
(押しの強い人達の間で板ばさみ…耐えろオレ…)」
リコル「ブラッドさん、ここは先に行かせてあげましょうよ!
多分、時間の縛りなんて無い方がいい番組を撮れると思いますし!」
ブラッド「……それはそうかもしれんがな…」
カル「お、お願いします!」
ブラッド「……フン、行け…」
カル「あ、ありがとうございます!
リコルも支援ありがとう…」
リコル「お礼には及びません!」
カル「じゃあ行きます! それではまた!」
…
ブラッド「……久方ぶりにメタメタだな。
待ち時間ができたな……仕方あるまい、新規に調達した食材の整理でも行うか……」
リコル「手伝いますかぁ?」
ブラッド「いや……キサマの手助けはいらん…」
リコル「そうですかぁ、つまんないの〜…
…それはともかく、ブラッドさんちょっと時間よろしいですかぁ?
カルさんのことで、ちょっと耳寄りな情報があるんですけど!」
ブラッド「クロサワの…?
…どのような情報だというのだ?」
リコル「えへへ、確かなルートからの情報なんですけどね〜…
あのカルさんって人、パメラちゃんと同期じゃないですか。」
ブラッド「…それがどうした、勿体つけずに要点を言え…」
リコル「それがですね〜…
あの人、実はですねぇ…パメラちゃんに片思いしちゃってるらしいんですよ!」
ブラッド「あのゴミがか?
…フン、それがどうしたというのだ?」
リコル「「片思い」っていいですよね〜。
なんだか、応援したくなっちゃいません?」
ブラッド「……そんな感情を抱くのはキサマくらいのものだ…」
リコル「そんなことはありませんよ〜。
…それで、パメラちゃんと言えばいつかの失恋なんですけど」
ブラッド「な…バカな、何故キサマがあの一件について知っている!?
まさかラのヤツが口を…」
リコル「あれ、私の情報収集力を甘く見ちゃいましたぁ?
安心して下さい、この件については誰にも他言してません!
ブラッドさん達のアドバイスについてもですよ?」
ブラッド「そこまで情報を集めていたとは…
…成る程、敵には回したくない女だな、キサマは…
……しかし、その一件がクロサワと何の関係があるというのだ?」
リコル「も〜、ブラッドさんもわからない人ですね〜!
いいですか? 新しい恋を見つけるのが、失恋の最大の特効薬ですぅ!
というわけで…ここはカルさんとパメラちゃんをどうにかしてくっつけちゃおうかな〜、なんて♪」
ブラッド「フン、無意味な事を考えるものだ……
大体、あのようなゴミにパメラの相手など務まると思うか…?」
リコル「どーでしょーかねぇ。それは当人達の問題ですよ!
合わなかったらその時はその時!
私たちは想いを伝える状況を提供してあげるだけでいいんですぅ!
その後の事はその後ということで。」
ブラッド「何故ワタシが協力することを前提に…話を進めているのかが謎だがな…」
リコル「なんとしても協力してもらうつもりですよ? 私は!」
ブラッド「……協力を乞う相手を間違っているとは思わんのか?」
リコル「いえいえ、艦内番組を持っている上に、意外と面倒見が良い事で
有名なブラッドさんですから! 協力者としてはかなり適任だと思ってます!」
ブラッド「バカな…」
リコル「…とまぁ、ここまでが私の計画だったんですけど、一つ問題が出てきましたねぇ。」
ブラッド「……今度は何だ。」
リコル「いえ、あのシャノンって人のことなんですけどね。
さっきのやりとりを見てて思ったんですけど」
ブラッド「……見ていたのか?」
リコル「はい!
もしかしたらあのシャノンさんって人…カルさんの事が好きなんじゃないですか?」
ブラッド「何でもかんでも…そういう方向の話題に持っていこうとするな、ゴミが…
シャノンはワタシの見立てでは、クロサワの事など都合のいい召使程度にしか思っておらん。
大体あの女とクロサワの年の差を考えろ、有り得る話ではない…」
リコル「年の差なんて関係ありませんよ、愛には!」
ブラッド「キサマごときの年齢のゴミが何が「愛」だ……」
リコル「あのバイスさんに対する態度を見た感じだと、シャノンさんという人は
あまり人に心を許すタイプの人じゃないと、私は分析しました!
ブラッドさん並か、もしかしたらそれ以上な感じですぅ!
でもカルさんにはあの心の開きよう…きっと、普通じゃない感情があるんですよ!」
ブラッド「……どうだかな。」
リコル「…でも、もしそうだとするとちょっとばかり複雑なことになってきちゃいましたねぇ。」
ブラッド「複雑だと? 何が複雑だ……」
リコル「わかりやすく説明しますぅ!
とりあえず私の秘蔵の、この部隊内の人間関係をまとめたノートから
この番組に関わる人達の恋愛模様をまとめてみましたぁ!」
ブラッド「そんなものをまとめているとは、どこまでも暇な……」
リコル「いいから見てください! 結構入り組んだ形になってまして…」
☆リコル先生の、部隊内人間関係秘蔵ノート!☆
〜お料理教室関係者の恋愛模様編〜
パメラちゃん→片思い→ジュナスさん
カルさん→片思い→パメラちゃん
シャノンさん→片思い?→カルさん
バイスさん→片思い→部隊全ての女性
ドクさん→両思い←デビルガンダムJrさん
ドクさん→愛人関係←サイコ・ハロ
ロングショットさん→片思い?→ジムスナイパーカスタム
ブラッドさん→片思い→ネオガンダム一号機
リコル「こんな感じに絡み合っていますぅ!」
ブラッド「後半相手が人間ですらないのだが…まぁ間違ってはいないな……
大体、愛人関係などという言葉をどこで覚えてきたキサマ…」
リコル「気にしないで下さい!
まぁ後半のは遊び心なんですけど、前半のは真面目ですぅ!
ほら、こうやって見たらちょっとした三角関係ですよ!
いわゆる一つのラブ・トライアングルですぅ!」
ブラッド「煩わしい言い方をするな…
…まぁ、しかし……多少、面白くはあるな。
特別企画でも組めるかもしれんな……」
リコル「特別企画を? その発想はありませんでしたぁ!」
ブラッド「そもそも、ヤツがパメラと釣り合うほどの男なのか……見極めさせてもらうぞ!」
〜ブラッド先生のスーパー三問芝居タイム〜
カル「すみません、今戻りました!
あれ、あの娘は?」
ブラッド「何、先に帰したよ……今回は収録は中止だ。
しかし…聞いたぞ、キサマ…どうやらパメラの事を好いているようだな?」
カル「え…えぇ!? な、何でそのことを!?
誰も知らないハズだったのに…」
ブラッド「クククク、我が情報網を甘く見てもらっては困るな……
……一言だけ言っておこう。諦めろ、とな…」
カル「え…!?」
ブラッド「キサマごときの器でパメラほどの逸材をものにしようなど……無理の一言ッ!
あえて言おう! キサマなど…ゴミであると!」
カル「ゴミ…だって!? そこまで言うか!」
ブラッド「そう…所詮ゴミだな。キサマごときにパメラはやらんぞ!」
カル「あなたはどの立場なんだ!?」
カル「何故そんなことを言うんですか!? あなたという人は…」
ブラッド「フン……キサマが何時からパメラを好いているかは知った事ではないがな。
その気持ちを今日まで伝える事すらできん甲斐性無しなど、ただのゴミ……その程度の想いでは
片思いすらする権利は無いと言っているのだ!」
カル「くぅ…
オレだって…あなたが思っているほど甲斐性無しじゃない、パメラへの想いだって…」
ブラッド「フン……面白い!
ともかく…キサマの想いとやらがどれほどのものか……見せてもらうとしよう!」
カル「え…? どういうことですか!?」
ブラッド「何…クククク、ワタシの考案した「試練」を乗り越えれば…
…キサマに、パメラへの「愛」とやらの告白を許可してやろう、という事だ…」
カル「だからどの立場から言ってるんだ、あなたは…
とにかく、その試練を乗り越えればオレを認めてくれるんですね!
やってみせますよ!」
ブラッド「クククク、その意気だ…」
〜翌日、ランタオ島〜
リコル「さぁ、ガンダムファイトの名を冠した、実戦演習がはじまろうとしています!
実況のリコルですぅ!
でもなんでカルさんが、アキラさんとMF同士の演習を?」
ブラッド「クククク…キサマは知る必要の無い事だ…」
ドク「ヒャアーハッハァー! ギャラリーのドクだぁぁぁ!!
はやく戦ってくれぇぇぇ! 戦って戦ってぇ、戦いまくれぇぇぇ!!」
ニードル「ヒャヒャヒャヒャ、久々のガンダムファイトだぜェ!
なァテメェらァ、どっちが勝つか賭けようぜェ!」
バイス「そ〜だな♪ じゃ、オレ様は順当にアキラ大勝利に廃盤レコード三枚賭けてやるぜぇ♪」
ドク「じゃぁぁぁオレは大穴でぇぇぇ!!
カルぅぅにぃぃ! ポテチ十袋賭けるかもしんないかぁぁもぉぉぉ!!」
ニードル「ヒャヒャヒャヒャ!
じゃあオレはアキラの勝ちに自前のバンダナコレクション賭けてやるよォ!」
ドク「ひィ、いらねぇぇぇ!!」
リコル「賭けごとの方も盛り上がって参りました!
艦長にバレると色々言われそうですぅ!」
ドク「気にすんなってぇぇぇ!!」
バイス「じゃ〜まず試合開始の前に♪ オレ様達の歌を聞け〜♪
燃やせ♪ その瞳にと〜もした〜♪」
ドク「ほのおにぃぃぃぃ!! いのちぃをかっけってぇぇぇ!!」
バイス「誰〜かが〜♪ アンタ〜を〜呼んでいる〜♪」
ドク「しょおりぃぃぃをぉぉぉつぅかぁむぅぅまぁでぃえぇぇぇ!!」
ニードル「うっせーよッ! 歌とかいらねーからさっさとはじめやがれェ!」
バイス「お〜怖ぇ♪」
リコル「お歌はさておき、さっそくファイターさんのご紹介ですぅ!
まずはチャンピオン、アキラ・ホンゴウさんのマスターガンダムですぅ!!」
アキラ『さあ………カル・クロサワ! オレと熱い拳で語り合おうじゃないか!
キミの力を見せてみろ!!』
カル『こ、こんな戦いに何の意味があるんですか!?
する必要の無い戦いなんてしたくない…』
アキラ『…甘い! 甘いぞカル!!
愛を掴み取る為には、障害はつきものだ!』
リコル「(愛? …なるほど、そういうこと!)
対するチャレンジャーは、カル・クロサワさんの駆るゴッドガンダムですぅ!
さぁ、この対決…どちらが勝利を収めるのでしょうか!?
今、ガンダムファイト開催のゴングが鳴らされようとしていますぅ!」
ブラッド「クククク…まぁ、既に勝敗はわかりきっているがな…!」
リコル「それではいきますよ〜!!」
アキラ『おおッ!!』
リコル「それでは〜!! ガンダムファイト! れでぃぃぃ…」
アキラ『ゴオォォォ!!』
カル『うわ、やるしかないのかッ!?』
バイス「ヒュ〜♪ はじまったぜぇ♪」
ドク「おぉぉぉッ!! やっちまえカルぅぅぅぅ!!」
ニードル「ヒャヒャヒャ、武器のレンジの長さはマスターのが上だァ!
こりゃアキラが有利だぜェ!」
リコル「た…確かに、アキラさんのマスターガンダムの繰り出すダークネスショットに対し
カルさんのゴッドガンダムは、反撃すら行えていません!
ここは踏ん張りどころですぅ! 頑張ってほしいんですけど…」
カル『くぅ…懐に飛び込んでしまえば!』
リコル「おぉ〜っと! 一気に間合いを詰めにかかりましたぁ!
もしかして、ここで必殺のゴッドフィンガーが!?」
カル『いきなりは使えない、ここは格闘で…』
リコル「おおっ、ゴッドガンダム、マスターガンダムに拳打をかけますぅ! しかし!」
カル『…そんな、全部かわされたなんて!?』
アキラ『そんなんじゃダメだァ! 一撃一撃に魂を込めなくちゃ!
こっちからも行くぜ! これを受け切れたら…キミをライバルとして認めるぜッ!!』
リコル「おおっと流石チャンピオン! 素晴らしい機動力を見せます!
ゴッドガンダムの攻撃を全て避け、そして自分の拳打は全て相手にあびせるぅ!
蝶のように舞い、蜂のように刺す!
その姿は、まさに天剣絶刀そのものですぅ!」
アキラ『正拳! 裏拳! とりゃあーッ!!』
カル『うわぁ! 強い、強すぎる!』
リコル「さぁ、カルさんはがぜん厳しくなってまいりました!
…個人的には頑張って欲しいのですが、実力が違いすぎるのでしょうか〜!?」
アキラ『…どうした!! キミの愛の力はそんなものか!?
愛を、絆を勝ち取りたいなら…オレを倒してみせるんだ!!』
カル『…だって、僕はあなたみたいに体育会系じゃない、MFには向いてないんだ…』
アキラ『負けを認めるのか!? 諦めてしまうのか!?
そんな事じゃ、愛を手にすることなど……無理の一言ッ!!』
カル(こいつらそれ言いたいだけだろ…)
リコル「さぁ、肉を切られて骨まで断たれてしまうのでしょうか!?
それとも一発逆転なるかぁ〜!?」
ドク「あぁぁぁ!! カルぅぅ頑張りぇぇぇぇ!!」
ニードル「ヒャヒャヒャ、勝負は見えたようなモンだなァ!」
カル『くぅ…』
アキラ『キミは軟弱者か!?』
カル『…軟弱…者…?』
アキラ『そうだ、今のキミはただの軟弱者だ! そんなの男じゃない!!
それでも男か!? 軟弱者ぉッ!!』
カル『オレは…軟弱者なんかじゃない!!
う、うぉぉーッ!! オレだって…やってやるぞーッ!!』
アキラ『それでこそ男だ!! 行くぜ、必殺!! ダァァァクネス!!!』
カル『ご、ゴッドォ!』
リコル「おおっ! これは…必殺技対決に持ち込みました!
どうなるのでしょう!?」
アキラ&カル『フィンガァァァァーッ!』
リコル「ぶつかり合う技と技! これこそガンダムファイトですぅ!
…しかし、ゴッドガンダムが少々押され気味のようですけど…」
ブラッド「クククク、テンションの差がここで出たようだな……」
カル『だ、だめだぁ、指が、指が痛い…』
アキラ『…それで終わりかぁッ!?
手加減はしないぞ!! …爆発!!』
ドン!
リコル「ああ、ゴッドガンダムの右腕がぁ!」
ブラッド「……そこまで! 実力の差は歴然だ、これ以上はやっても無駄だ…」
リコル「え〜、ここで終わりですかぁ!?」
ブラッド「ククク、その通り…
クロサワ…残念だったな……!」
カル『そ、そんなぁ…』
ドク「ぎゃぁぁぁ!! オレのポテチがぁぁぁ!!」
ニードル「ヒャヒャヒャ、これで当分菓子には困んねェなァ!!」
アキラ『……カル・クロサワぁッ!!』
カル『な、なんですか…腕が、腕が痛いぃ…』
アキラ『今日はオレの勝ちだ!
…キミもその敗北から這い上がって来いッ!』
カル『くぅ…
オレは…あの人に…勝ちたい…!!』
バイス「ま…腕の差だよ♪ 落ち込みなさんなって♪」
カル『くぅ…』
ブラッド「さぁ、下らんガンダムファイトなどという茶番は幕引きだッ!
ククク…クロサワ、己の無力さを思い知ったかね?」
カル『ブ、ブラッドさん…
チャンスを……もう一度だけ、オレにチャンスを下さい!!
再戦の機会を…!!』
ブラッド「フン、何を馬鹿な事を…」
アキラ『ブラッドさん! オレからもお願いするぜぇ!!
カルは、まだ終わっちゃいない! まだまだ可能性に満ちている…!!』
リコル「私からもお願いしますぅ!
このままじゃ、カルさんがあまりにかわいそうですよぉ…」
ドク「オレもぉぉぉ!! ポテチあげたくねぇぇぇぇ!!」
ブラッド「…ええい、ゴミどもが…
……フン、一回…一回だけだぞ…チャンスはな!」
カル『あ…ありがとうございます!!』
〜翌日、トレーニングルーム〜
ケイン「…お主、見ん顔じゃな。名は何と申す?」
カル「は、はい! カル・クロサワと申します!」
ケイン「クロサワ? 成る程、お主が例の…
では、次のアキラ殿との果し合いに向け、ここに自己修練をしに来たというわけだな?」
カル「そうなんですけど…
トレーニングルームってここですよね? シミュレーターとか一切置いてないけど…」
ケイン「ここはそういった修練をするための場所ではない。
ここはあくまで己の肉体、そして精神の修練を重ねる為の場じゃ…」
カル「肉体と…精神?」
ケイン「そうじゃ。機械人形での死合いも生身での死合いも、基本は同じ!
武芸とはあらゆる角度から己を厳しく追い込み、鍛えぬく事での修練の積み重ねによってしか
向上はありえんものなのなり!」
カル「はぁ…じゃあ、ここはオレの来るべき所じゃなかったみたいですね。
シミュレーターのある部屋に行かないと…」
ケイン「…時に待たれよ、クロサワとやら…
お主が果し合いに使う機械人形は「もびるすうつ」とやらではなく…「もびるふぁいたあ」というものであろう?」
カル「はい、そうですけど…」
ケイン「ならば…もびるふぁいたあを上手く扱い、アキラ殿を倒す為には…操縦技量より先に
自らの体、そして精神を鍛え、もびるふぁいたあによる心身への負担に負けぬ
強い自分を作るべきなのではないか!?」
カル「え…」
???「そうだ! ケインさんの言う通りだ!」
カル「い、いつの間に!? あなたは…?」
???「名乗るほどの者じゃないさ!
どうしても呼びたいなら、謎の覆面ガンダムファイター…ミスター・コンジョーと呼んでくれ!!」
カル「は…?
(この声に、そのハチマキ…変な覆面してるけど、どう考えてもアキラさんだ…)」
謎の男「話は全て聞かせてもらった!
キミは愛をその手に掴む為、アキラ・ホンゴウにガンダムファイトで勝たなきゃいけないんだな!
そうだろう!?」
カル「ま、まぁ…」
謎の男「なら!! こんな所でぼんやりしている暇は無いはずだ!
さぁ! オレがファイターとしての手ほどきをしてやろう!!
オレと一緒に特訓…いや、修行しに行こうじゃないか!! …ギアナ高地までぇッ!!」
カル「ギ、ギアナ高地で…修行!?」
謎の男「そうさ! 修行といったらギアナ高地…定番だろう!?」
ケイン「おお! ならば拙者も付き合おうぞ!」
謎の男「ああ、大歓迎さ!
さぁ!! オレ達三人で…共に明鏡止水の境地を目指そうじゃないかぁ!!」
ケイン「うむ!」
カル「え…えぇ!?」
謎の男「さぁ! じゃあ、みんな自分のMFを用意して、早速ギアナ高地へ急ごうじゃないか!!」
カル「な、なんなんだこの展開!?」
〜数日後〜
シャノン「…最近カルを見ないね。」
パメラ「何処へ行ったのでしょう?」
トリッシュ「どこで油売ってるのかねぇ?」
ギルバート「がはははッ!! 今はやりだっていう自分探しの旅にでも行ってんじゃねぇか?」
トリッシュ「そんな流行はもう廃れたよ!」
ギルバート「お、そうだったか?」
トリッシュ「まったくオッサンは流行りに疎いんだねぇ…」
パメラ「カルさんは、あまり自分から一人旅に出るような性格とは思えませんが…」
トリッシュ「それもそうだね。じゃあまさか家出…いや、まさかね。」
ギルバート「それもまた青春の一ページってヤツよ! ガハハハハ!!」
シャノン「………」
〜その頃のカルinギアナ高地〜
パチッ!
謎の男「出ろぉぉぉ!! マンダラガンダァァァム!!」
ゴゴゴゴ…
謎の男『さぁ、カル!! 修行を始めるぞ!!』
カル『MF同士で戦うなんて、聞いてないですよぉ!!』
謎の男『当然だ、言ってないからな!!
さあ! この錫杖の攻撃を、全て避けきって見せるんだ!!』
カル『うわ、本気で攻撃してきた!?』
謎の男『こら、逃げちゃダメだぁ! そんなことじゃ、ゴッドガンダムの右手が泣くぞ!!』
カル『そんなこと言ったって…』
ケイン「…カル殿! 敵の攻撃を心の眼で捉えてみせい!」
カル『なんなんですか心の眼ってー!?
ア、アキラさんやめてください!!』
謎の男『アキラじゃない、ミスター・コンジョーだぁ!!
さぁ、オレのガンダムの必殺技を…
このオレの胸にたぎる炎を! 受け止めてみせろォ!
必ィィィッ殺ッ!! 炎獄烈波アタァーック!!』
カル『うわぁ、誰か助けてー!!』
ケイン「逃げるでないカル殿!
謎の男殿との修練が終われば、次は拙者のしゃいにんぐがんだむとの修練が待っておるぞ!」
カル『もう無理ですってー!』
〜さらに数日後、ランタオ島にて再戦の時〜
リコル「さぁ、カルさん渾身のリベンジマッチ、ついにはじまりましたぁ! 実況のリコルですぅ!」
ドク「ギャラリィィぃのドクだぁぁぁッ!
戦え、戦えぇぇ! はやく戦えぇぇい!!」
リコル「ギアナ高地にてケインさんと、謎の人物と共に修練を重ねて腕を上げたというカルさん!
今回こそは、その手に勝利をムギュっと掴みとって欲しいものですぅ!」
ブラッド「フン、何度やっても同じ事だ…何せあのマスターガンダムは、ZERO仕様なのだからな!
クククク…全く無駄なあがきだ…」
ニードル「ぜ、ZERO仕様ってぇと、EN減らねぇ上に攻撃力ハンパねェアレかよッ!?
ソイツはキツいなァ…」
カル『…アキラさん、いきますよ!』
リコル「おおっ! ゴッドガンダム、リミットブロックの限界まで連続攻撃を仕掛けます!
凄まじい拳打! まるで昨日とは別人のよう!
その姿は東方不敗、王者の風を背負っているかのようですぅ!」
アキラ『くぅ!! なんて拳打だ! 本当に前とは大違いだぜ!!
腕を上げたなカル! オレは嬉しいぜぇ!
それでこそ………オレのライバルにふさわしい!』
カル『あ、ありがとうございます!!
(付けてきて良かった、「東西南北中央不敗」のエンブレム…)』
アキラ『…ならば!!
このオレの渾身の攻撃を受けきれるかッ!?』
カル『や…やってやる! やってやるぞ!!
先にいかせて貰いますよ! オレのこの手が光ってうなるっ!!』
アキラ『勝利を掴めとッ!! 轟き叫ぶぅッ!!』
リコル「こ、これは! 先日と同じ、フィンガー対決でしょうかぁ!?」
ブラッド「フン、性懲りも無く…ゴミは同じ過ちを繰り返す……」
カル『ばぁぁぁくねつ!! ゴッドォ、フィンガァァァッ!!』
アキラ『ダァァァクネス!! フィンガァァァァァッ!!』
カル『石!!』
アキラ『破ぁッ!!』
リコル「ち…違いますぅ!
これは、東方不敗が最終奥義…石破天驚拳対決ですぅ!」
カル&アキラ『天驚けぇぇぇん!!』
ゴォォォォ!!
ドク「のぉぉぉ!? ぱわぁぁとぱぅわぅのぶつかりあいだぁぁぁッ!!」
リコル「ゴッドガンダム、マスターガンダムの両方から放たれた巨大なエネルギー波が、互いにぶつかり合ってますぅ!
どちらが押し切るのでしょうかぁ〜!?」
ニードル「ドラゴンボールみてぇになってっぞォ!」
ドク「ぎゃりっくほぉぉぉとそっくりだぁぁぁ!!」
バイス「二人の〜♪ 火花が散〜る〜♪ か〜め〜はめ〜波〜♪ってか♪」
リコル「今いいところなので、あなた達はちょっと黙りましょう!」
バイス「サーセン♪」
ブラッド「フン…しかし、付け焼刃の奥義など…
…長年MFに乗り続けてきた、ホンゴウの必殺技の前ではゴミ同然だッ!」
リコル「いえ、まだ勝負はわかりません!
押されてはいます、押されてはいますけど…愛の力はそんなものには負けないハズですぅ!」
ブラッド「…下らん、何が愛だッ! ホンゴウ! …さっさと押し切ってしまえ!
現実というものを教えてやらんとな…!!」
アキラ『カル…手加減はしないぞッ!!』
ゴオオオ…
カル『つ、強い、強すぎる…』
ドク「うぁぁぁッ!! 頑張れカルぅぅぅ!!」
アキラ『…そこまでか!? キミの力などそこまでのものに過ぎないのか!?
それでもガンダムファイターかッ!?』
カル『くぅ…!!』
アキラ『足を踏ん張り、腰を入れるんだぁッ!! そんなことじゃあ、邪魔者のオレ一人倒せないぞ!!
この馬鹿弟子がぁぁぁッ!!』
ブラッド「いつの間に弟子になったのだ…?」
カル『くぅ、まだまだぁッ!!』
ブラッド「ツッコまんのか、クロサワも……」
リコル「熱血のノリの前には、細かい事は全て吹き飛びますぅ!」
ドク「あぁぁぁカル負けんなぁぁぁぁ!!」
ニードル「な…なんかオレも燃えてきたぜェ! 負けんなカルッ!!」
バイス「オレ様もノっとこ♪ 根性出せ〜♪」
カル『うぅ…』
ガクッ…
リコル「あぁ、ゴッドガンダムが膝をついちゃったぁ…」
ブラッド「クククク…よく頑張ったようだが、そろそろ終わりの時が来たようだな…!!」
アキラ『…何をしてるんだ!!
自ら膝をつくなど! 勝負を捨てた者のやることだぞ!!
立て! 立って見せるんだカル!! キミの愛など…そんなものかぁッ!?』
カル『…うるさい! 今日こそオレは…あなたを超えてみせる!!』
アキラ『よく言った、少年!!…うおぉッ!!?』
リコル「おー!! なんと立ち上がったゴッドガンダム、マスターガンダムを押し始めましたぁ!」
ブラッド「何だと!? バカな…そんな事は有り得ん!!」
リコル「今ですぅ!!」
ニードル「カルゥッ!!」
バイス「とどめを〜♪」
ドク「うっちまえぇぇぇ!!」
カル『…おぉ!!
ヒィィィト、エェェェェンドッ!!』
ゴゴゴゴゴッ!!
リコル「お、押し切りましたぁ! カルさんが、アキラさんを!!」
ブラッド「バ、バカな……あのZERO仕様のマスターガンダムが……
……あの程度の改造レベルのゴッドガンダムに…パワー負けしただと!?」
〜中略〜
リコル「今回のガンダムファイトは…カル・クロサワさんが制しましたぁ!!
おめでとうございますぅ!」
アキラ『燃え尽きたぜ…真っ白な灰に…』
カル『あぁ、オレはなんて事を…』
アキラ『フッ…いいパンチだったぜ、カル・クロサワ!!
それが愛の力さ……愛は最強、諦めない限り、必ず道は開けるんだ…』
カル『アキラさん…』
アキラ『今こそキミはガンダム・ザ・ガンダム…最強の男、愛の戦士カル・クロサワだ…!!』
カル『ア…アキラさぁ〜ん!!』
アキラ『カルゥゥぅぅぅ!!』
ガシッ!
リコル「おお! ゴッドガンダムとマスターガンダムがハグしてますぅ!!」
ニードル「珍しい光景だなァ…」
アキラ『これが男の友情だァ!!オレとオマエは友達だァ!』
ニードル「なんっつーか、日本姓のヤツって変なノリのヤツばっかだよなァ…」
ドク「でも熱いからいいぃぃぃじゃねぇぇかぁぁぁ!!
ふぅらぁぁぁいんざすかぁぁぁぁい!! たぁぁぁかくはばたけぇぇぇい!!」
バイス「大空〜を〜どこ〜ま〜でも〜♪」
ニードル「だから歌はいらねぇってのッ!」
アキラ『…今回はオレの負けだ。だがオレも必ず、この敗北から這い上がって来る!
その時は相手を頼むぜ、カル!!』
カル『はい!! こちらこそ…
…ブラッドさん! オレ、勝ちました!
…あれ、ブラッドさんがいない!? 知りませんか!?』
ドク「あれぇぇぇ!? そぉぉいやいねぇぇぇ!!」
ニードル「マジだァ!」
バイス「ま、どっかでまた料理でもしてんじゃね〜の♪」
カル『そうですか…』
バイス「ま…んなこたど〜だっていいんだよ♪
んなことよりアンタ、しっかりやれよな〜♪ 誰に告んのかしんね〜けどさ♪」
ドク「なんかよくわかんねぇぇけどぉぉ、これってお墨付きってヤツだろぉぉぉ!?」
アキラ『……しっかり伝えるんだ、キミの気持ちを…』
カル『アキラさん…ありがとうございます!』
アキラ『告白の言葉は「キミと一緒に石破ラブラブ天驚拳が撃ちたい」で決まりさ…
ハッピーエンドを…願ってるぜ…!!』
カル『はい…全てを伝えてきます!』
ニードル「ケッ、そういうオチかよ! 気に入らねェ…」
リコル「ニードルさん空気読みましょう!
素晴らしい結末ですぅ! これで、今回のガンダムファイトはしゅうりょ」
???『まだだ!……まだ終わらんよッ!!』
カル『え、ブラッドさんの声…』
ゴゴゴゴゴゴ…
ドク「ぎゃぁぁぁ!! 地震だぁぁぁ!!」
リコル「じ、地震にしてはこの大きさは異常ですぅ!」
アキラ『こ…これはまさかッ…!?』
バギッ!
リコル「おおっ! 今、轟音を上げ、ランタオ島に地割れが発生しましたぁ!」
ニードル「な、どうなってやがんだよッ!?」
リコル「これは一体!? あ〜! 地割れのヒビの中からMSがぁ!?」
ゴゴゴゴゴ…
カル『あ、あれは、マスターガンダムがもう一機!?』
ゴゴゴゴ…
ニードル「ち、違ェ! ありゃあ…デケェ!!」
ドク「ひゃあぁぁぁ!! グランドマスターガンダムだぁぁぁ!!」
ゴゴゴゴゴ…
ブラッド『クククク…こんな事もあろうかと、地下にこの機体を隠しておいたのだ!』
カル『やっぱりブラッドさん! これはどういう…』
ブラッド『カル・クロサワ……よくぞホンゴウのマスターガンダムを倒したと一応褒めておこう! …しかし!!
キサマごときが、偶然でホンゴウに勝ったくらいで…
…パメラを手にできるとでも思っていたのか!』
カル『えぇ!?』
バイス「…ってアンタもパメラちゃん狙ってたのかよ♪ そりゃ聞き捨てならね〜な♪」
カル『ってあなたも!?』
ブラッド『ええい、こちらに集中せんか!
ククク……Gジェネにおけるガンダムファイトモードは連戦が基本!
このグランドマスターガンダムを倒さぬ限り……道は開けんと思えッ!!』
カル『そ、そんなッ!…ってうわぁ!』
ゴオオオオ!!
リコル「い、色々と予想外な展開ですぅ!
しかも今、グラマスさんのマスターガンダム部分の手から
何か紫色のエネルギー波みたいなのが出ましたけど…」
ブラッド『ククククッ、刮目せよ!
これぞ…グランドマスターガンダム版、ダークネスフィンガーというものだッ!
素晴らしい! なんというパワーだ! ……まるでゴッドガンダムがゴミのようだ!!
…ククク、絶望に慄くがいい!!』
カル『ぱ、パワーが違いすぎる… 何で!? なんでこんなことをっ!?』
ブラッド『フン……勝てばパメラに想いが伝えられる等と…
その気になっていたキサマの姿はお笑いだったぞ…!
お陰で戦闘だけは少しは面白いものが撮影できた、感謝せねばな……映画会社に高く売れるだろう!』
カル『そんな! …オレの気持ちを、戦闘シーン撮影の為に利用したのか!?』
ブラッド『クククク、その通り……!!
キサマは……ワタシの掌の上で踊らされているだけの存在に過ぎなかったというわけだッ!』
カル『く、くそぅ、人の気持ちを弄んで…!
あなただけは、絶対に許せない!!』
ブラッド『許さんだと…? どう許さんというのだ?
ククク……こんな事もあろうかと、コツコツと改造LVを上げ続けたこのグランドマスターガンダム!!
…そんなパワーを使い果たした、情けないMFで倒せるとでも思っているのか!?』
アキラ『やめるんだブラッドさん…
人の恋路を邪魔するヤツは、馬に蹴られて地獄へ落ちるんだぞぉ…』
ブラッド『クククク…ウォンとは違うのだよ! ウォンとは!!』
ブラッド『大体キサマごとき……主人公系キャラの成り損ないのゴミが、パメラと添い遂げようなど…
……神が許しても、このワタシは許さん!!』
カル「な、何だとぉ!?」
???『アタシも許さん!』
カル『シャ、シャノンさんの声!?
…って、何だあれ!?』
ドク「上から来るぞぉぉぉッ!! 気をつけろぉぉぉ〜!!」
ガシ、ガシ…
バイス「な、なんだ〜あの合体メカはァ〜?♪」
ドク「グレェェトジオングかぁぁぁ!?」
ニードル「違ぇよォ! ありゃあ…ターンXだァ!!」
シャノン『あはははッ! カル!! 見つけたよッ!!』
カル『や、やっぱりシャノンさん! 何でここに!?』
シャノン『この傷が…傷が疼くんだよ…お前を他の誰にも渡しゃしないってさ!!』
カル『うわぁぁ、誰か助けてー!!』
バイス「やべあれヤンデレじゃね♪」
ドク「なにそれこえぇぇぇ!!」
ブラッド『ええい…退けぃ、シャノン・マシアス!! このゴミはワタシの手で処分する!!』
シャノン『しゃらくさいねぇ… お前なんかに殺させるくらいなら…
…そうさ、誰かの手に渡るくらいなら、せめてアタシの手で!』
カル『な、何を言ってるんだシャノンさ…』
シャノン『安心しな…スグ楽にしてあげるよ!
このターンXの胸の傷も疼くってさ…その機体と対決したいってねぇ!』
リコル「わわわ! ターンXさんの胸の傷が、七色に光ってますぅ!」
ドク「ひゃあぁぁぁッ! あのタァァンエックスすごいよぉぉぉぉ〜!!」
バイス「さっすがた〜んえ〜のおに〜さんだァ〜♪」
カル『…そんな、こっちの機体にはもうパワーが…』
ブラッド『……どこを見ている? キサマの相手はこのグランドマスターガンダムだッ!』
カル『うわこっちも!?』
…
リコル「う〜ん、これはひどいですねぇ…」
ニードル「な、なァ…どうするよォ?」
バイス「アキラよぉ♪ アンタのマスタ〜ガンダムで何とかしてやれね〜の♪」
アキラ『見よ、東方は…赤く燃えている…』
ガク…
ニードル「ち、力尽きやがったァ!?」
ドク「うぁぁぁぁッ!! しぃぃしょおぉぉぉ!!」
リコル「な、なんとかカルさんを助けられないでしょうか!?
皆さんもブラッドさんみたいに、地下にMSが隠してあるとくらい言ってくださぁい!」
ニードル「クソがァ! こーなったらァ…」
リコル「ほ、ホントに隠してあるんですかぁ!?」
ニードル「ヒャヒャヒャ! テメェらには内緒だったがよォ!」
バイス「オレ様とニードルも♪ こんな事もあろ〜かと思って♪」
ニードル「MFを隠して持って来てたってわけだァ!
ドク「えぇぇ!! マジでかぁぁぁ!?」
ニードル「ヒャヒャヒャヒャ…出ろォ! スカルガンダァァァムッ!!」
バイス「出ろ〜♪ アシュラガンダ〜ム♪」
ゴゴゴゴ…
ドク「うぁぁぁッ!? じめんからまたガンダムだぁぁぁぁ!!」
リコル「そして機体選択があまりにあんまりですぅ!」
カル『なんだ、また二機も新手が…』
ニードル『ヒャヒャヒャ! テメェらまとめて、オレのスカルガンダムがズタズタのバラバラしてやるぜェ!』
シャノン『なんだいあのゲテモノガンダムは…』
ニードル『シャノンとか言ったなァ? ヒャヒャヒャ、ジャブローでのカリを
256倍にして返さねぇとなァ!
ヒャヒャヒャ…テメェのような奴は、いたぶって! いたぶりぬいてェ!』
バイス『ごめんなさいって言わせてやる〜♪』
シャノン『……ザコがッ! 跡形も無く消し飛ぶがいい!』
バイス『ちょ♪ ご、ごめんなさ〜い♪♪』
ドーン!
リコル「な、なんとぉ!? バイスさんのアシュラガンダム、リングに入場して数秒で
ターンXのスペシャルアタックで吹き飛ばされちゃいました〜!!」
ドク「うっひぃぃぃ〜! かませってレベルじゃねぇぇぇ!!」
ニードル『チクショウが! オレは噛ませ犬にはなんねーぞォ! くらいやがれターンエックス!
必ィッ殺ッ! 火炎金剛りゅ』
ブラッド『…やめてくれぬかな? そううるさくされるとつい…踏み潰したくなる!』
ニードル『ちょ、テメ空気読めってマジでギャアアア!!』
グシャ!
リコル「おおっと! そうこうしている間にも
ニードルさんのスカルガンダムが、必殺技発動中にグランドマスターガンダムに踏み潰されちゃいましたぁ!』
ドク「あぁぁぁ!! なぁぁんてこったぁぁぁいぃッ!!」
カル『い、一体なんだったんだあの人達は…』
リコル「本当になんだったんでしょうかぁ!?
結局、カルさんは依然大ピンチ! どうなっちゃうんでしょうかぁ〜!?」
ドク「くっそぉぉぉ、こぉぉぉなったらぁぁぁぁッ!!
でろぉぉぉぉ!! がんだぁぁぁぁむぅ!!」
パチィ!
リコル「えぇ!? ドクさんもガンダムを!?」
ゴォォォォ!!
リコル「わわわ…そ、空からデビルガンダムJrさんが飛んできました〜!!」
ドク「さすがオレのジュニアだぁぁぁ!! 呼んだらすぐに駆けつけてくれるぅぅぅ!!
そこに痺れるぅぅぅッ!! 憧れるぅぅぅぅ〜!!」
ブラッド『バ…バカな!? デビルガンダムJrだと!?』
ドク『やっちまえぇぇぇジュニアぁぁぁぁ!! 四天王ビットだぁぁぁッ!!
いっけぇぇ〜!!』
〜中略〜
ドク『ヒャアーハッハァー!! 四機とも一ターンでコナゴナだぁぁぁ!!
流石オレのジュニアぁぁぁぁ!!』
リコル「カルさんとアキラさんもついでに撃墜しちゃいましたけど、これで良かったのでしょうかぁ!?」
ドク『気にすんなってぇぇぇぇ!! ほそけぇぇこたぁぁいぃぃんだよぉぉぉッ!!
これでぜぇぇんぶ解決だぁぁぁ!!』
リコル「解決ですかねぇ?
…もー解決でいいですぅ! そしてガンダムファイト、今度こそ閉幕!
真の優勝はドクさんでした〜!
というか、終わってみたらドクさんしか残りませんでしたぁ!」
ドク『ヒャアーハッハァー! やったぜぇぇぇ!!
デビルガンダムジュニア大勝利ぃぃぃ!! きぼぉぉの未来へぇ、レディィゴォォォォッ!!
見よぉぉ!! とぉぉほぉぉはぁぁ!!
赤く燃えているような気がぁぁぁ…するかもしんないかもぉぉぉぉッ!!』
〜調理室、反省会〜
ブラッド「さぁ、なぜあのような結果になったのか…
…話し合おうではないか。
まぁ……今にして思えば、ワタシも大人気ない事をしたと思うよ…」
シャノン「…カルは何処だッ!」
ブラッド「人の話を聞け…
……大体シャノン・マシアス、キサマもキサマだ。
好意があったのならば何故言わなかった…それをあのような形で表現するなど、品性の欠片も」
シャノン「うるさいんだよッ!!
…何故言わなかっただと!? 言えるわけが無いだろうがッ!!
顔に…顔にこんな醜い傷がある女を…誰が受け止めてくれるって言うんだよ…」
ブラッド「フン、まぁ落ち着け…
…何がもとでついた傷かは知らんが……キサマの場合は、顔の傷より心の傷の方が深刻なようだな…」
シャノン「カウンセラー気取りかい、しゃらくさいねぇ…
…貴様の顔は覚えた、今度アタシの傷の事をとやかく言ったら殺してやるぞ…」
ブラッド「…今更覚えたのか。しかし、哀れな女だ…」
シャノン「うるさいよ…
…カルは、アタシのカルは何処にいるんだ…」
ブラッド「……クロサワか。ヤツはヤツの愛する者の所へ行った。
己の意思でな…結果はどうなるかはわからんがな。」
シャノン「傷が…傷が疼くんだよ……」
ブラッド「……同情するよ。心からな…
しかし…結果は結果、正面から受け止めん限りキサマは前へは進めんぞ…」
〜その頃、図書室前〜
リコル「この部屋に、パメラちゃんはいるはずですぅ!
ここがパメラちゃんの最近の主な仕事場ですからねぇ。」
カル「図書室か…こんな部屋があったんだ。」
リコル「も〜、パメラちゃんが好きなのに仕事場も知らなかったんですかぁ?
ダメダメですねぇ…そんなことじゃ私のパメラちゃんはあげられませんよ?」
カル「(この娘もそっち系か…)
リコル、ちょっと声が大きすぎるよ…」
リコル「あ…あはは、ごめんなさ〜い…
…とにかく、しっかり伝えるんですよ? それでダメだったら、男らしく諦めてくださいね。
しつこくストーカーなんかになっちゃったら、私が許しませんからねっ!」
カル「う、うん…」
〜図書室〜
カル「や、やぁパメラ」
パメラ「…あ、カルさん。珍しいですね、こんな所で会うなんて」
カル「そ、そうだね…何してるの?」
パメラ「はい、ここにある書籍の情報を機械に打ち込んで、データ化しているところです。」
カル「へ、へぇそうなんだ、大変そうだね…」
パメラ「はい…今日も一日、この作業で終わりそうです。」
カル「……
オレも、手伝おうか?」
パメラ「…それは助かりますけど、それではカルさんの仕事が…」
カル「き、気にしなくていいって! オレが手伝いたいだけなんだからさ!」
パメラ「ありがとうございます! 正直、とても助かります…」
〜中略〜
カル「あ、また間違えた…
いつもこんな事やりながら、オペレーターやったり…あの番組のアシスタントとかもやってたんだよね?
凄いな、パメラは…」
パメラ「そんな、私なんてとても…他の方々は、もっと苦労してますよ。
例えば、ジュナスさんなんて…」
カル「………」
〜中略、調理室〜
ブラッド「…等という雑談に終始し、結局クロサワは…
肝心な部分は何も言えなかったというわけか…」
リコル「はい、完全にその通りですぅ!」
ブラッド「そうか…また、そのパターンか……パメラといいシャノンといい、NEO勢はそればかりだな…」
リコル「まったくも〜、カルさんってばホントにとんでもない根性無しさんでしたよぉ!
あまりの事にカルさんのほっぺたつねっちゃいましたぁ! ギュって!」
ブラッド「そうか……ガンダムファイトでのあの仕打ちに加え、更なる暴力が加えられたか…
…ワタシが言うのも何だが、流石に哀れだな…」
シャノン「…あはははッ!」
リコル「わわわわ! シャノンさん…でしたっけ?
あなたもいたんですねぇ…」
シャノン「まだだ! まだアタシは諦めちゃいないよ!
カル! お前はアタシのものだ! 何処にいる…探し出してやるぞ……逃げても無駄だよ!」
プシュー(ドアの開く音)
リコル「あ、行っちゃった!
カ、カルさん逃げてぇ〜!」
…
ブラッド「そして、ワタシだけが残されたわけだが………
まぁ……この先どうなるか、それはワタシの知るところでは無いがな…
ともかく……かつて無いほどに後味の悪いオチだとは思わんかね?」
プシュー(ドアの開く音)
アキラ「ブラッドさん!! カルはどうだったんだぁ!?」
ブラッド「入ってくるなり騒々しいゴミだ…
……クロサワなら、思いの丈を伝える事も無く終わったそうだ。
結局、何も進展無しという訳だな…」
アキラ「くぅ、カル! 修行が足りないぞ!
でも、男は…男は……挫折を重ねるたびに強くなって行くんだッ!
戦え! 戦い続けるんだカル! その手に愛と勝利を掴むまで!」
ブラッド「本当に暑苦しいゴミだな、キサマは…」