鬼が常に内



トリッシュ「なんか明日って、節分ってヤツらしいねぇ」
カル「あれ、なんでトリッシュさんが知ってるんですか?」
トリッシュ「パメラから聞いたんだよ!
      鬼は外とか、福は内とか言いながら豆撒くんだって?」
カル「そこまで詳しく…ホントに物知りですねパメラは」

シャノン「ハン…なんだか知らんが、とにかく鬼ってのに
     豆を投げつけて殺しちまえばいいってわけか?」
カル「そんな物騒な…
   それに実際に鬼がいるわけじゃないから、とにかく「鬼は外」とか「福は内」とか
   言いながらいり豆を撒いて、そのあと
   自分の年齢の数だけ豆を食べるんですよ」

トリッシュ「床に撒いた豆を?そりゃばっちぃねぇ」
シャノン「ったく、わけわからん習慣だな。しゃらくさいねぇ…
     つっても…まぁちょっとは面白そうではあるけどね…!」
カル(またなんか良くない事を思いついたみたいだ…)


〜翌日〜
シャノン「…煎り豆ってヤツを貰ってきたぞ」
カル「へぇ、今晩のおつまみか何かですか?」
シャノン「バカかお前…撒くに決まってんだろ!」
カル「(あぁ、やっぱり…)
   き、気を付けて下さいね。シャノンさんの腕力で撒いたら豆といっても」
シャノン「…おっと、こんな所にちょうどよく子鬼がいるじゃあないか?」
カル「…え?」
シャノン「…鬼は外!!」

ビシッ!

カル「いた! ちょ、ちょっと何するんですか!?」
シャノン「…あはははッ! そらそら!鬼は外!」
カル「わわ、いたいいたい! なんなんですかもう!」
シャノン「……ん?
     節分ってのは、豆撒きって口実でいじめたいヤツを
     好きなだけいじめてもいいって習慣だろ?
     …違うのか?」
カル「違いますよ! まったくもう…
   こんな事なら節分なんて教えるんじゃなかったな…」
シャノン「なんだ違うのかい、しゃらくさいねぇ…
     …それならそうと先に言っとけ」
カル「はぁ…(鬼よりシャノンさんのが何倍も怖いや…)」


〜さらにその後〜
トリッシュ「くらいな、鬼は外!」
ギルバート「がはははッ! 散弾なんざ効かねぇな!
      もっと思いっきり投げつけてきやがれぃ!!」
トリッシュ「なぁカル、ギルバートのおっちゃんは豆じゃ倒せないんだけどどうすりゃいい?」
カル(誰一人節分をわかってない…)