まさかのまた番外編【芸術の秋! ブラッド先生の絵画教室!?】




ブラッド「………ブラッドだ。
     …最初に一つ謝っておこう。そろそろちゃんとした料理教室を…と期待していた視聴者も多いだろうが…
     ……またも番外編だッ! 秋の味覚の紹介を楽しみにしていたであろう視聴者諸君!
     料理紹介の少なさに慄くがいい!」
ジュナス「(なんかもうヤケになってるなこの人…)
     こ、今回は、秋ということでゼノン艦長の要望に応えて絵画教室をやることになったんですよね!?」
ブラッド「…そうだ、最近ゼノンらからの支援が極端に少なくなってしまっているからな…
     連中からのリクエストにもお応えせんと、番組が続けられん…
     しかし、気がつけばセカンドシーズンに移行してからこっち……まともな料理教室を一回も行っていないな…」
ドク「どぉぉでもいいよぉぉぉ!! はやくはじめよぉぉぉぜぇぇぇ!!」
ブラッド「黙っていろ! ゴミが…
     今回の絵画教室は数人同時に行い、最も上手く描けた者には賞品が出る事となっている!
     ……先に今回の絵画教室に参加する人員を発表する!
     ジュナス、紹介しろ……」
ジュナス「はい!
     それでは、右から」
ドク「ドク・ダァァァムだぁぁぁぁ!! ヒャアァーハッハァー!!
   描いて描いて、描きまくぅぅぅるぅぅぅ!!」
ニードル「ヒャヒャヒャ!! ニードルだァ! 賞品はいただきだァ!!」
バイス「皆さんお元気なこって♪ オレ様もいるぜぇ♪」
ジュナス「…はい、自己紹介ありがとうございます。
     この三人の他にはグレッグさんとブランドさんとジェシカさんも参加してます!」
ジェシカ「なんでこのアタシがキサマらなんかと絵など…」
ブラッド「…フン、キサマも知的な趣味でも持って、少しは女らしくなれということだ…」
ジェシカ「何を…!」
ブランド「まぁ、たまには良いじゃないのさ…
     アタシも絵を覚えたら、今よりもっと知的な女らしくなれるかしらねェ…」
バイス「その発想は無かった♪」
ブラッド「フン…どいつもこいつも好きな事を…
     …しかし改築して広くなったとはいえ、調理室にここまでの人員を集めると流石にむさくるしいものだな……」
グレッグ「へッ…暑苦しいったらないぜ!
     ブラッド!! さっさと終わらせるぞ!」
ブラッド「フン、言われるまでもない……
     ……まずは画材の紹介だ!」

画材
・水性アクリル絵の具(初心者向けだというからな)
・各種筆(用途によって使い分ける)
・水(調合用)
・鉛筆、消しゴム、定規他(主に下書き用)
・スケッチブック
・絵の題材

ジュナス「いつもの材料紹介みたいな感じで紹介するんですね…」
ブラッド「まぁな…
     ……正直、今回はワタシ含め、特に絵心がある者が参加しているわけではないのでな…基本は探り探りだ!」
ジェシカ「無責任な話だな…」
ブラッド「一々突っかかるなゴミが…
     …ともかく絵画に関してはワタシも知識はない。
     故にデータを元に、初心者向けの画材を揃えたというわけだ…
     ……今回使用する絵の具は水性のアクリル絵の具だ! データによるとこれが最も初心者向けだという事でな…
     まずはこの絵の具の歴史を紐解くと、旧世紀…つまり西暦1958年に、アメリカ合衆国の」
グレッグ「御託はいい! さっさとはじめるぞ!」
ドク「そぉぉぉだぁぁぁ!!」
ニードル「さっさと描かせやがれェ!!」
ブラッド「クッ…ゴミどもが、これはあくまで「教室」の形をとった番組だぞ!
     基礎知識も無しに本番を迎えようなど…」
ジュナス「でもブラッドさん、尺の事もあるしあんまり時間をとるわけにはいかないんじゃないかな…」
ブラッド「…ええい、わかったわかった……次のレスから開始してやる!」



ブラッド「……まずは下書きだ! 総員スケッチブックを開けい!!」
ジュナス「はい!」
ドク「まっかせぇぇなさぁぁい!!」
ブラッド「開けば題材の発表だ!
     さぁ、キサマら…このテーブルの上の果物をデッサンするがいい!」
ドク「何だよぉぉくだものかよぉぉ!!つまんねぇぇぞぉぉ!!」
ニードル「んなもん喰っちまおうぜェ!!」
ブラッド「……ゴミどもが、食欲ばかり先行させおって…」
ブランド「でも、果物なんて描いても何も面白くないってのはその通りじゃないの?」
グレッグ「確かにな…」
バイス「そ〜そ〜♪ デッサンっつったらヌードデッサンだろ?
    な〜ジェシカちゃ」
バゴッ!
バイス「んごぉ、ちょ、殴るこたね〜だろジェシカちゃ〜ん…♪ ジョークジーク♪」
ジェシカ「…………」
バイス「そんなに嫌だってんならオレ様がヌードモデルになってやるぜ〜♪
    さ〜てと、オレ様のすべてを見せてやっかn」
ゴス!
バイス「ぐふぅ、ちょ、二度もぶった♪ なんだよジョークじゃね〜かよ〜♪」
ジェシカ「いや今殴らなかったら本当に脱いでた! そういうヤツだキサマは!
     消えてしまえオマエのようなヤツは!」
ブランド「大体ねェ…ヌードデッサンって言ったら美少年って相場は決まってるじゃないのさ…ねぇ?」
ジュナス「こっち見ながら変なこと言わないで下さい…」
ブランド「そう? 残念ねェ…」
ブラッド「ワタシが果物を描けと言っているのだ! 歯向かうな、描けゴミどもが!
     …データにもな、最初は果物などの題材で腕を磨けと書いてあったのだぞ…」
グレッグ「…へ、教本通りにやってますってのは、バカな若造の言う事だ!」
ドク「そぉぉだそぉぉぉだぁぁぁ!!」
ブラッド「ええい、何だこの状況は……学級崩壊か…?」
〜中略〜
ブラッド「そうも果物を拒むというなら……これならばどうだ!
     縮尺1/144、フルアーマーガンダムの模型だ! ライルから借りてきたぞ…」
ドク「おぉぉ!! かっこいいなぁぁぁ!」
ブラッド「……待て、汚い手で触るな!
     それは市販品ではなくライルの特製品らしいからな…
     万が一壊しでもしたら次の出撃で整備の手を抜かれるぞ……」
ドク「うぁぁぁこえぇぇぇ!!」
ニードル「コイツを描けってのかァ!?」
ブラッド「そうだ……多少、絵の題材としての難易度は上がったがな。
     キサマらがごねるからだ……」
グレッグ「なんでもいい、さっさと描いちまうぞ!」
ブラッド「ものわかりのいいことだ……では早速、描画開始だッ!
     さぁ! どう描いて欲しい!?」



〜中略〜
ブラッド「クククク……まずは鉛筆を使っての下書きだが…
     皆、苦戦しているようだな…」
ドク「くぅあぁぁぁ、せんが多すぎてぇぇ、描きづらいかもしんないかもぉぉぉ!!」
ブラッド「ククク、その分描き応えがあるというものだ……
     ……しかし、ドクよ…その下書きがフルアーマーガンダムのつもりかね?
     前衛芸術の類か…?」
ドク「そんなに褒めんなってぇぇぇ!!」
ブラッド「皮肉のつもりだったのだがな……」
ニードル「まージェシカのよりはマシだろうぜェ! ヒャヒャヒャ」
バキ!
ニードル「いてェ! テメェ叩きやがったなァ!!」
ジェシカ「…余計な事を言うからだ!!」
ブラッド「……なんだジェシカ、ずいぶんと稚拙な絵を描くものだな…」
ジェシカ「だ、黙れ! まだ途中だ、勝手に見るな!!」
バイス「お〜お〜♪ 絵が下手だったのかい♪ こりゃギャップ萌えってヤツだな〜♪」
バキ!
バイス「ちょ…三回目…♪」
バタ…
ブラッド「流石にHPが尽きたようだな…」
ジェシカ「全くどいつもこいつも…」
ブラッド「フン……
     ……ほう、ジュナスはなかなか上手く描けているようだな?」
ジュナス「そうですか? ありがとうございます!」
ブラッド「…やはり、NTの空間認識能力は絵画の世界にも通用するもののようだな……
     ………しかし、グレッグの場合は絵を描いているというよりは、図面を引いている職人のようだな。」
グレッグ「ヘッ、直線を描くときはこうするのが一番よッ!」
〜中略〜
ブラッド「……さぁ、下書きが終われば次は絵の具による着色だ!
     筆使いの技術に加え、水、着色料自体の配合のバランス…あらゆる技術が必要となる奥の深い工程…だそうだ。」
ドク「ぬぅおぉぉ塗るぅぅぅ塗るぅぅぅ!!
   塗って塗ってェ、塗りまくるぅぅぅぅ〜!!」
ブラッド「フルアーマーガンダム自体が絶妙な色の緑色で塗られているからな…
     …クククク、基本的に原色がメインの絵の具セットでは…色味の調合自体に手間がかかるぞ、せいぜい気をつけるのだな!」
ドク「まっかせぇぇなさぁぁい!!」
〜中略〜
ブラッド「誰が最もマシかと見てみれば……意外にも、最も上手く塗れているのはニードルとはな。」
ニードル「ヒャヒャヒャヒャ、整備やってっからなァ!
     装甲の塗装剥がれたトコだって何回も塗りなおしてんだッ! 塗装なら素人なんかにゃ負けねぇぜェ!!」
ブラッド「成る程な……
     ……グレッグも悪くはないな?」
グレッグ「若ぇ時分はペンキ屋でよくバイトしてたからな…」



ブラッド「それに引き換えキサマときたら……
     …バイス、手が進んでおらんぞ!」
バイス「うっせ〜な♪
    なんっつ〜かさ♪ オレ様の芸術性はもっとさ〜♪ 音楽性のたけ〜ものに向けて〜んだよ♪
    絵なんてのは、なんっつ〜かさ♪ やっぱり性にあわねぇ〜んだよなァ〜♪
    ちまちましててさぁ〜♪」
ブラッド「ええい…ワタシとてやりたくてこんな企画を執り行っているわけではないのだぞ!
     四の五の言わず描けぃ!!」
ドク「うぁぁぁ、塗るぅぅ塗るぅぅぅ!!」
ブラッド「……ドク、キサマの絵は工程が進むたびに見るに絶えんものになっていくな…
     何故フルアーマーガンダムの色を塗るのに、桃色や水色がそうも必要になるのだ……?」
ドク「だからそんなに褒めんなぁぁってぇぇぇ!!」
ブラッド「………
     …まぁいい、総員さっさと終わらせろ!
     筆塗りが終わり次第、塗料が乾くのを待つ! …乾きやすい絵の具だというからな、そうも時間はかかるまい……
     重ね塗りも有効なようだぞ……」
〜中略〜
ブラッド「…さぁ、描き終わればすぐに審査だ!
     審査員には…キサマらにも馴染み深いあの人物をお呼びしているぞ…」
ニードル「あァ! 誰だァ!?」
ブラッド「そんな口が利いていられるのも今の内だ…
     ……では、お入り下さい…」
プシュー(ドアの開く音)
ゼノン「…邪魔するぞ。」
ドク「ぜ、ぜのぉぉんかんちょぉぉぉぉかよぉぉぉ!!」
ニードル「ゲェー! 艦長!?」
ジェシカ「か…艦長殿! お久しぶりです!!」
ゼノン「いいんだよ敬礼など…」
ジェシカ「…ブラッド! 艦長が来るなんて聞いていないぞ!」
ジュナス「僕も聞いてませんでしたよ、まさか本人が来るなんて…」
ブラッド「クククク…何、サプライズゲストというものだ…
     ……どうですか艦長?
     この絵画達は全て貴官の要望通り……絵画に縁の無い連中に描かせたものですぞ?
     どうです… バイスの絵のみ未完ではありますが……この中から最もいいものを選ぶとするなら?」
ブランド「アタシのかしら?」
ドク「いやオレのだろぉぉぉ!! じょぉぉぉしきてきにかんがえてぇぇぇ!!」
ブラッド「キサマは黙っていて貰いたいな……」
ゼノン「そうだな…
    どれも一つ一つ、魅力に溢れている絵だ。どれかを一番とするかは難しい問題だな…」



〜ゼノン艦長の審査タイム〜
ブラッド「……では、そろそろ優勝者の発表を……」
ゼノン「そうだな…」
ドク「ヒャアァーハッハァー!! オレだぁぁぁ!!」
ブラッド「黙れ、キサマは土俵にすら立っておら」
ゼノン「ドクの絵だな。」
ブラッド「な…何ですと!?」
ドク「やっぱりなぁぁぁぁ!!」
ジェシカ「こ、この絵が…!?」
ブランド「艦長さんのセンスもわからないわねェ…」
グレッグ「全くだ…」
ニードル「ま、マジっすか艦長ッ!?」
ゼノン「…よく見てみろ、お前達が言うような悪い絵ではない。
    常識に囚われない画法、そして色使い…素晴らしいものだ。
    ただ技術だけが突出している絵画などより、数倍は訴えるものがある…」
ドク「ヒャアーハッハァー! やっぱ艦長は見る目ってのがありまくりだぁぁぁッ!」
ブラッド「バ、バカな…」
ジュナス「確かに良い絵だと思いますよ、僕も。
     戦闘中の精神世界というか…内面世界っていうんでしょうか? それがよくあらわれているような気がします。」
ブラッド「またNT特有の感想を…
     ……内面世界、か。絵の題材は模型のフルアーマーガンダムだったのだがな…」
バイス「意外と♪ ドクのヤツ芸術の才能があんのかもな〜♪」
ブラッド「芸術家は変人が多いとよく聞くしな……」
ドク「ハァーッハッハ! とにかくオレの勝ちだぁぁぁぁ!!
   しょぉぉひんはいただきだぁぁぁッ!!」
ブラッド「……そう言えば賞品付きだったな。
     では…賞品の授与だ。受け取れ……」
ドク「ヒャーハッハッハァ!! やったぁぁぁぁ!!
   …で、これなんだぁぁぁッ!」
ニードル「オイ、それってまさかァ…」
ブラッド「クククク、それはな……
     …機動兵器用オプションパーツの一つ、その名も……「テム・レイ手製パーツ」だッ!」
ニードル「やっぱそれかよォ!」
ドク「ひィ、いらねぇぇぇ!!」
ブラッド「まぁそう言わず、Jrにでも取り付けるがいい…」
ドク「やだぁぁぁぁッ!!」
バイス「…張り切んなくて正解だったみて〜だな♪」
ジェシカ「全く…」
ブラッド「……さぁ、賞品授与も終わった事ですし…そろそろ締めさせましょうか? 艦長殿…」
ゼノン「そうだな…
    …ではジュナス、頼む。」
ジュナス「は、はい!
     それでは今回はこの辺で!」
ブラッド「……次回こそは料理をさせてもらいますぞ?」
ゼノン「好きにすればいい…」