四日目 14:45 オーブへ入国


太平洋へと艦が着水したら展望室の窓から「ザバァ〜ン」と大きな波しぶきが立つのが見えた。
ネリィ「あとどのくらいかわからないけどこの後はいよいよオーブに着きますわね」
「そうですね」
マリア「でしたら私達はこれで失礼しますね」
ネリィ「そういえば……お二人は艦を見学しに来るアスハ代表の案内役でしたわね」
マリア「はい、艦長とニキさんマークさんも入口に向かっていると思うので。
ということで行くわよ、シェルド」
「わかった。それじゃあネリィさん、また機会があったらこうして話をしましょう」
ネリィ「えぇ、機会があれば」
こうして僕とマリア姉さんはネリィさんのいる展望室を後にした。

艦の入口付近にたどり着いたら
マーク「見てわかるが、艦長もニキもまだだぜ。せっかくだから二人で後部甲板に行ってきたらどうだ?」
「気遣いありがとうございます。けど展望室で着水の瞬間を見ましたしオーブに上陸したら地球の空気を吸うことができるのでその必要は無いですよ」
マリア「そういうことで私達も接岸待ちしますよ」
マーク「そうか」
とマークさんとオーブに着くまで待機することにした。

待機していたら
ラ「オーブが見えてきました。まもなく領海に入ります。繰り返します、オーブが見えてきました。まもなく領海に入ります」
と艦内アナウンスが流れた。
マーク「おっ、いよいよだな」
「そうですね」
マリア「緊張するわね。一国の代表とこれから会うから」
「うん、こんな機会そうそう無いよ」

一方そのオーブでは
カガリ「アレだな、オオトリの運用試験をしてくれる連中の艦は」
エリカ「 えぇ、そうです」
カガリ「どんな奴らなのか今から会うのが楽しみだよ」
エリカ「私もです」
とアスハ代表とモルゲンレーテ社のエリカ主任が港で僕らのことを待っていた。

そして領海に入ると停泊命令を出さなかったけど
アマギ「オーブにようこそ。モルゲンレーテの依頼で来たのは知っているが念のため我々も並走することを了承したい」
ゼノン「あぁ、構わんよ。国を護るためだからな」
とイージス艦が左右から監視のため並走してきた。
その後アスハ代表とエリカ主任が待つ港に近づくとイージス艦はこちらから離れていった。
それから180度旋回して前後反転するとビリーさんの操縦によって艦はオーブの港に無事接岸した。

艦を降りたらいよいよアスハ代表との対面だ


四日目 15:00 アスハ代表との対面


オーブ連合首長国はソロモン諸島に存在する
「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない」
という国家理念を持つ中立国である。

そんなオーブに接岸すると艦長とニキさんもこちらにやって来た。そして
ゼノン「なんだ、ずっとここにいたのか。(まぁ、それはおいとくとして)なら早速挨拶に行くぞ」
ニキ「ちなみにこの挨拶が終わり次第アスハ代表の案内をお願いしますよ。私と艦長は明日の予定について打ち合わせを行うので」
マリア「わかりました」
「アスハ代表に粗相の無いよう案内いたします」
ゼノン「じゃあマーク、頼むぞ」
マーク「了解」
とマークさんに(いないと思うけど)勝手に誰かが上陸しないよう見張りを頼んだら入口を開けてオーブ側の用意したタラップを降りて港に着いた。
港に降り立つとそこには軍服を身にまとったアスハ代表とモルゲンレーテ社の制服を身にまとったエリカ主任、そしてその背後には衛兵の姿があった。
それから
カガリ「オーブにようこそ。私が代表のカガリ・ユラ・アスハだ」
エリカ「そして私が今回の依頼人、モルゲンレーテ社主任のエリカ・シモンズです」
ゼノン「本日は私達を招いてありがとうございます。私が艦長のゼノン・ティーゲルです」
ニキ「私は副長を務めているニキ・テイラーです」
マリア「本日艦の案内役を務めるマリア・オーエンスです」
「同じく艦の案内役を務めるシェルド・フォーリーです」
とお互いに挨拶を交わしたら
エリカ「では早速明日の予定に関して話したいので社の方に参りましょう」
ニキ「わかりました」
ゼノン「では、二人とも案内役頼んだぞ」
マリア「わかりました」
「それではアスハ代表、艦に参りましょう」
と艦長、ニキさんはエリカ主任とモルゲンレーテ社に向かって僕とマリア姉さんはアスハ代表の案内を務めることになった。

艦に入ろうとしたら
カガリ「一ついいか?アスハ代表って堅苦しく呼ばれるのは苦手なんで私のことは『カガリ』って呼んで構わないぞ」
マリア「そうですか。けど……さすがに呼び捨ては出来ないので『カガリさん』って呼びますね」
カガリ「あぁ、いいぞ。シェルドもそうしてくれ」
「わかりました」
とアスハ代表から呼び方を指摘された。


四日目 15:10 最初の行き先


艦に入ると早速
カガリ「なぁ、お前は何しているんだ?」
マーク「俺か?俺は上陸許可がまだ出てないから誰かが勝手に艦を抜け出さないように見張りをしているんだ」
カガリ「ふ〜ん。
んで名前は?」
マーク「デスティニーインパルスのパイロットで小隊長のマーク・ギルダーだ。よろしくな、アスハ代表」
カガリ「あぁ、こちらこそ(ふ〜ん、デスティニーインパルス乗っているんだ)」
とマークさんとアスハ代表が挨拶を交わした。
それから
カガリ「ところでまずはどこに行くんだ?」
マリア「決めてないのでカガリさんが行きたい場所を言ってください」
カガリ「なんだ、決まってないのかよ。じゃあ……機体を見てみたいからMSデッキに案内してくれ」
マリア「わかりました」
ということでMSデッキに向かった。

MSデッキにたどり着くと
カガリ「こりゃあ凄い!!アークエンジェル・クサナギ・エターナルよりも大きいな」
アスハ代表の第一声がこれだった。
マリア「この艦は最大で4個大隊分の機体を搭載可能なのでMSデッキがこんな大きな構造になっています」
「ついでに言うと右から
Aチーム
隊長機:ガンダムデルタカイ
リゼル×3

Bチーム
隊長機:シルヴァ・バレト
シルヴァ・バレト(フィンファンネル搭載)
ユニコーン
クラーケ・ズール(大気圏内ではギラ・ズール)
ノッセル×4(SFS)

Cチーム
隊長機:ブレイヴ指揮官機
ブレイヴ×4(内1機は予備)

Dチーム
隊長機:デスティニーインパルス
ストライク
ストライクルージュI.W.S.P.
セカンドV

とカタパルトを使用しております」
カガリ「へぇ〜、チームごとにどのカタパルトを使用するのか決めてあるんだ。ちなみに二人はどのチームなんだ?」
マリア「私達は二人ともCチームに所属していて隊長は私が務めています」
カガリ「マリアって小隊長なんだ。シェルドは言うこと聞いているのか?」
マリア「えぇ、シェルドも同じチームのもう二人もちゃんと私の指示を聞いていますよ」
カガリ「慕われているんだな。なぁ、近くに行って機体をじっくり見ていいか?」
「いいですよ。まずはどこからにしますか?」
カガリ「ルージュ等を見たいからDチームのカタパルトだ」
「わかりました」
ということでDチームの機体がある第4カタパルトに向かった。

なお、このときマリア姉さんはどこかに艦内電話で連絡をしていたみたいだ。


四日目 15:40 ラナロウさんvsアスハ代表


第4カタパルトに行こうとしたら
カガリ「おっ、シミュレーターあるんだ。なぁ、やってみていいか?」
「えぇ、いいですよ」
カガリ「ありがとう。……あれっ?マリアはどうしたんだ?見当たらないぞ」
「艦内電話で誰かに連絡しに行きしたよ」
カガリ「そうか。まぁ、いいや」
ということで機体を見るよりシミュレーターに挑戦するようだ。

シミュレーターのある場所に着くと
カガリ「このシートが二つある他より大きいのもシミュレーターか?初めて見たぞ」
「コレは主にSFS運用や福座式の機体用シミュレーターです」
カガリ「そうなんだ、かなり本格的だな」
と説明していたら
ラナロウ「アンタ、オーブのアスハ代表だろ?
俺はラナロウ・シェイド、ルージュのパイロットだ。せっかくだから勝負しようぜ」
ラナロウさんがやって来て勝負を挑んできたので
カガリ「お前がルージュのパイロットか。いいだろう、受けてたつ!!」
とその申し出を受けたのでシミュレーターで対戦することになった。
そこにマリア姉さんがやって来たので
マリア「ねぇ、これどういうこと?」
「ラナロウさんがやって来て勝負を挑んできたからカガリさんが受けてたつことになったんだよ」
と、こうなった経緯を説明した。
そして
カガリ「手加減するなよ。そんなお情けで勝っても嬉しくないからな」
ラナロウ「わかってるよ。んで対戦する場所なんだけど海上で構わないな?」
カガリあぁ、いいぞ。ではバトルスタートだ」
ラナロウ「さぁ〜て代表の実力見せてみな」
ということで対戦が始まった。

ラナロウさんが使用したのはストライクルージュI.W.S.P.
それに対してアスハ代表が使用したのはアカツキのオオワシ装備
オオワシは高機動ユニットで主に大気圏内用装備だ。
ラナロウさんはビームブーメランとガトリングで弾幕を張っていた。けど
カガリ「こんなの余裕だぞ」
と言って簡単に回避しつつオオワシのビーム砲とヒャクライ(ビームライフル)で反撃
その反撃をラナロウさんは回避するとアーマーシュナイダーを投げた。
アスハ代表が向かってくるアーマーシュナイダーをヒャクライに装備していたビームサーベルで弾き飛ばしたら
ラナロウ「もらったぜ!!」
とレールガンを放った。
それに反応してシールドで防いだのはいいけど接近する隙を与えられて
カガリ「しまった!!」
ラナロウ「遅いぜ」
と対艦刀で左腕が切断された。


四日目 16:00 SEEDの力


アカツキの装甲には耐ビームコーティングの「ラミネート装甲」、実弾を無効にする「PS装甲」ではなく「ヤタノカガミ」と呼ばれるビームを反射する機能がある。
だけど斬撃には弱いので今回のように対艦刀でも簡単に破壊できる。
そんな状況になっても
ラナロウ「これでおしまいじゃねぇよな?」
カガリ「当たり前だ!!」
とアスハ代表は、まだ戦う気でいた。

マリア「それにしても……アカツキとI.W.S.P.って相性悪いわね」
「武装が実弾とビームブーメラン・対艦刀だからね」
と対戦を見ていたら
エルフリーデ「待たせたな。アスハ代表はどこだ?私のストライクを披露したいのだが……」
とエルフリーデさんがやって来た。
マリア「現在ラナロウさんと対戦しているので、それが終わってからになります」
エルフリーデ「そうか」
「それよりさっきマリア姉さんが連絡していたのエルフリーデさんだったんだ」
マリア「そうよ。本人から直接説明した方がいいと思って呼んだの」
とエルフリーデさんがやって来た理由をマリア姉さんが話した。

さて対戦の方は
カガリ「くそぉ、左ばっか狙いやがって……」
ラナロウ「勝負に正々堂々なんてねぇんだよ!!まぁ、ウチには正々堂々の真っ向勝負が好きな奴も中にはいるけどよ」
とラナロウさんがアカツキの左側を集中的に攻撃していた。
エルフリーデ「ラナロウ、今確実に私のことを言ってたよな?」
マリア「そうですね」
「えぇ、誰がなんと言おうとも」
と話していたら
カガリ「いい加減にしろよな、コノヤロー!!」
とアスハ代表がSEEDを発動した。

SEEDとは戦闘中に危機に陥る、感情を爆発させるといったことを契機に発動する現象である。発動すると高い戦闘能力が得られる「火事場の馬鹿力」のような状態になる。
ちなみに僕らには誰一人としてこのSEEDを発動させれる者はいない。

相変わらずアカツキの左側を集中的に攻撃したらヒャクライが投げつけられたのでそれを破壊した。
ラナロウ「様子が変わった?けど俺にはそんなの関係ねぇぜ!!」
と再度攻撃を仕掛けたらアカツキはビームサーベルを連結させた「アンビテクスハルバードモード」にすると回転させて弾きながら突撃していった。
ラナロウ「ヘッ、また斬り刻まれにきたか」
そう言って待ち構えたらオオワシからビーム砲が発射されたのでそれを回避した。けど回避した方向に同時に移動したので
ラナロウ「しまった!!」
とルージュが逆に斬り刻まれてこの勝負はアスハ代表の勝利となった。


四日目 16:15 機体を見てアスハ代表が思ったこと


対戦が終わってアスハ代表はシミュレーターから出ると意気消沈したラナロウさんの方に向かった。そして
カガリ「また対戦しような。それと明日はよろしく」
と言った後こちらにやって来たので
カガリ「お待たせ。さぁ機体を見せてくれ」
マリア「わかりました。その前に」
エルフリーデ「初めまして。私の名前はエルフリーデ・シュルツだ。
本日アスハ代表が来ると聞いて愛機を自ら紹介しに参った。以後よろしく」
カガリ「あぁ、こちらこそよろしく(ってなんだよコイツ、腰にレイピア差して……中世の騎士みたいだな)」
とエルフリーデさんが自己紹介をした。

それから第4カタパルトに着くと
カガリ「あの見たことないガンダムはどんな性能だ?」
ということでセカンドVについて解説したら
カガリ「なるほど、地球←→木星間を1週間で航行可能か。オーブでも開発をしてみるようエリカに頼んでみるかな」
ミノフスキードライブに興味津々だった。
次はストライクのところに行くと
エルフリーデ「待たせたな、これが我が愛機だ!!」
カガリ「え〜と原型はパーフェクトストライクだけど武装は
アーマーシュナイダー×2
エールユニットにはビームサーベル×2(元々装備している)とシュベルトゲベール×2を搭載
腰にI.W.S.P.の対艦刀×2
右肩はランチャーパックのコンボウェポンポット
左肩はソードパックのマイダスメッサー
右腕にソードパックのパンツァーアイゼン
左腕にABCシールド

か。ビームライフル無いけど大丈夫なのか!?」
エルフリーデ「騎士の私にはそんなの不要だ!!」
「ちなみにデュートリオンビームの補給の関係でDチームは艦の直援に徹することになっています。
尚、ストライクにもルージュにもデュートリオン受信機を搭載していますよ」
カガリ「なるほど、それなら同じチームの奴が取りこぼしたのを迎撃するってことか」
エルフリーデ「あぁ、そういうことだ。それが騎士の役目だからな」
とエルフリーデさん専用ストライクの解説をした。
それからルージュを省いてデスティニーインパルスとA〜Cチームの機体解説をした(その際整備班のみんながアスハ代表に自己紹介)。
全部の機体を見た後
マリア「どうでしたか?機体をご覧になって」
カガリ「そうだな……デルタカイ・リゼル・ブレイヴは同じTMSだからムラサメの、BチームのようにSFSを運用するのはアストレイの参考になったな。
特にSFSはシュライクと併用すればアストレイの活動に幅が広がるな」
とアスハ代表は感想を述べた。


四日目 17:00 予定変更、医務室へ


カガリ「次はブリッジを案内してくれ」
ということで僕らはMSデッキを出るとブリッジへと向かった。
そして通路を歩いていると
カガリ「そういやこの艦はどのくらいの大きさなんだ?」
「連邦軍のドゴス・ギア級2番艦ゼネラル・レビルと同じ大きさなので
全長600m・全幅200m

となっております」
カガリ「ウチのタケミカズチ級空母でも全長370mだぞ!!
お前らみたいなのがよくこんなの所持できるな」
マリア「私達の元には色々な依頼が舞い降りますからね。この艦も『連邦の既存艦に太陽炉を搭載したらどうなるか?』
というのを試験する艦になっております」
カガリ「なるほど、試験運用か。ちなみに結果報告した後はどうなるんだ?」
「契約によりますが、今回はそのまま所有することが可能になります」
カガリ「ふ〜ん、そうなっているんだ」
と話していたら医務室の前までやって来た。

カガリ「おっ、ここは医務室か。医者はいるのか?」
マリア「えぇ、二人常駐してますよ」
「今なら忙しくないので挨拶しに行きますか?」
カガリ「あぁ、そうするよ」
ということでブリッジの前に医務室へと入った。
中に入ると
カガリ「お前たちがここの医者か?」
ルナ「そうだ、私は……ルナ・シーンだ。よろしく、アスハ代表」
ノーラン「アタシはノーラン・ミリガン。ところでアスハ代表、ここに来たってことはどこか具合が悪いのかい?」
カガリ「いや、どこも悪くない。ただ挨拶に来ただけさ」
ルナ「そうか。ところで……マリア、どこを案内したんだ?」
マリア「まだMSデッキだけよ。これからブリッジを案内する予定」
ルナ「なるほど、機体を見るだけでも……時間かかるからな」
「それだけでなくラナロウさんとシミュレーターで対戦をやってましたよ」
カガリ「手加減無用ということで『SEED』を発動して私の勝ちに終わったがな」
ノーラン「へぇ〜、SEED発動したのか。今度シミュレーターに記録されてる対戦結果を見てみるよ」
カガリ「(あっ、シミュレーターにそんな機能もあるんだ)そうか、楽しみにしてくれ」
と話した。
それから
カガリ「それじゃあこれで失礼するよ」
ノーラン「そっか、また来ていいぞ」
ルナ「またな。……あぁそうそう、この隣は私とマリアの部屋だから中を覗いていいぞ」
カガリ「そうなんだ。じゃあ覗いてみたいけど……マリアもいいか?」
マリア「えぇ、いいですよ」
ということで医務室を出たらすぐ隣のマリア姉さんの部屋に入った。


四日目 17:20 ブリッジに行くのはいつになるのやら……


マリア姉さんの部屋に入ると
カガリ「こうして見ると……ミネルバとさほど変わらないな」
アスハ代表の第一声がこれであった。

マリア「そういえばカガリさんはミネルバに乗艦したことあったんでしたね」
カガリ「あぁ、アーモリーワンに行った時戦火に巻き込まれたのがきっかけでな。
ところでこっちの扉の先はトイレ・シャワーか?」
マリア「えぇ、そうです。各部屋に備え付けられています」
カガリ「なるほど。……おっ、写真飾ってあるのか。どれどれ、どんなのかな?」
と机に写真が飾ってあるのを発見したらアスハ代表はそれを手にとって見た。
カガリ「へぇ〜、二人で撮ったのか。仲がいいんだなお前ら」
マリア「睡眠時と浴室を使用して混浴する場合等を除けば大抵の場合いっしょにいますよ」
カガリ「浴室で混浴!?この艦って風呂あるのか?」
「えぇ、水着の着用なら混浴できる浴室がありますよ。もちろん脱衣所は男女別ですけど。
ちなみに使用する場合は各自で時間を決めて予約することになっております」
マリア「今からそちらの方に行ってみますか?」
カガリ「もちろんだ。どのくらいの大きさなのかこの目で見たいからな」
ということでマリア姉さんの部屋を出るとブリッジではなく浴室の方に向かった。

浴室の前に着くと
マリア「え〜と、この時間入っているのは……あっ、クレアさん達か。じゃあ案内しても大丈夫そうね」
「それなら僕は外で待っているから案内よろしく」
マリア「えぇ、わかったわ。それじゃあカガリさん、私と中に入りましょ」
カガリ「あぁ、よろしく頼む」
こうしてマリア姉さんとアスハ代表は浴室の中に入って僕は外で待つことにした。

そして浴室では
マリア「ちょっとお邪魔するわよ」
三人娘「マリアさんどうしたの?……っていっしょにいるのオーブのアスハ代表!?」
カガリ「あぁ、私がオーブ連合首長国代表のカガリ・ユラ・アスハだ。
アークエンジェルの天使湯みたいにこの艦にも風呂が備え付けてあると聞いてこうして見に来た」
エリス「そうでしたか。私はエリス・クロードです、以後よろしくお願いします」
レイチェル「私はレイチェル・ランサムです」
クレア「アタシはクレア・ヒースローだよ」
と三人娘とアスハ代表はお互いに自己紹介していた。

一人待っていた僕は使用予約表を眺めていたら明日は空いてる時間が多かったので
「17:00〜18:00」
の1時間をマリア姉さんとの混浴で予約した。


四日目 17:50 ようやくブリッジへ


マリア「お待たせ」
カガリ「悪いな、待たせて」
と二人が戻ってきた。
「クレア達が入っているところに僕が行ったら『覗き』になりますしカガリさんの案内を放り出す訳にはいきませんから待つのは当然のことですよ。
ところでクレア達とはどんな話をしたんですか?」
カガリ「クレア達が乗ってるリゼルが装備しているディフェンサーユニットがムラサメの参考になったことだな」
「他には何か言ってませんでしたか?(アイツのことだからこれだけで終わるはず無いんだよなぁ……)」
カガリ「そうそう、お前が普段マリアのことを本当の姉弟じゃないけど『マリア姉さん』と言ってるって聞いたぞ」
「(やっぱりそれか!!)えぇ、事実です。普段いっしょにいる機会が多いのでそう呼んでいるんです」
こう言ったら予約表を見ていたそのマリア姉さんが
マリア「あら、明日の浴室使用の予約したんだ」
と言った。
それにつられて見たアスハ代表が
カガリ「どれどれ……ほんとだ。しかも二人で混浴ねぇ〜。クレアの言ってたとおりマリアのこと好きなんだな」
と言って軽く肘うちをしてきたので
「とにかく、浴室は見たことだし元々見学したかったブリッジに行きましょう」
こう言い返した。
マリア「そうですよ、MSデッキの後にブリッジ見たいって言ったのカガリさんからじゃないですか」
カガリ「あぁ、そうだったな。
ってことで二人ともブリッジへの案内よろしく」
こうしてブリッジへとようやく行くことにした。

ブリッジにたどり着くと
カガリ「へぇ〜、ここがブリッジか(……って子供がいるぞ、大丈夫なのか!?)」
カチュア「子供でも立派なブリッジクルーだもん!!」
シス「私はシス・ミットヴィル、こっちはカチュア・リイス
対空監視をやっているわ」
カガリ「そうか。私はオーブ連合首長国代表のカガリ・ユラ・アスハだ。ところで何で私が思ったことがわかったんだ?」
ラ「カチュアちゃんとシスちゃんはサイキッカーだから相手が何を思っているのか感じとることができるんです。
ちなみに私はメインオペレーターのラ・ミラ・ルナです」
リコル「サブオペレーターのリコル・チュアートですぅ〜。アスハ代表よろしくですぅ〜」
カガリ「あぁ、こちらこそよろしく」
と挨拶を交わした。
それから
ビリー「操舵者のビリー・ブレイズだ。以後よろしく」
エルンスト「砲雷長のエルンスト・イェーガーだ、よろしくな」
とビリーさん、エルンストさんがアスハ代表に挨拶をした。


四日目 18:20 ブリッジ要員の役割分担について


先ほどの挨拶で気になったので
「エルンストさんの役職が砲雷長?」
マリア「副操舵士じゃないんですか?」
と聞いたら
エルンスト「昨日の訓練で艦の火器管制やったら艦長から任命されたんだよ。
まぁ、副操舵士も兼任だけどよ」
エルンストさんはこう答えた。
それからブリッジを見渡していたアスハ代表が
カガリ「なぁ、こんなブリッジで戦闘に挑むなんて危険じゃないか?」
と聞いてきたので
「ここは通常航行用ブリッジなのでこの下にちゃんと戦闘時に使用するブリッジがあります。
ちなみにロンド・ベル旗艦ラー・カイラム及び主力艦のクラップ級のブリッジも同様の構造をしておりますよ」
と答えたら
カガリ「あのロンド・ベルの艦と同じ構造か。それでさっきブリッジの外観を見たとき似ているなと思ったんだな」
と納得した。

話に出てきたロンド・ベルとは連邦軍第13独立外郭部隊の通称で地球圏の有事の際には独自に行動する権利がある組織だ。
司令官のブライト・ノア大佐はホワイトベース、反地球連邦組織エゥーゴ(現在のロンド・ベル隊員が所属していた)のアーガマ等の艦長を勤めたことのある軍関係者でその名を知らない人はいない名艦長である。

その後
カガリ「デュートリオン送信は誰が担当しているんだ?」
ラ「それは私が担当しています。他に艦の防御システムのGNフィールド展開、機体の発進シークエンスもメインオペレーターの私の役割ですね」
リコル「そしてサブオペレーターの私は艦のダメージコントロール、前後の対空監視担当ですぅ〜」
カチュア「私が右舷で」
シス「私が左舷の対空監視を担当しているわ」
カガリ「そうなんだ。役割分担がきっちりしているんだな」
とアスハ代表はブリッジ要員のみんながどんな役割をしているのか聞いた。

そうしていたら
カガリ「そろそろお腹が空いてきたから食堂に案内してくれ」
「わかりました」
マリア「では、私達はこれで失礼します」
ということでブリッジを後にして食堂へと向かった。
その移動中
カガリ「なぁ、料理長はどんな奴なんだ?」
と聞かれたので
「僕らのことを『ゴミ』って呼ぶ見た目はマッドサイエンティストのようだけど料理の腕は確かな人ですよ」
こうブラッドさんを紹介したら
カガリ「なるほど、見た目で判断してはいけない奴か。わかった、ありがとう」
とアスハ代表は結論付けた。
さらに
マリア「私達から話を聞いたって本人に言わないでくださいね」
カガリ「ん?……あぁ、わかった。初対面なのにそんなこと言ったら相手に失礼だからな」
とマリア姉さんが釘をさしたのを了承した。


四日目 18:50 調理班の説明


食堂に着くと
ブラッド「ほぅ、艦の見学をするとは聞いていたが……ここにも来るとはな。さて、何を食べるんだ?アスハ代表」
とブラッドさんが出迎えた。
カガリ「ケバブを頼むぞ(コイツが料理長か。確かにマッドサイエンティストみたいな雰囲気を醸し出してるな)
もちろんソースは……」
ブラッド「ヨーグルトソースではなくチリソースだろ?それくらい知ってる」
カガリ「わかってるならいい」
ブラッド「そうか。あぁ、注文取るのが面倒なのでマリアとシェルドもいっしょにするが……いいか?」
マリア「えぇ、構いませんよ」
「僕もいいですよ」
ブラッド「フッ、お前らは聞き分けがいいから助かるな。
そうそう、ケバブだが羊肉は無いので牛肉を使用するからな」
と言ってブラッドさんが調理に取りかかろうとしたらマリア姉さんが
マリア「ブラッドさん、飲み物ですけど……」
と飲み物の注文をしようとしたけどそれに対して
ブラッド「トニーに水を持ってこさせるからアイツに頼め」
こう言ってブラッドさんは調理に取りかかりに行った。

それから席に着くと
カガリ「なぁ、食事の注文っていつもあんな感じか?」
と聞かれたので
「えぇ、いつもこんな感じで注文のやり取りはしていますよ」
こう答えたら
トニー「水お待ちどうさん。
そしてアスハ代表はじめまして、料理の配膳係のトニー・ジーンです。
飲み物の注文は何にしますか?」
と自己紹介をしながらトニーさんが水を持って来た。そして
カガリ「水ありがとう。飲み物だが、そうだなぁ……お茶でいいよ」
マリア「私達はアイスコーヒーで」
と注文したらトニーさんが
トニー「お茶とアイスコーヒー二つね。今持ってくるよ」
こう言って飲み物を取りに行った。
それからしばらく経って
トニー「お待たせ、ケバブはまだ時間がかかりそうだな」
と言って注文した飲み物をトニーさんが持って来た。

ケバブを待っている間
カガリ「なぁ、料理はアイツ一人で作ってるんじゃないよな?」
マリア「えぇ、そうですよ。料理長のブラッドさんの他に調理担当が二人いますよ」
「そして向こうでワインを注いでいるサングラスをかけた人がバイスさんで、今料理を運んでいるのがサエンさんです。
見てわかるけど二人もトニーさんと同じく配膳の担当をしています」
とアスハ代表に料理班の説明をした。


四日目 19:20 初めてのケバブ


マーク「まだ退艦してないと思ったけどアスハ代表、やっぱりここにいたか」
こう言ってマークさんが食堂にやって来たので
カガリ「あぁ、ここの食事がどんな物か食べたくてな」
マリア「お疲れさまです、マークさん」
「マークさんお疲れさまです。ところで入口の見張り誰かと交代したんですか?」
僕がこう聞いたら
マーク「あぁ、エルフリーデと交代したよ。アイツいつ頼んでいたか知らないけどサンドイッチ持ってたな。
それじゃあ俺はこれで」
こう答えて夕食を注文しに行った。

マークさんが去ってから
トニー「注文のケバブお待ちどうさん。チリソースはお好みの量をかけてな。んじゃごゆっくり」
と言って本日の夕食のケバブをトニーさんが持ってきた。それから
カガリ「おぉ〜、見た目は美味そうだな。んじゃコイツをかけて」
とアスハ代表は早速チリソースをケバブにかけた。
そしてたっぷりとかけてから
カガリ「ほら、お前達もかけろよ」
とチリソースを差し出したけど
「僕らはまずチリソースをつけないで食べてみますよ」
マリア「ケバブって実はこれが食べるの初めてなもので」
こう言ったら
カガリ「そうか。けどチリソースかけた方が絶対美味いからちゃんとかけろよ」
と言ってからアスハ代表はケバブを食べ始めた。

本日の夕食のケバブは主にトルコや中東で食べられる料理である。
・串に肉を刺して焼くもの
・味付けした肉を串刺しにして重ねたものを回転させて焼いてその焼き上がったヵ所から削ぎ落として食べるもの(ドネルケバブ)
等がある。
今回は中が空洞になっているピタパンに野菜と肉を挟んで食べる『ドネルサンド』という形で出された。

「あっ、肉に味が付いてるからこのまま食べるのもアリかも」
マリア「そうね。でもカガリさんがおすすめするからチリソースをかけて食べてみましょ」
「うん、そうだね」
と何もつけないで食べてから今度はチリソースをかけて食べてみたら
「うん、ソースのピリ辛がアクセントになっていいな」
カガリ「そうだろ、ケバブにはチリソースがいいだろ!!マリアはどうだ?」
マリア「シェルドと同感よ」
カガリ「そうか!二人ともチリソースの良さに気づいて嬉しいよ!!」
とアスハ代表が感激した。

その後食べ終えると
カガリ「ごちそうさま、置いとくぞ」
マリア「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした、アスハ代表も完食しましたよ」
と食器を置いて食堂を出た。


四日目 19:55 アスハ代表の下船〜エターナさんと対戦


通路を歩いていたら
カガリ「これまで案内してくれてありがとう。私はこれで失礼するよ」
マリア「もうお帰りになるのですか?」
カガリ「あぁ、エリカに明日の詳細を聞きにな」
「そうですか。ちなみにまた僕らがオーブに寄港したら会ってくれますか?」
カガリ「もちろんだ」
「わかりました。では、またお会いできる機会を楽しみにしてます」
マリア「そのときは、また私達が案内役をしますね」
カガリ「あぁ、約束だ」
ということでアスハ代表は退艦して行った。
それから
「そろそろ約束していた時間になるからエターナさんとの対戦しに行くね」
マリア「わかったわ。じゃあまたね」
「うん、また」
とマリア姉さんが去り際に手を振りながら見せた笑顔を頭に焼き付けてMSデッキへと向かった。

MSデッキに着くと
エターナ「約束の時間から5分遅れたわね。アスハ代表なんだけど……まだいるのかしら?」
と言ってエターナさんがこちらにやって来た。そして
「カガリさんならもう退艦したよ」
エターナ「あらそう。なら時間に余裕があるから早速始めましょ」
「わかりました」
とアスハ代表が艦を降りたのを伝えた後シミュレーターに乗り込んで対戦の準備を始めた。

・使用機体
僕…ブレイヴ
エターナさん…セカンドV
・戦場…眼下に雲海の広がる上空

初めの対戦はこれで行うことにした。
エターナ「開始してもいいわね?」
「えぇ、いつでも」
エターナ「じゃあ始めるわよ」
こうして最初の対戦が始まった。

お互い相手が見える状態でスタートしたのはいいけどエターナさんのセカンドVを見て驚いた。なぜなら
「ブーツどんだけあるんですか!?おかしいですよエターナさん!!」
と思わず言ってしまうほど機体の周囲にヴィクトリー系の下半身パーツに当たるブーツがファンネルの如く展開されていたからだ。
エターナ「これもあなたの訓練になるでしょ?」
「そうですけど……」
と僕が反論しようとしたらブーツがミサイルのようにこちらに飛んできたのでクルーザーモードに変形して一旦雲海に隠れて回避した。
それから雲海を抜けるとこちらに再びブーツがミサイルのように飛んできたのできりもみ回転しながらビームライフルを連射してブーツを次々と破壊していった。
そうしていたら辺りが爆風に包まれて視界が遮られた。
(エターナさんの狙いはコレか!!)
と今さらながら思った。


四日目 20:15 課題の克服〜マリア姉さんの部屋へ


(また雲海に隠れるか?いやここは)
ということで上昇すると
エターナ「あら、予想は当たりね」
「読まれた!?でも」
と待ち伏せしていたエターナさんのセカンドVがビームサーベルをこちらに振りかざしたのでトランザムを起動して回避して距離を置いた。
それからトランザムを解除するとお互いに撃っては避けの膠着状態となった。

10分くらいこの状況が続いたけど僕の方から崩していった。
機首にGNフィールドを展開しつつ避けながら接近すると上昇した後、変形して右手に保持したビームサーベルを振りながらセカンドVめがけて落下。それに対して
エターナ「そんなのコレで防げるわよ」
と言って左手のミノフスキーシールドを構えた。
だけどビームサーベルをシールドに当たる前に手放すと
エターナ「ここで普通ビームサーベル手放す!?」
こう言って驚いた。
それから落下したビームサーベルがシールドに触れる直前で狙い撃って爆発させると
エターナ「しまった、視界が…」
と爆風で視界が遮られてこちらを見失った。
そこへフルブラストを撃ち込んでこの勝負は僕の勝ちとなった。

対戦を終えてシミュレーターを出ると
エターナ「完敗だわ。あんなことするなんて思わなかったから。だ・か・ら課題に関しては合格よ」
こう言ってエターナさんは僕の頭を撫でると
エターナ「それじゃあ私は射撃場の方に行くわね」
と言ってその場を去って行った。
それからこちらにラナロウさんがやって来て
ラナロウ「なぁ、オーブの代表さんはまだいるかい?」
と聞いてきたので
「カガリさんなら僕とマリア姉さんといっしょに夕飯を食べた後に下船しましたよ」
こう答えたら
ラナロウ「そうか、帰ったか。あ〜あ、リベンジしたかったんだけどなぁ〜」
と残念そうに言ってどこかへ行ってしまった。
それから僕もここにはもう用事が無いのでMSデッキを後にした。

MSデッキを出たのはいいけど、どこに行くか決めてなかったので取り合えずマリア姉さんの部屋に行くことにした。
そして部屋の前に着くと
「マリア姉さん、入ってもいい?」
と声をかけたら
マリア「えぇ、いいわよ」
こう返事をしたので中に入ったら
マリア「エターナとの対戦はどうだった?」
こう聞かれたので戦闘の内容を話したら
マリア「へぇ〜、ビームサーベルを手放してそれを撃って煙幕みたいにしたところにフルブラストを撃ち込んで勝ったんだ。
けど宇宙空間なら手放したビームサーベルを撃つ代わりにデブリに隠れてロストしたところを狙い撃つ

ってことができるわね」
と宇宙空間で同じ戦法を取る場合自分ならこうするというのを教えてくれた。


四日目 20:40 ダージリンの香り


マリア「あっ、そういやシェルドは何しに来たの?これを報告しに来た訳じゃないわよね」
「ん〜、特にコレといった用事は無いよ。ところでそれって報告書?」
とパソコンの画面を見て聞いたら
マリア「そうよ。ちなみに内容はカガリさんを案内したことに関してよ。さっき月の基地の方にメールで送信したから今度は艦長に提出する分を印刷しようとしていたところよ」
こう答えた。
それからマリア姉さんは印刷作業に取りかかった。

出来上がったのを早速読ませてもらったら
マリア「せっかく来たからコレ飲んで」
と渡された紙コップにはアイスティーが注がれていた。
「ねぇ、コレって種類は何?」
マリア「ダージリンよ。昨日飲んでみたいって言ってたから朝から作っておいたの。
ガムシロは入ってないから入れるならお好みでね」
「わかった。けどまずはこのまま飲んでみるよ」
マリア「そっか。じゃあベッドに腰かけたら?部屋に来てからずっと立ったままでしょ」
「そうさせてもらうよ」
ということでベッドに座ってダージリンティーを飲むことにした。

僕が座って飲んでいたらマリア姉さんが隣にビッタリくっついて座ると
マリア「飲んでみてどう?」
と聞いてきたので
「香りを楽しむ紅茶なだけあって他よりもやっぱり香りが強いね。ミルクティーじゃなくてストレートで飲んだ方がいいってのがよくわかったよ(それにしても……マリア姉さん近いよ)」
こう感想を述べてから報告書を再び読みながら全部飲み干した。
空になったコップを見て
マリア「おかわりする?」
と聞いてきたので
「うん、今度はガムシロ一つ入れたのちょうだい。僕は報告書を机の上に置いとくから」
マリア「わかったわ」
こうして僕が机に報告書を置いたらマリア姉さんはガムシロを入れたおかわりのダージリンを持ってきてくれた。

再びベッドにお互い密着して座ると
「ねぇ、コレ飲み干したら膝枕してよ」
マリア「膝枕?いいわよ。カガリさんの案内で疲れただろうし」
「ありがとう」
マリア「だからって急いで飲む必要ないからね。就寝まで時間はあるから」
「わかってるよ」
そして香りを嗅ぎながら時間をかけて飲み干した後コップを捨てると
マリア「はい、こっちにいらっしゃい」
とマリア姉さんが誘ったけど膝枕の体勢ではなく誰がどう見ても添い寝の体勢であった。


四日目 21:05 マリア姉さんの添い寝〜就寝


「あのさ、コレは一体どういうこと?」
マリア「見たままよ、いっしょに寝ましょ。それとも……膝枕の方がいい?」
「ううん、断然こっちの方がいい」
とマリア姉さんの寝転がっている布団に潜り込んでからお互いに抱き合った。
「ねぇ、このまま明日の朝までいてもいいかな?」
マリア「つまり一晩こうしたいってこと?シェルドがそうしたいなら別にいいわよ」
「冗談だよ、冗談。本気にしないでよ」
マリア「あらそう(私は構わなかったけど残念ね)
ところでさっきから私の髪を撫でているけど……触ってみてどんな感じ?」
「艶があって滑らかで触り心地のいい髪だよ」
マリア「毎日の手入れはしっかりしているからね」
と話していたら
ルナ「水筒の中が空になったから継ぎ足しに来たぞ」
こう言ってルナさんがやって来た。
そして僕らを見るなり
ルナ「すぐ出るからお構い無く。あと……部屋に誰かが入らないようドアに注意書を貼っておく」
そう言って淡々と作業をした。
その後
ルナ「じゃあ私はこれで」
と紅茶を継ぎ足した水筒と「マリアが睡眠中、部屋に入るべからず」と書かれた紙を持って部屋を出た。

ルナさんが去ってからも相変わらず抱き合ったままだけど
「Zzz〜 Zzz〜」
と僕が小さないびきをかいて眠りについたら
マリア「フフッ、よっぽど疲れがたまってたのね(でも、こうして見ていると寝顔かわいい)」
こう言ってマリア姉さんは僕の頭をなでなでした。
それから時刻が22:30になったら
マリア「シェルド、起・き・て。
ねぇ〜、シェルドってばぁ〜」
と耳元でマリア姉さんがささやいたので
「ん〜、マリア姉さん、どうしたの?」
マリア「そろそろ自分の部屋に戻ったらどう?
ほら、コレ見て」
と言われたので時計を見たら
「えっ!?もうこんな時間?
それじゃあ部屋に戻るよ。おやすみ、マリア姉さん」
こう言って布団から抜け出したら
マリア「おやすみ。あぁ、明日なんだけど朝起きたら私の部屋に来てね」
「うん、わかった」
と約束をした後マリア姉さんの部屋を出た。

自室に戻ると先に戻っていたジュナスが
ジュナス「お帰り。そういやアスハ代表の案内していたんだよな。どんな感じの人だった?」
と聞かれたので
「クレアがさらに男勝りになった感じだね。アスハ代表って堅苦しく呼ばれるの嫌ってたから『カガリさん』ってマリア姉さんと呼んでいたし」
こう答えた。
ジュナス「なるほど、何となく想像できる。
ところで明日はいよいよオーブに上陸してまる一日自由時間だな」
「うん、そうなるね。ちなみに僕はマリア姉さんといっしょに行く予定もう立ててあるよ」
ジュナス「やっぱりね」
「そう言ってるけど、どうせエルフリーデさんと過ごす予定あるんだろ?」
ジュナス「うん、そうだよ。
……おっ、夜間照明に切り替わったから僕は寝るよ。おやすみ、シェルド」
「うん、おやすみ、ジュナス」
とジュナスが部屋の電気を消して寝たので僕も布団に入った。

なお、マリア姉さんの部屋で一時間ほど寝たので昨日よりも就寝に入った時間は遅かった。