二日目 15:30 フォン・ブラウン入り
訓練施設を出て月面のハイウェイを走行中
マリア「そういえばシェルドはいくら持ってきたの?」
「そんなに使わないと思うからとりあえず5000CAPITAL。姉さんの方は?」
マリア「私は少し多めの20000CAPITALよ。それとIDカードはちゃんと持っているわよ……ね?」
「もちろんだよ。これが無いと外出時は不便だからね」
現在の所持金とIDカードの所持を確認した。
話しに出てきたIDカードとは身分証明になるので基地からの外出時は必ずこれを持っていくことになっている。もし紛失したりしても再発行はできるけど何回発行されたのか記録されるのでなるべく無くしたくない代物だ。
それからしばらくするとAE(アナハイムエレクトロニクス)フォン・ブラウン支社の施設が見えた。
マリア「そろそろ市内に向かう地下通路が見えてくるわね」
「そうだね。さっきから他のエレカもちょくちょく追い越して行ってるみたいだし……ってナビ見て、もう市内に入っているよ!!」
マリア「えっ!?あっ!ほんとだ!!」
と話していたらいつの間にかフォン・ブラウン市内に入っていたみたいだった。
さてと気を取り直してこのあとは観光を楽しむとするか。
二日目 15:35 アームストロング広場にて
駐車場にエレカを止めて歓楽街を通り抜けてアームストロング広場にたどり着いた。
ここはアームストロング船長が人類で初めて月面に降り立った場所の付近とされているので彼の名前が付けられているみたい。
到着すると早速売店で飲み物を買ってベンチに座って飲んでいたら同じく外出をしていたこの三人にであった。
カチュア「あっ!マリアさんとシェルドだ!!」
シス「ホントだ」
ラ「誰かと鉢合わせるんじゃないかな?って思っていたけど……まさかお二人に会うなんて」
マリア「基地から外出となればここかグラナダかセント・ジョセフか私達がさっき行った訓練施設くらいですからこうして出会う機会はありますよ」
ラ「ですよねぇ〜。ちなみに私達はまだまだいる予定ですけれどお二人はどうするんですか?」
「今ここに来たばかりだからさっき通り過ぎた歓楽街で何かお土産を買う予定だよ」
カチュア「じゃあみんなでいっしょに行こうよ!!ねぇいいでしょ!?」
マリア「私は構わないけど……シェルドはどう?」
「僕も構わないよ。こうしてここで、であったのも何かの縁だし」
ラ「確かに……この五人でいっしょに出歩くなんてあまり無いから決定ね。ところでいくらお金を持ってきました?私はカチュアちゃんとシスちゃんの分も合わせて12000CAPITALですけれど……」
マリア「私が20000CAPITALでシェルドが5000CAPITALあるわよ」
「となれば全員の所持金を合計すれば37000CAPITALになるのか」
ラ「結構買えそうだけど無駄遣いは禁物ね」
シス「あのさ、マリアさんとシェルドが飲み終えたようだけど……まだここにいるの?」
カチュア「早く行こうよぉ〜!!」
ラ「あぁ、ゴメンゴメン。話はもう終わったから行きましょう」
マリア「えぇ、そうね」
こうして飲み終えた容器を捨てると、僕・マリア姉さん・ラさん・カチュア・シスの五人でお土産を買うために歓楽街へと足を運ぶことにした。
二日目 15:40 ゲームセンターで息抜き
ラさん達とアームストロング広場で会ったので五人で行動することになった。それから再び歓楽街の方へと足を運んだ。
そして歓楽街に着いて一軒一軒見て回っていたらある店の前でカチュアが立ち止まった。
カチュア「あっ!ゲームセンターだ」
ラ「中に入る?」
カチュア「うん、UFOキャッチャーとかやりたい。もちろんミ〜ちゃんもいっしょに」
シス「私は構わないわ。ちなみにマリアさんとシェルドは……」
「僕も構わないよ。ゲームセンターに入るのなんて久しぶりだし」
マリア「私もいいわよ」
カチュア「んじゃ、決定!!」
というわけでまずはゲームセンターに入った。
中に入るとUFOキャッチャーの方にカチュアがシスの手を引っ張りながらまっしぐらに向かってその後をラさんが追い掛けて行った。
マリア「あ〜あ、三人とも行っちゃった。まぁ……ラさんがいるから大丈夫だろうけど」
「そうだね。あれっ!?この声はもしかして……」
とバイクレースのマシンの方に近づいたら
キリシマ「オラオラァ、トップはわたさねぇ!!抜けるもんなら抜いてみやがれってんだ!!」
「やっぱりキリシマさんだね」
マリア「えぇそうね。わかったからそっとしておきましょう」
「うん、そうだね」
と確認を取ってその場を離れた。
さらにシューティングゲームの方では
ドク「撃って撃って撃ちまくるぅ〜」
とドクさんがプレイしていた。
その後、記念写真を撮ることのできる機械の前に来たら
マリア「せっかくだから撮ろっか。記念になるし」
「あっ、うん、いいよ」
というわけでカーテンを閉めて撮影の準備に取り掛かった。
一回につき500Capitalだけどお札しか持ってないので一枚投入した。
するとまずは何枚撮るのか決めるようなので2枚撮ることにした。それから背景フレーム選択が画面に映し出された。
マリア「月面・砂漠・プラント・軌道エレベーター・コロニー・ジャングル・雪原・Etc
と、いろいろあるわね。どれにする?」
「僕はこれがいいな」
と選んだのは『背後にカイラム級が写っている基地』のフレームだった。
そしてフレームを決めたら次はポーズを取るように画面上に指示された。
だけど、どんなポーズを取るか悩んでいたら
マリア「基地に合うポーズならこれがいいんじゃないかな?」
とマリア姉さんがこちらに『笑顔で敬礼』のポーズを示した。
なので僕もそのポーズにすることにした。
その後決定ボタンを押してポーズを取って5秒立ったらカメラが作動した。
それからカイラム級をバックに二人で笑顔で敬礼している写真が出てきた。
二日目 15:55 みんなで記念写真
写真を取り出してお釣りを忘れずにしまってカーテンを開けて出たら
シス「写真撮っていたみたいね」
カチュア「ねぇねぇミ〜ちゃん、私達も写真撮ろうよ」
と二人がやって来るなりこう言ってきた。さらにその後ろから
ラ「ハァ、やっと追いついた。あっ!?シェルドとマリアさんここにいたんですね」
とカチュアとシスが取った景品の入った紙袋を両手に引っ提げたラさんもやって来た。
マリア「ちょうどいいところに来ましたね。せっかくですからみんなで写真撮りませんか?」
ラ「写真……ですか。えぇいいですよ」
ということでこの五人で写真を撮ることにした。
カーテンを閉めてラさんが荷物入れに紙袋を置いたら枚数選択を5枚にして、フレームは今回月面にしてみんなで笑顔でピースをした格好で写真を撮った。
そして写真を取り出してラさんが荷物を持ってカーテンを開けて出たら
マリア「この後なんだけど、部屋に飾るために写真立て買いに行かない?」
とマリア姉さんが提案した。そうしたら
カチュア「行く行く、写真立て欲しい」
シス「これはアルバムに保存するけど……他の写真用に買っておくにはちょうどいいわね」
ラ「いいですねぇ〜。早速ここを出て行きましょう」
「みんな買う気満々だね」
マリア「そう言うシェルドはどうする?遊びたいなら一人残っててもいいわよ」
「僕もいっしょに行くよ。こうして記念に写真を撮れて満足したから」
マリア「そう、なら決定ね」
というわけでゲームセンターを出ることにした。
二日目 16:00 基地へ帰還
僕らがゲームセンターを出てお土産屋を探していたら
ニードル「おおっ!!ゲームセンターじゃん。中入ろうぜぇ〜」
トニー「いいねぇ〜。バイスとサエンは相変わらずナンパでどっか行ったし」
と後ろの方から二人の会話が聞こえた。
「ニードルさん達も来たみたいだね。そういえばあのゲームセンターでキリシマさんとドクさん見かけたな」
ラ「あの二人なら私も見かけたわよ。それにしても…サエンとバイスはナンパ以外にやること無いんですかねぇ……」
マリア「まぁ、いつものことだから気にしなくてもいいんじゃ無いですか?」
ラ「そう…ですね。ところでさっきから裾を引っ張ってどうしたの?」
カチュア「ねぇねぇ、あの店ってお土産屋さんじゃない?」
カチュアが指差した店の看板には
『旅の土産はぜひここで
SHOP BROWN』
って書いてあった。
シス「早速中に入る?」
マリア「そうね。カチュアちゃんが見つけてくれたし入りましょう」
ということでこの店に入った。
お土産屋ということもあって結構混雑していた。なのでカチュアとシスが迷子にならないようにマリア姉さんが二人と手を繋いで店内を歩き回ることにした。
カチュア「写真立て…どこかなぁ?」
シス「ここら辺はキーホルダー・ストラップ・文房具売り場みたい」
「それなら2Fにあるんじゃないかな?奥の方に階段あるし」
マリア「そうかもね。じゃあ行ってみよっか」
ラ「でしたら…私の分も買っておいてください。これ持って階段上がるのめんどくさいので……」
マリア「わかりました。ただし買ってきた物に対して文句を言うのは無しですよ」
ラ「それくらいわかってますよぉ〜」
こうしてラさんは1Fに残って僕らは2Fへと上がった。
1Fの混雑ぶりとは打って変わって2Fはあまり人がいなくて静かな感じだ。
シス「写真立ては…ここから見て左側の方に売ってるみたい」
カチュア「すご〜い!!ミ〜ちゃん何でわかるの!?」
シス「あれでわかる」
マリア「案内板ね。確かにこれなら上がってすぐどこに何が売ってるかわかるわね」
「なら早く買いに行こうよ。ラさんをいつまでも待たせると後で愚痴を聞くハメになるし……」
マリア「そうね、さっさと買わなくちゃ」
ということで写真立て売り場に足を運んだ。
いろいろな写真立てが売ってあったけど僕らが買ったのは『木製で銀色に塗装してところどころにクレーターみたいなくぼみがある月面に見立てたフレーム』の写真立てだ。ちなみに値段は1個2500CAPITALだった。
それからラさんにこれを見せると
ラ「月面都市らしいお土産ですね。ありがとうございます」
どうやら気に入ってくれたみたいだ。その後
カチュア「お土産買ったからそろそろ帰ろうよ」
シス「私も帰りたくなった。人混みを歩いて……疲れた」
と二人が基地に帰りたがった。
「でも帰るにしてもラさん達とここで別れ無いといけないんじゃないかな?エレカを駐車している場所が違うから……」
ラ「いっしょでも構わないわよ。だって行き先が同じだったからエルンストさんが運転するエレカに相乗りだったし」
マリア「それなら大丈夫ね。この先に止めてあるから行きましょう」
それから駐車場のエレカにたどり着いたら後部席にラさん・カチュア・シスが乗り込んで僕が助手席に乗り込んでマリア姉さんが運転してフォン・ブラウンを後にした。
二日目 16:30 帰って来てから
基地への帰り道はカチュアとシスが寝ていたので起こさないように小声での会話だった。
その内容はラさんが持っていたカチュアが手に入れた景品についてだった。
そしてフォン・ブラウンから走ること30分経って基地に到着した。だけど
二人「Zzz〜 Zzz〜 Zzz〜」
ラ「このまま部屋に連れていきましょう。私がカチュアを背負うのでマリアさんがシスを、そしてシェルドは荷物お願い」
マリア「わかりました。ではラさんが先頭で部屋への道案内お願いします」
ラ「任せてください。シェルドもいいわね!?」
「それくらいわかってるよ」
ということでまだ寝ていた二人を起こさないで部屋へと連れていくことにした。
カチュアとシスの部屋は右舷側のブリッジに通じている中央通路を曲がってすぐの場所にあった。それから中に入って僕が荷物を下ろしてマリア姉さんとラさんが二人をベッドに寝かせてたら
ラ「二人を背負ってさらに手荷物を持ってここまで行くのは私一人だとさすがにきついので助かりました。ありがとうございます」
マリア「どういたしまして。ところでこの部屋ってカチュアとシスの二人部屋なんですか?」
ラ「違うわ、私とカチュア・シスの三人部屋よ」
「でもカチュアとシスが二人で一つのベッドを使用しているから部屋にベッドは二つなんですね」
ラ「まぁ、そういうことね。あぁもう大丈夫なのでマリアさんとシェルドは行ってもいいですよ」
マリア「そうですか。それじゃあお疲れ様です」
「機会があったらまたどこかへ遊びに行きましょうね。ではこれで失礼します」
ラ「二人ともまたね」
こうして写真立てを忘れずに持って部屋を出た。その後自分の部屋に向かって歩いているとき
マリア「シェルドはこれからどうするの?」
「そうだなぁ……シミュレーターに挑戦するよ。艦載機の特性を把握したいから」
マリア「シミュレーター……か。私も挑戦してみようかなぁ……」
「じゃあ写真立て置いたらいっしょにシミュレーターやらない?副座型もあるし…」
マリア「シェルドがそう言うんだったらいいわよ。これを置いたらMSデッキね」
「うん(それにしても、こういうときはいっしょにやろうって言ってみるもんだな)」
それからしばらくして
マリア「医務室の隣のここが私とルナの部屋よ」
「ここがマリア姉さんの部屋か。僕とジュナスの部屋に近いね」
マリア「そうなんだ。多分艦長とニキさんそういうことも考慮して部屋を配置したかも。それじゃあ写真立て置くから後でね」
「うん、わかった」
マリア姉さんが部屋に入って行った後僕も自分の部屋に向かった。
マリア姉さんの部屋と僕とジュナスの部屋は3部屋分離れていた。
そして部屋の中に入ったけどジュナスはいなかった。まぁエルフリーデさんといっしょだろうな。
それから机の上に帰りのエレカの中でもう写真を入れておいた写真立てを机の上に置いてさっさと部屋を出た。
二日目 16:50 シミュレーターの追加要素
部屋の前で待っていてくれていたマリア姉さんとMSデッキにたどり着いたら
ケイ「シミュレーターやりに来たんだろ?ちょうどいいや、新しい機能追加しといたから試してみてくれ」
といきなりケイさんから頼まれた。
「新しい機能って…具体的にどんなものなんですか?」
ケイ「説明するよりゃあ実際にやってみた方がはえぇよ。ほら、さっさと起動しな!!」
「わかりました。やればいいんでしょ、やれば」
と文句を言いながらシミュレーターを作動した。
ちなみに今回は初級コースで使用する機体はストライカーパックフル装備のパーフェクトストライクにした。
僕が挑戦しているのを見て
マリア「アグニの使用を控えてコンボウェポンで牽制してビームライフル、そして取り回し重視でシュベルトゲベールではなくビームサーベルを使用する中・近距離戦のようね」
ケイ「けどこれじゃあエールにコンボウェポンで済むからアグニとシュベルトゲベールがお荷物扱いだよ」
ミンミ「そうでも無いみたいでありますよ。敵が密集している箇所にアグニを放って散開させといて各個撃破したり自分から相手に接近してシュベルトゲベールで突き刺すなど武器の特性を活かした戦法を取っているのであります」
と僕が挑戦しているのを分析していた。
そして開始から10分くらい経ったら
ミンミ「エネルギーがもう半分くらいまで減ったのであります」
ケイ「そりゃあアグニのエネルギー消費激しいからなぁ〜。あんなに連発すりゃああっという間にこうなるわ。
っつ〜わけでマリア、アタシの指示ど〜りに起動してくれ」
マリア「例の新機能を試すんですね、わかりました」
残りのエネルギーに気をつけてアグニの使用を控えたけどPS装甲に回す電力とビームライフル・ビームサーベルの使用でエネルギーは減っていく。
そしてPSダウンまであと僅かというときだった。
マリア「シェルド、大丈夫?」
とマリア姉さんがリゼルディフェンサーaで僕の挑戦しているところに現れた。
「あと少しでPSダウンだよ。でも……何でここに来れたの?」
マリア「これがケイさんの施した新機能みたいよ。他の人が挑戦しているところに乱入して参戦できるようになったわね」
つまり、ゲームセンターの格闘ゲームにある乱入システムを応用したってことか。
その後PSダウンした僕のパーフェクトストライクをマリア姉さんのリゼルが援護したおかげで撃墜されることなくシミュレーターを終えた。
二日目 17:10 補充機体の到着
シミュレーターから出ると
ケイ「お疲れさん。どうだい?このシステムは」
「いきなりマリア姉さんが出てきてビックリしましたよ。でも…こうして二人で挑戦できるのはありがたいですね」
ケイ「なるほど。ちなみに今回は途中から参戦したけど最初から最大4人で協力プレイと途中参戦してそのまま対戦っていうのも可能にしてあるよ」
マリア「それならみんなますますシミュレーターに没頭するわね」
ミンミ「話の途中申し訳ないのでありますが、そろそろ機体の搬入時間であります」
ケイ「あ〜、もうそんな時間か」
マリア「搬入って…機体を補充するんですか?」
ケイ「あぁ、そうだよ。大気圏内用にSFSが必要と判断してノッセル4機とブレイヴをもう1機補充することにしたんだ」
「SFSの搬入は、わかるけど……ブレイヴの補充はどうしてですか?」
ケイ「艦内にトランザム要員として待機しておくんだよ。そうすればいつでも4機編成で戦えるだろ」
とケイさんが言ったとき
リコル「ドック及び艦のハッチを開放するですぅ〜。危ないのでノーマルスーツを着用していない人はさっさと着るかその場を離れるですぅ〜」
ブリッジからリコルのアナウンスが聞こえた。
ケイ「んじゃ今から作業に取り掛かるんでノーマルスーツ着るぞ」
ミンミ「了解であります」
「わかりました」
マリア「私は離れた方がいいわね。それじゃあ搬入作業頑張ってね」
こうしてマリア姉さんはMSデッキを去って僕らはノーマルスーツを着込んでいつでも作業ができるようにした。
それから第3カタパルトにブレイヴがMS形態で着艦してきた。
だけど機体の太陽炉から艦にGN粒子を供給するアームは自動的に接続されるのでこれといった出番はない。だからSFSが着艦する第2カタパルトに僕らはいた。
その後パイロットが機体から降りてきたようだった。
エイブラム「さてと、私の仕事はこれで終わりだし夕食まで部屋でくつろぐとするか(それにしても…整備班の皆は何故来ないのだ?)」
とつぶやいて立ち去ったエイブラムさんであった。
それを知らずに第2カタパルトでは
ケイ「ブレイヴが無事に搬入したみたいだな」
ミンミ「そうでありますね」
「ところでパイロットは誰だったんですか?」
ケイ「エイブラムだよ。まぁ、それはおいといてこれからノッセル来たら誘導するぞ」
とブレイヴのパイロットがエイブラムさんだったのをさらりと聞いた。
ちなみに今回の作業はノッセルを所定の位置まで誘導して着艦させるという内容だ。
そして1機目のノッセルが来たので誘導灯を振りかざして着艦を行わせた。
それから2機目3機目4機目と続けてこちらに来たので休むことなく誘導を行った。
誘導を終えてハッチが閉め終わったら
クレア「やっほぉ〜。みんな誘導お疲れさん」
エリス・レイチェル「お疲れ様です」
ダイス「機体を艦の側面にこすりつけること無く誘導出来たな。感心、感心」
とノッセルを降りてきた四人がねぎらいの言葉をかけてくれた。
ケイ「そっちこそ搬入お疲れさん。そういやいっしょに行ったライルはどうしたんだ?」
クレア「アタシ達はコレで帰るから先に帰らせたよ」
エリス「でも、まだ帰ってないみたいですね」
レイチェル「多分フォン・ブラウンのジャンク屋巡りしているんじゃないかな?」
ダイス「そうかもしれんな」
「だとしたら、ライルさんらしいですね。あぁ、それとシミュレーターに新しい機能が追加されたよ」
クレア「マ ジ で!?んじゃ、エリス・レイチェル早速やろうよ」
レイチェル「私はパスするわ。この後は部屋でくつろぎたいし」
エリス「私はいいわよ。いっしょにやりましょう」
ダイス「わしも整備士として覚えなくてはならないからいっしょにやるぞ」
クレア「おぉ、ダイスじいさんやる気があっていいねぇ〜。レイチェルと違ってwww」
レイチェル「余計なお世話よ。それじゃあ、夕食で会おうね」
エリス「えぇ、夕食でね」
そしてレイチェルが自室に休憩しに行った後クレア達に追加機能について説明したのちにノーマルスーツを脱いで所定の場所にしまったら僕もMSデッキを後にした。
二日目 17:30 艦内を歩き回り
MSデッキを出たら部屋に戻ってジュナスがいないのを確認してシャワーを浴びて髪と体を洗った。ちなみに所用時間は30分
それから髪が乾いたら部屋を出て艦内を歩いて改めて各施設の場所を確認していった。
射撃場・剣術鍛練場は今は中に入らないで通り過ぎるだけにした。次に浴場の使用状況を見たら今はキリシマさん・ネリィさん・シャロンさんの三人が入っているようだ。さらに夕食後も利用の予約がビッシリと埋まっているので今日入るのは無理だな。
ということで次は艦の後方にある展望室に向かった。
この展望室は自販機が置いてあるだけでなく壁一面が、ガラス張りなので外の景色を眺めることができるから憩いの場となっている。だけど今は基地に停泊しているのでここから見えるのは隣の桟橋へと繋がる通路だ。
それはさておき、今は何時なのかわからなかったので自販機の上の壁にかかっている時計を見たら『18:45』だった。
夕食は『19:00』からなので遅れたらブラッドさんに何を言われるかわからない。だからすぐさま食堂に向かった。
入口から既に鍋の出汁のいいにおいが漂ってきていた食堂にたどり着いたのは開始5分前だった。
中に入ったら
ブラッド「遅れずに来たか。貴様の席はマリア達といっしょのそこのテーブルだ」
「あれっ!?今回は座る場所が決まっているんですか?」
ブラッド「あぁ、艦長とニキが決めたみたいだ。まぁ…誰がどこに座るかなんて料理を作る私には関係ないがな。
ということでここに突っ立ってないでさっさと座れゴミが!!」
とブラッドさんから座る場所を言われた。
それから指定された席に座ったら柑橘系の甘酸っぱい香りがマリア姉さんの方からしてきた。
「ねぇ、ここに来る前にシャワー浴びたの?」
マリア「えぇそうよ。ってシャンプーの匂いするからわざわざ聞かなくてもいいでしょ」
ルーク「それよりも、席が決まっているのは気になりますね」
ジュナス「ですね。左端のテーブルから順に
ネリィさん・エリス・クレア・レイチェル
続いてイワンさん・エイブラムさん・ブランドさん・キリシマさん
僕らの隣は
マークさん・ラナロウさん・エルフリーデさん・エターナさん
ってなってますからね」
マリア「更に私達の後ろのテーブルは
艦長・ニキさん・エルンストさん・リコルさん
続いてラさん・ビリーさん・カチュアちゃん・シスちゃん
その次はダイスさん・ケイさん・ミンミちゃん・ライルさん
って順に座るようになっているわ」
と今回の夕食は席順が細かく決まっているみたいだ。
「席順のことも気になるけど、そういえばこの艦の名前ってまだ知らないよね。夕食で発表されるかなぁ?」
マリア「そうじゃないかしら。まぁ、なんにせよ夕食楽しみましょ」
ルーク「そうそう。こんなの気にしながらだとせっかくの夕食も台なしになるよ」
と僕の疑問はあっさり受け流された。
こうして話してる内にみんな食堂に入ってきたので間もなく夕食の時間が始まる。
二日目 19:00 夕食兼ミーティング
ブラッド「ゴミ共全員来たようだな。では、これより楽しい宴を始めよう。新しい艦の受領に乾杯!!」
一同「かんぱ〜い!!」
とブラッドさんの挨拶で夕食が始まった。
今日の夕食は
鶏肉・白菜・花びらの形をしたニンジン・ネギが入ったカツオだしの醤油ベースの鍋だ。
そして食べていたら
マーク「ニキ、みんな気になってるがこの席順にはどういった意図があるんだ?」
とマークさんがこの疑問をエルンストさんと飲んでる艦長ではなくニキさんに問い掛けた。
ニキ「では説明申し上げます。今回の席順は艦載機のチーム編成になっております。
私から見て左から
第1カタパルト…Aチーム
ネリィ:デルタカイ
クレア・レイチェル・エリス:リゼル
第2カタパルト…Bチーム
イワン:ユニコーン
キリシマ:クラーケ・ズール
エイブラム:シルヴァ・バレト
ブランド:シルヴァ・バレト(フィンファンネル付き)
第3カタパルト…Cチーム
マリア:ブレイヴ隊長機
シェルド・ルーク・ジュナス:ブレイヴ一般機
第4カタパルト…Dチーム
マーク:デスティニーインパルス
エルフリーデ:パーフェクトストライク
ラナロウ:ストライクルージュI.W.S.P
エターナ:セカンドV
以上です」
ビリー「んでこっちはブリッジ要員・整備班ってことか」
ニキ「えぇ、そうなります」
と今回の席順がこの艦のクルー及びパイロットのチーム編成って判明したところで
「この艦にはもう名前が決まっているんですか?なんて呼べばいいのかわからなくて……」
僕がそう質問したら
クレア「そういや名前聞いてないねぇ〜。ニキさん、そこんとこど〜なってんの?」
エイブラム「うむ、私達がこれから運用する艦だからな。そこはぜひとも今聞いておきたいな」
等とみんな興味津々だった。
ニキ「もちろん艦名は既に決めておりますよ。この艦の名前は
ドゴス・ギア級『サラマンダー』です」
とついにこの艦の名前が判明した。
ネリィ「キャリーベースと船体の色が同じこの艦に相応しい名前ですわね」
エリス「そうですね」
エターナ「サラマンダー…か。名前の由来は火の聖霊ね」
エルフリーデ「そうみたいだな。聖霊といえばサラマンダーの他には
水のウンディーネ
土のノーム
風のシルフ
がいたな」
ラナロウ「二人ともよく知ってんな〜」
イワン「サラマンダーのお皿は一万だぁ〜
な〜んちゃってw」
ブランド「相変わらずねぇ〜。アンタのそのシャレのセンスは」
キリシマ「ったく、よく思いつきやが……りますわね」
とそれぞれ感想を述べていた。
そんな食堂を見渡していたら
「マリア姉さん、ルナさんの姿が見えないんだけど…どうしたの?」
ジュナス「言われてみれば…いないね」
マリア「ルナは本当はこっちで食べる予定だったけどノーランさんに誘われて基地の食堂で食べているわよ。ちなみにケインさん・コルトさん・ミリアムさんも向こうで食べているようね」
「そうなんだ。でも、食事が終わればルナさんこっちに来るよね」
マリア「当然よ。ルナは私のルームメイトで、この艦の軍医だからね」
と改めてマリア姉さんとルナさんの仲の良さを確認したら
レイチェル「ニキさん、チームについてなんですけど…Cチームは隊長機に乗るマリアさんがリーダーで確定のようですが、私達AチームとB・Dチームは誰がリーダーを勤めるんですか?」
ニキ「そういえば言うのを忘れてましたね。
Aチームリーダー:ネリィ
Bチームリーダー:エイブラム
Dチームリーダー:マーク
となっております」
ネリィ「私がリーダーですか。でしたらみなさん戦場で勝手な行動は慎むように」
エリス「クレアは、私とレイチェルで制御するのでそこは心配ご無用です」
クレア「こらぁ〜、制御って言い方は無いだろ、制御って言い方はッ!!」
エイブラム「個性派ぞろいの我がチーム、果たして私がリーダーとして勤まるのだろうか?」
ブランド「大丈夫よ。貴方の指示にはちゃんと従うわよ」
キリシマ「ブランドさんの言うとおりですわ。今からそんな弱気でどうすんだよッ!!」
イワン「そうそう、ワシらをまとめられるのはエイブラム殿以外考えられんぞ」
エイブラム「皆の言うとおりだな、感謝する」
ラナロウ「俺らはこのメンツじゃマークがリーダーってのは妥当だよなw」
エルフリーデ「そうだな。マークがリーダーで気楽に行けるものだ」
エターナ「マークさん、頼りにし・て・る・わ・よ」
マーク「あぁ、任せとけ」
と各チーム、リーダーに対する反応はそれぞれ違っていた。
二日目 19:20 〆の料理
ブラッド「だいぶ食べたようだな。これよりうどんを投入する」
ニードル「ヒャヒャヒャ〜今、打ち立てのやつだぜぇ〜」
ドク「とにかくジャンジャン入れときま〜すッ」
サエン「小猫ちゃん達、おかわりしたいならいつでも言ってね」
トニー・バイス「俺達の作った温泉卵もあるぜ(よ♪)一人一個だからな(ねぇ〜♪)」
キリシマ「メシが出てこねぇのはこういうことだった……んですわね」
ブラッド「まぁ、そういうことだ(実は雑炊とどっちにするか迷ったがな)」
バイス「熱いから気をつけてね♪」
カチュア「大丈夫だよ」
シス「だって……ビリーとラさんが冷ましてくれるから」
バイス「なっ、何だと♪!?ビリーお前…いつもこんな感じなのか♪?」
ビリー「あぁ、二人といっしょだとだいたいそうだよな、ルナさんよぉ〜」
ラ「えぇ、そうですね(ハァ、慣れたけど……相変わらずウザッ)」
バイス「へぇ〜そうなんだ♪んじゃ、俺はここいらでおさらばするねぇ〜♪」
ドク「ヒャッハー、とにかく入れるぜぇ〜」
ジュナス「ドクさんが来たから何となく…」
ルーク「こうなるだろうって予想はしていたけど…」
マリア「やっぱり飛び散りすぎね」
僕らのテーブルはドクさんがうどんを一気に入れたのでつゆが跳びはねてビチャビチャになった。
エルンスト「トニー、お前も一杯どうだ?」
トニー「誘いはありがたいけど、仕事中だから気持ちだけ受け取っとくわ」
リコル「ブラッドさんに見つかったらどうなるかわからないですぅ〜って感じね」
トニー「まぁ、そういうこと」
ゼノン「ならば酒を持ってきてくれ。のみ足りないんで……」
ニキ「持ってこなくて結構です。この後引き継ぎがあるので」
ゼノン「おぉ、そうだったな。スマンが今のは無しな」
トニー「りょ〜かい」
クレア「おっ、サエンさんだ!!」
サエン「このテーブルはうどんを入れる担当が俺になってうれしいかい?」
ネリィ「別に。うどんを入れてくださるなら誰でも構いませんわ」
サエン「そんなこと言って本当はうれしいくせにぃ〜」
エリス・レイチェル(入れ終わったからとっとと行ってくれないかなぁ……)
ニードル「ヒャヒャヒャ、俺が切ったから太さは不揃いだぜぇ〜」
エルフリーデ「ブラッドが切ったにしては何かおかしいと思ったが、やはりこういうことか」
エターナ「でも同じ材料で作ってあるから味はいっしょのはずよ」
ラナロウ「まぁ、俺は食えりゃ別に構わねぇけど」
マーク「そういうことだ。わざわざ、こんなこと言うなんて意外と律儀だな」
ニードル「んなこと言うなよ、俺様照れるじゃね〜かコンチキショーwww
じっ じゃあ食事楽しんでな」
ブラッド「待たせたな。今、入れてやるぞ」
ケイ・ダイス「ようやくこっちに来たか、待ち侘びたぞ」
ブラッド「スマンな、イワンのゴミがくだらんダジャレを聞いてくれとせがんできたのを退けるのに手間がかかったもんでな」
ライル「それは、大変でしたね」
ミンミ「イワンさんはミンミ達が整備の仕事中にもダジャレを聞いてほしくてMSデッキにやって来るのであります。
なのでブラッドさんの心情はよくわかるのであります」
ブラッド「そうか、貴様らも大変だな。
さて入れ終わったから私はこれで失礼するぞ。ゆっくり食事するがよい」
と各テーブルにブラッドさん達が〆のうどんを投入してくれた。
二日目 19:30 今後の予定
クレア「そういやさ……ズルズル……夕食の後って……ズルズル……どうなってんだろう?」
レイチェル「しゃべるか食べるの、どちらか一方にしたら?」
ネリィ「全く、品の無い食べ方ですわね」
エリス「私が聞いてみます。艦長、夕食後はどうなっていますか?」
ゼノン「んぁ?……あぁ、この後だな。全員食べながらでいいから聞いてくれ。ミーティングを始める」
とエリスから質問されて酔いからシャキッとした艦長であった。
ゼノン「この後は私とニキ・エルンスト・リコル・ケイ・マークはキャリーベースのミーティングルームで引き継ぎの手続きを行う。
そしてその他の諸君は自由行動でいいぞ」
ニキ「なお明日は8:00にこちらでミーティングを行うので間違ってキャリーベースのミーティングルームに行かないでください」
ブランド「ちなみにこの後に外出してホテルに一泊するのはアリなのかしら?」
ゼノン「明日のミーティングに間に合えば構わん。ただしトラブルに遭遇してもそれは自己責任だからな。
それと今はこの場にいないけどケイン・コルト・ミリアムをノッセルのパイロットに、ルナの助手にノーランを軍医として配属することにした。これで私から話すことはおしまいだ」
ニキ「誰か質問、この際言っておきたいことがある人はいますか?」
と艦長が話終えてニキさんがコチラに問い掛けたら
ケイ「シミュレーターに新しい機能を追加しといたよ。どんなのかはここで説明しないから自分の目で確かめな。以上」
ブラッド「続いて私からだ。キャリーベースの調理担当は当番制だったがコチラでは
料理長…私
助手…ドク・ニードル・トニー・バイス・サエン
で調理班を結成した。
なお、個人的に厨房を使用したい場合は私に一声かけるがいい。
私からは以上だ」
ケイさんはシミュレーターについて、ブラッドさんは厨房に関することを話した。
ニキ「話したいことがある人は他にいますか?」
と再びニキさんが問い掛けたけど誰もいなかった。
ゼノン「誰もいないようなのでミーティングはこれで終了だ。
なお、引き継ぎ担当になった者はこのあとすぐキャリーベースのミーティングルームに集合するように」
そして夕食を食べ終わってから
Aチームの場合…ネリィさんは自室で食後のワイン
三人娘は浴室へ
B・Dチームの場合…機体を自分用に調整してもらうため整備班といっしょにMSデッキへ
ただしマークさん・ケイさんは引き継ぎ担当のため同行せず
ビリーさん達…ブラッドさんにデザートを注文したのでまだ食堂に
艦長達は引き継ぎのためキャリーベースの方へとそれぞれ向かった。
そして僕らCチームは
マリア「私達はフォーメーションについて会議するわよ。ちなみに場所は私の部屋で」
ルーク・ジュナス「わかりました」
「でもマリア姉さんってルナさんといっしょの部屋だよね。僕らが会議しているときにルナさん来ても大丈夫なの?」
マリア「そっか、私の部屋だとルナが仮眠を取りに来ちゃうこともあるか……じゃあシェルドとジュナス君の部屋に場所変更してもいいかな?」
ジュナス「えぇ、構いませんよ」
ルーク「僕もそれで構いませんよ」
マリア「シェルドも、文句無いわね」
「うん、無いよ」
ということで食堂を出て会議をしに僕とジュナスの部屋へと向かった。